2007年12月29日土曜日

【三線ism】  左大文字流ある意味完成!




さてみなさんこんにちは

 昨日、待ちに待ったあるものが我が家に到着しました。

 いままでやりたかったのだけれど、なぜかやろうとしなかったある挑戦。それを完成させるために必要なブツでございます。

 それは何かと申しますと・・・・


 


 マルチエフェクターあああああ!!!!

 


 激安で有名なZOOMのG1を送料込み5500円にてネットで購入したのです(^^


 これを聞いて「え?あんたエフェクターもってなかったの?」と思われる方もあるかもしれませんが、その昔作ったエフェクター類は、すべて弟にやってしまったので、ここしばらくは所有していなかったのです。もともと、エレキギター持ってた時も、クリーン系の音が好きだったし・・・。

 エフェクターはふっるーい guitar magazine に載ってたビンテージエフェクターの製作記事を読みあさりながら、京都の寺町通りにあったニノミヤの電子パーツ売り場に足しげく通ったものです。腐りかけのオールドトランジスタとかは、通販で探しまくってデッドストックを譲ってもらったり(^^;

 ああ、ニノミヤも廃業したし、マツヤデンキも一回潰れたし、今やジョーシンだけですな、関西系の電気屋さん。

 ♪にっのー、にっのみーやー♪
 ♪いいものたいせつ―に、まつやでーんきー♪
 ♪じょっ じょっ じょっ じょおっしーん きーぶんー じょおー じょおー♪

 全部歌える自分が好きです(^^

 (関西圏以外の方は素通りしてください)


 で、繋いでみました。板張り三線に手作りの圧電PU(スピーカーともいう)をとりあえず半田付けして繋ぎ、シールドもすでにないので、100円ショップの「耳元スピーカー4mコード」をコードをぶった切ってモノラルミニジャックを取り出して、標準ジャックへの変換かまして刺してみました。


 ・・・・これですよ!これですよ!!!!


 そこから出てきた音は、まさにエレキ!コードで弾くから、すでに三線の面影はまるでなく、ちょっと余韻の短めのエレキギターの音が炸裂するわけです!!!

 
 もう日本人にエレキギターはいらん!みんな三味線をエレキにして弾きなさい!といいたくなるような完全なエレキぶりに嫁さんも興奮気味です。

 2人して「すっげー!エレキじゃん!これ!」みたいな、16歳ではじめて通販で19800のエレキを買った少年のような気持ちになるわけです。

 お決まりのスモークインザウオーターなんぞを弾くと、きっとエレキギターなのか三線なのか見分けがつかないと思います(笑)・・・いや、音に厚みがないから(3本だから)きっとバレる。


 というわけで、いままでコード弾きでもどちらかというと、「70年代青春フォーク」よりだった左大文字流にも「80年代ハードロック」な趣が生まれたわけで。

 もう左大文字流はどうにも止まらないぜええええ!みたいな。
 そのうち音源アップしますので、夜露死苦!みたいな。(なんとなく古いな)


2007年12月27日木曜日

【三線ism】 上々颱風の思い出



さてみなさんこんにちは

 中部地方のとある映像コンテスト入賞の知らせが入り、今度はわたしも大会参加予定です(^^

 これで今年も終わりなので、結局今年は4本入賞といったところでしょうか。去年の6本には見劣りしますが、とりあえず継続は力なり、ということでほそぼそと・・・。

 まあ、ひとつは大林宣彦氏(映画監督)が審査員で、大御所のお目にとまっただけでもありがたいm(_ _)m

どちらかというと、私の作品はNHKがらみの人に受けがいいのですが(^^;ドキュメンタリーが多いからです。


 さて本題。いまでこそ普通のサラリーマンをしている私ですが、昔は小説家になりたくて、大学も文学部を選びました。それがいつのまにか、文字メディアにはあまり興味がなくなって、映像の方に傾いてしまっているのですが、基本的なところは同じです。

 文章の技巧に凝ろうが、映像に凝ろうが、筋書きを立てて、論理的に文章で構築して、見る人や読む人に伝達する、という意味では通じるところが大きいと思うのです。

 当然、ラジオドラマのようなものであっても、演劇であっても、基本は同じだと思います。


 そもそも私が三味線に興味を持ったのは「演劇」でした。木の実ナナさんの「阿国」というミュージカルがあって、その初演の頃にテレビで偶然見ていたのです。


 阿国というミュージカルは上々颱風が音楽を担当していて、(いまでもそうですが)紅龍氏がバンジョーに津軽三味線の弦を張って弾きまくる、という芸(笑)を披露するのです。


 それを見ていて、「これをやりたい!これはおもしろい」と思ったのが当時18歳の左大文字少年で、祖母の家の納屋から三味線を探し出し、文化祭の演劇で「三味線が弾ける内容の劇」を考え出して、クラスの全員を巻き込んでやってしまった、というのが原点なのです(^^


 阿国では、音楽は舞台上で生で弾いてしまう、という演出がなされていたので、もちろんそれも踏襲しました。(通常のミュージカルも生演奏ですが、演奏者はオーケストラピットの中に隠れています)


 和太鼓のでかいやつを借りてきてステージサイドに置き、三味線もキーボードも観客から見える状態で生で弾く、という荒業をよくもまあ、我ながらやったものです。

 
 で、物語の内容は、薩摩藩によって「島分け」された沖縄の若者の悲恋物語・・・で、とにかく資料をあさりまくって「琉球哀恋 LOVE&REVOLUTION」を不肖わたくしが書き上げたわけです。

(なんかパッチギみたいなタイトルですが、今から15年も前のことです)

 当時は、まだ管理教育の気配が残っていて、私たちも団塊jrなものですから、「権力(センセイ)は敵じゃ~!」みたいなオーラがムンムンなわけで。当然、物語も薩摩藩に抵抗して反乱を起こした島の若者達の話になるわけで。

 いやあ、若いですよ。自分。思い出すだけで、はずかしくなります。


2007年12月24日月曜日

【三線ism】 クリスマスプレゼント



さてみなさん、こんにちは

 今日はクリスマスイブ、ということで、今年一年お世話になった方々への感謝をこめて一曲弾いてみました。

 もちろん、左大文字流コードをバリバリにつかった演奏で「きよしこの夜」です。

 本年も残すところ少なくなりましたが、来年もまた頑張ります。






 今年は、三線コード弾きを世の中に送り出しましたので、来年はいっそう

「広める」

ほうに頑張りますので、よろしくお願いいたしますm(_ _ )m

2007年12月23日日曜日

【三線ism】 屋根裏の イタチごっこ



 さてみなさんこんにちは

 この間からお弟子さんのために板張り三線などを製作しているので、ちょくちょく工房へまた寄るようになったのですが、どうも、様子がおかしいのです。

 うちの工房はシャッターがあって、その中に壁をもうけて内扉があるのですが、シャッターと内扉の間は冬用タイヤとかがおけるようになっています。

 その微妙な空間に、どうやらなにかの生き物のものらしい糞が落ちていたのです。

「ネズミでもいるのかな」

と思っていたのですが、今日は休みを利用して徹底的に周辺を掃除してみました。

 不思議なことに、内扉から中の工房そのものには生き物の気配はないのですが、そのシャッターと内扉の間の空間は

「どうもやつらに占拠されたらしい」

のです。大量の糞が転がっていました。

 で、とりあえず大掃除をして、巣になりそうなガラクタ類を撤去して家に帰り、妻にその話をすると

「それイタチやで!!!」

とのこと。

 どうも妻のパート先でも一時期イタチが住み着いたらしく、被害を受けたことがあるらしいのです。

「あいつら頭ええから、またやってくるかもしれへんで!うちの店の場合は、明らかに人間に挑戦的なところに糞したり、人間と顔を合わせても平気やったで!」

とのこと。

 これはいかん!と一念発起して、イタチとのいたちごっこをはじめることにしました。

 「イタチは何カ所か住処を作るから、そのひとつに選ばれたのかもしれへんな」

と嫁がいうので、一緒に工房へ行って調べてもらったのですが、

「うーん、おしっことかしてなさそうやし、特有の匂いもあんまりないから、完全に占拠されたのではないかもしれへん」

との推察。ガラクタの中にあった古いぬいぐるみのようなものが、イタチの寝床になっていたのかもしれません。(でも、もう撤去してやった!!)


で、

「イタチは強い匂いが嫌い」

という妻の弁を信じて、あることをしてみました。強い匂いのする石けんを置いたりするのも効果有り、らしいので、

 なかなか強い匂いのするトイレ芳香剤

を投入してみたところです。さて、やつらはまた姿を現すのか?ドキドキわくわくです。

2007年12月21日金曜日

【三線ism】 エレキ三線について考える





さてみなさんこんにちは

 あれ以来すっかり左大文字流エレキバージョンにハマッてしまった左大文字です。


 (エレキバージョンについては↓をご覧下さい

  http://jp.youtube.com/watch?v=oMIxSfNBoUA   )

 

 で、マルチエフェクターに飽き足らず、アンプシュミレータなるものも購入し、アコギっぽくするにはどうしたらいいか、などを毎日実験しておりました。

 マルチでもシュミレータでも、空間系エフェクトを足せば、それなりにステージ上のアコースティックギターっぽい音を出すことは可能ですね。

 しかし、それが三線あるいは三味線ぽい音かと問われれば、

「違う」

のです。

 三線や三味線の音はエフェクターを通すと特徴が大きく失われてしまうようです。なかなか奥深いものがあります。


 でも、考えようによっては

「エレキギター」はアンプオンリーでもクラシックギターらしい音がしない!わけで

 アンプアグドはアンプラグドの魅力、と切り分けるべきなのかもしれませんね。



 私が大学生の時は、クラプトンの「アンプラグド」が流行しました。エレキとアコースティックはいかにせめぎあうか、という哲学的な意味合いもあったあの番組(アルバム)に、当時の私もかなり影響をされました。

 明らかなアコースティック楽器であった三味線をいじっていたせいか、当時私が作っていた楽器は、全部マイクアンプ内臓でした(笑) 
 よほどエレキにしたかったのでしょうね。でも、なぜかエフェクターを頑としてつなごうとせず、アンプだけで弾いていたのは、やっぱりクラプトンの「アンプラグド」の呪縛から抜けられなかったからでしょうか(笑)

 そのうち、ソリッド三線とかソリッド三味線を作ります(^^



2007年12月14日金曜日

【三線ism】 その三線、ポジションマーク、ついてますか?







 さてみなさんこんにちは

 今日の写真は今は売っていない「那覇王冠」製の板張り三線です。

 音量がやや押さえ気味なので、部屋で弾くときに使っている三線なのですが、ご覧のとおりポジションマークが全部ふってあります(^^

 18フレットまでふってあるので、ほぼギター並です。とはいえ、12フレットを越えるハイポジはかなりシビアになってきますが(フレットレス万歳!)

 左大文字流では、一度に3箇所の勘所を合わせなくてはいけないので、ポジションマークがあったほうがはるかに便利です。

 しかし、悩みもあります。

 地唄でも長唄でも、きっと沖縄民謡でもそうなのですが、


「ポジションマークを打たない方が、正統」


みたいなところがあります。

 勘所は「耳で覚える」みたいな気運があるので、ポジションマークは邪道みたいなイメージがどうしてもあるのです。

 もちろん、わたしも細棹三味線を弾くときは、ポジションマークなんてついていませんし、うちにある三線の大半には、ポジションはふってありません。

 しかし、youtubeの演奏で使っているような、日常弾きの(そこらへんに転がっている)三味線には、全部ポジションがふってあります。

 それも、ほとんどの楽器には

「地唄三絃の勘所」

がふってあるのです!!(笑)

(ちなみに、地唄は開放弦が「1」で一オクターブ上が「11」です。つまり2音どこかで抜けているということですね)


 ポジションがふってある三味線を見ると

「初心者なんだね」

と思ってしまう自分がいるのですが、最近はプロの演奏家の中でも、よく見るとポジションをちゃんとふっている棹を使っている人が意外にたくさんいるようですね。

 三線の場合、たいていは7フレットくらいまでしか使いません。しかし三味線は、ハイポジがバリバリ出てきます。

 左大文字流の場合は、ローコードだと、ほとんど三線の音域ですが、ハイコードを弾こうと思うと、だいぶスライドしてゆきます。

 ハイコードをポジションをふらずに、3音弾こうとすると、とんでもない音が出たりして、自分でもショックを受けるのですが・・・。

 みなさんの三味線には、ポジションはふってありますか?(笑)



2007年12月13日木曜日

【三線ism】 一五一会について思うこと



 さてみなさんこんにちは

 先日、ある楽器屋さんで一五一会の入門テキストというのを見つけ、ぱらぱらと立ち読みしていました。

 え?今頃一五一会かい!と思われる方もあるでしょう(^^

 もちろん、発売当初からあの楽器については知っているし、実物を手にとったこともあるのですが、実際の演奏法については、あまり詳しくみていなかったのです。

 一五一会の特徴は「指一本でコードが弾ける」というところです。指一本ということは、弦をすべて指一本でセーハするということなのですが、この一五一会は三線・三味線とおなじチューニング原理です。

 公式ページを見ると、オリジナルの一五一会だけが棹の長さの関係で「CFCF」というチューニングをするようですね。

 みじかい奏生とかは、その分だけ高音域に移動するようです。

 さて、この一五一会のコード演奏なのですが、セーハが基本ですから、押さえるフレットを移動させてゆけば、自由にコードが設定でき、たしかに簡単にコードが押さえられます。

 これは、エレキ三線のデモでもやっているような「スモークインザウォーター」の弾き方とまったく同一で、言い換えれば、あれは

「一五一会流コード弾き」

ということになるでしょう。

 
 一五一会が「簡単であること」を大きな目標に掲げている一方、左大文字流は「簡単であること」にそれほど重点をおいていません。

 これは、私なりの信念があってのことなのですが、

「楽器は複雑であればあるほど、面白い」

という事実に基づいています。

 わたしのモットーである「チープ&ポップ」とは一見矛盾するようでもありますが、でも、楽器というものは複雑なほうが楽しいのです。



 オルガンよりも、ピアノのほうが面白い。

 リコーダーよりも、フルートやサックスのほうが面白い。



 これは、楽器を演奏する人なら、みなすぐにわかることです。

 つまり、複雑な楽器は、それだけ、一つの音階の音でも多彩な表現ができるからです。 

 吹奏楽器であれば、アンブシュア(唇の形や当て方)ひとつで音色がたくさん変化させられます。

 弦楽器では、左手の押さえ方だけでなく、ピッキングの方法でいろんな表現が可能です。


 前にも紹介しましたが、「ザフーン」という楽器があって、これはリコーダーと同じ構造でありながら、発音体はサックスとおなじリードを使います。

 最初口を当てても、全く音が出せない楽器ですが、だからこそ、音が出始めると本当にいろんな表現が可能になるのです。

 だから、「簡単である」だけじゃないアプローチも面白い、と思います。

 複雑だから、広がる表現があるし、押さえにくいからこそ、それを押さえたときに、目の前がひらけたようなひらめきがあるのです。

 つまり、みんな「Fコード」を押さえられるようになって、成長するってことですね(笑)


2007年12月12日水曜日

【三線ism】 三線コード弾きと伝統音楽



さてみなさんこんにちは

 京都にいるころは、地唄をかじっていた左大文字ですが、実は大学での研究が近世文学(演劇)だったので、三味線音楽にはいろいろなジャンルに触れておりました。

 近世といえば、江戸時代です。それも演劇が隆盛を極めたのは、近松門左衛門以降つまり、元禄時代以降ということになります。

 そのころの演劇は、人形浄瑠璃が主体で、もちろん、歌舞伎もありましたが、どちらかというと歌舞伎のほうが人形浄瑠璃の影響を受けています。

 わたしが研究していたのは、江戸時代の演劇における「人形と人間の共演」みたいなもので、簡単にいえば、

「にゃんちゅう」



「いとうかずえ」

が同じ舞台上で共演しているような例をたくさん探しておりました(笑)

 これは研究的には重要なことで、「にゃんちゅう」も「おねいさん」も同じ人格として私たちが認識するのは、いつからだったのか?みたいな話しになるわけです。

 その研究の話はとりあえず専門的になるので、置いといて、そう言う関係で、大学時代は歌舞伎や文楽をよく見にいったりしていました。

 江戸歌舞伎は長唄が多く、文楽は浄瑠璃が多くなります。前者は細棹だし、後者は太棹です。地唄では中棹を使うし、自宅では三線を弾きます。

 身の回りに三味線音楽が溢れていたなあ、と今思えば驚きです。

 社会人になって、別の土地へ行ったりすると、三味線音楽からはどうしても遠のいてしまいます。
「自分から求めないと、三味線の音楽は捕まえられない」
というのが、伝統音楽の現状なのはちょっと寂しいですね。


2007年12月8日土曜日

【三線ism】 うるま 三線特集







 さてみなさんこんにちは

 とりよせしていた雑誌「うるま」の11月号が届きました。

 このあいだの沖縄行きの際、本屋さんの片隅でこの雑誌を見つけて「面白そうやなあ」とチェックしていたのです(^^

 ここ8年くらい行っていなかった沖縄ですが、いろいろと様変わりしています。その中でも、沖縄文化に対しての一般の人の関心が非常に高くなったことや、移住を希望する人が増えたことなどがあると思います。

 そうしたこともあって、この「うるま」のような沖縄文化・生活をとりあげたような雑誌などが増えているのが向こうへいったときの驚きでした。

 沖縄の本屋さんには当然「沖縄コーナー」みたいなところがあって、8年前は堅い民謡古典の本とか、ヤンバルクイナの生態とかマングローブがどうのみたいな自然科学書とかばっかりだったのですが、だいぶ垢抜けた感じです。ポップで軽めのミニ雑誌みたいなのを見かけるようになりました。


 で、今回の「うるま」ですが、最新号ではないけれど三線特集だったのをあとで知ったので、読みたくなったのです。重すぎず軽すぎず、それでいてかなり充実した記事内容で満足です(^^

 まだバックナンバーもありそうですので、ご興味のある方はこの号だけでもお勧めです。

 登川さんやら若手の三線弾きの方がたくさんとりあげられていて、個人的にはとても懐かしい感じがしました(^^

 なんで懐かしいかというと、その昔15年前にはじめて沖縄に行った時、私は「FMレコパル」の「沖縄音楽特集号」を買って、それを片手に那覇の町をうろついたからです。

 もちろん、その号のFMレコパルで取り上げられていたのは、林助さんやら、マルフクレコードの社長やら、喜納昌吉さんやらなので、今回の「うるま」とはだいぶ世代が違いますが(笑)

 「ああ、こういう雑誌を見ながら、自分は三線を買いに行ったのだ」と思うと、自然に懐かしい気持ちになります。

 面白いことに、15年前の雑誌にも、今回の「うるま」にも、那覇の「琉球楽器またよし」の又吉さんの記事があったりして、自分の中では、原点にタイムスリップしたような感じです。

 まさかあのとき持ち帰った三線から、京都での試行錯誤をへて「コード弾き」が生み出されるとは!!

 その時最初に買った三線は、皮が破けてしまいましたが、いまでも再生のチャンスをうかがいながら眠っています。



2007年12月4日火曜日

【三線ism】 エレキ三線 エレキ三味線 三味線ギター 解説




さてみなさんこんにちは

 エレキ三味線の動画を公開して、反響がたくさんあったので、ちょっと解説です。とにかく見てくれた方からは「衝撃をうけました!」的なコメントをいただき、感謝感激です。

 
 まだの方はどうぞ↓



(エレキ三線 エレキ三味線)
 http://jp.youtube.com/watch?v=oMIxSfNBoUA


 でも、三味線をエレキのように弾くのって吉田兄弟でもやっているのではないのだろうか?うーん、わたしは津軽系にとんと縁がないので、わかりません(^^;

 いわゆる邦楽の世界でも、エレキ三味線とか、エフェクター使用とかは、やってる人はやってるのではないかしら???

 誰か知っていたら教えてくださいm(_ _)m


 さて、例によって解説です。


 ① 今回の使用三線は板張りのオリジナルもの。弦は長唄用テトロン絃です。

 ②ピックアップは圧電素子をそのまま使ってます。コードに半田付けしただけ。

 ③エフェクターはZOOMのG1 電源入れたらすぐに立ち上がるバンクの歪み系。

 
サウンド的には

 ① とりあえず、三味線弾きには定番のディープな紫から。いわゆる人差し指全部押えるコードCFCセーハのスライドだけで弾くやつなんで、厳密には左大文字流のコードじゃないです。

 ② ソロっぽいフレーズを流してみました。これも左大文字流じゃなくてもできることです。

 ③ ①と同じ原理で、ロックっぽいフレーズを流してます。リフも単音だけのリフなんで音が薄いですが、意外に聴けたのでおもしろいです。

 ④ ようやく左大文字流のコードで弾いてみました。やはり厚みがでます。

 ⑤ 最後はどこかで聴いたようなフレーズを。彼はお亡くなりになったのですが、Xjapanも再結成されるそうで(^^


 さて、こうして書くとわかるのですが、三味線という楽器はとても素直なので、エフェクターをつけるだけで、実はエレキギターとほとんど同じことができるわけです。わたしが凄いのでもなんでもなく、みなさんのお手元の三味線や三線でも、エフェクターとピックアップさえあれば、全く同じことが今すぐにでもできるのです!!

 ところが、みんな「すごい!」とビックリしてしまいますよね。これは、みなさんがいかに自分の属していう流派とか伝統とかにしばられているか、ということの表れなんです(^^

 それぞれの流派・伝統の上では、あんなフレーズを弾いたり、あんな音を出したり、あんなメロディラインを弾こうと思いつかないだけなんです。

 三味線って「自由だああああ!!!(三味線のブルース)」(ちなみに、彼とは大学が一緒)と思っていただければ幸いです。

 あ、ちなみにわたしはエレキギターは弾けません。(コード+αくらいはできるけど。)エレキギターの理屈をちょっとかじったからあんなことができるだけです。

2007年12月2日日曜日

【三線ism】 エレキ三味線 エレキ三線のデモができました



 さてみなさんこんにちは

 先日も書きましたが、エフェクターを使っての左大文字流エレキバージョンのデモが一応できましたので、アップしておきます。

 とりあえず、こんなこともできるよ、と言う程度ですので、軽いことをいくつかやってます。

 見てもらえばわかりますので、どうぞご覧くださいませ。









エレキ三線・デモ

http://jp.youtube.com/watch?v=oMIxSfNBoUA



 もうちょっと複雑なことをやりたいのですが、スケールの問題とか、(となると弦が3本なのでいろいろとギターの移植には考えなきゃいけないことが生まれそう)あるので、今回は「ざっと」でお許しを(^^;

 コマのそばに写っているのが、圧電ブザーです。もとい、ピエゾピックアップです(笑)

 あんなもんでも、ちゃんと音を拾ってくれます。

 ただし、今回使った板張り三味線は、長唄など用のテトロン弦ですので、よくすべるし柔らかいし、エレキ向きです。


 通常の三線の沖縄三線弦でやると、もっとガサガサ・ガリガリすると思いますので注意!




2007年12月1日土曜日

【三線ism】 家元制度にふと思う



 さてみなさんこんにちは

 記事もすでに100を超え、たった一人ではじめてきた左大文字流も、いまや弟子3名を抱える大所帯です(どこが?)

 弟子入り志願された方と、ちゃんとお教えしますという約束を交わしたくらいで、まだきちんとした手順での手ほどきはできていませんが(だって、みんな関東とかなんだもん!!あと、約1名は「シャミレレじゃないと嫌だ」と言ってるし←某家元)

 とはいえ、私だって、い~っぱい伝えたいことがあるので、このインターネットなご時世を最大に生かして、なんとか教える方法を確立しようと日々研究しています。


 さて、みなさんいろんな意味で左大文字流に「衝撃」を受けて声をかけてくれているので、わたしも嬉しい限りです。伝統音楽にある意味反抗的な演奏法ですから、いろんな思いが聴く人にも私にも去来します。


 そんな伝統的三味線社会に背を向けた(笑)流派ですから、自分で言うのもなんですが「家元制度」にしっくりこない気がしています。

 ある技術を的確に伝えてゆく(ただしメンバーに対して)のが家元制度の最大のメリットですが、同時にそれゆえの閉鎖性もあるわけで・・・。

 わたしの目標は常に

 ポップ&チープ

 ですから、かしこまりたくない気持ちもたくさんあります。


 で、もうちょっと柔らかい言葉を考えました。

 私、本日より左大門時流宗家あらため「チーフディレクター」で(笑)

 映像関係では「ディレクター」という言葉に親しんでいるので、これも面白いかもしれません。左大門時流というアートを発信してゆく総監督をめざします!!


 私のイメージでは、旧来の「名取」「師範代」「師範」「宗家」みたいな完全縦型組織じゃなくて、もっと縦横広がりのあるシステムがいいな、と思うのです。


 例えば、指導者的なグループ「ディレクター」セクションが執行部役だとすると、実際に演奏法を指導するメンバーは「インストラクター」セクションになります。

 でも別に、インストラクターじゃなくても、コード弾きでいろんな演奏をする人がいても言い訳で、そうした人たちは「アーチスト」セクションでもあります。

 コード弾きを楽しみたい人にも、当然いろんなパターンがありますよね。

 弟子入りしたい!というありがたい人は当然私たちの「メンバー」です。でも、自分で弾いてみたいという気持ちも、大好きです。(だって私自身が、自分で勝手にやりたかった演奏法なのですから)

 そういう人が「僕は左大文字流をやってるんだ」と言ってもかまわないわけで、そうした人たちは「プレイヤー」セクションみたいな。

 別に流派の公認があろうがなかろうが、コードで弾ければそれでいいじゃん。それもポップだよね、というスタンス。


 こうした一連のイメージは、もちろん伝統音楽をやっている人たちの組織をベースにしつつ、現代の実態を踏まえて考えています。

 たとえば沖縄民謡をやっている人は、古典の人や民謡の人や、ポップスの人などいろいろいます。組織に属している人、ただ教室で習っている人、コンクールを目指す人、そうでない人、ひいては独学の人さまざまです。
 
 それらが渾然一体となって、沖縄三線の文化を支えているところが「私が三線が好きな理由」の大きな部分なのかもしれません。

 大きな意味でチャンプルーされている「三線文化」みたいなものを、三味線全部に置き換えたとき、左大文字流はひとつの媒体になれるのではないでしょうか?(がんばれば)

 「三味線文化そのものをチャンプルーして、長唄でも地唄でも民謡でも新内でも沖縄でもコードでも、なんでもいこうよ!!」みたいな文化ができれば、このすばらしい日本の楽器は、もっともっと輝くはずです。

 今日はちょっと語ってしまいましたm(_ _)m


2007年11月22日木曜日

【三線ism】 三味線人口というもの



 さてみなさんこんにちは

 ついこの間から、三味線や三線に関するブログやHPを持っておられる方のページをうろうろと検索しておりましたら、いろんなことが見えてきました。

 今の日本における三味線人口の分布図のようなものがうっすらと見えてきたのですが、(あくまでも感覚的なものですが)この三味線ワールドの2大巨頭がわかったのです。

 最大派閥になるのか2大政党制なのかはわかりませんが、

 北の雄「津軽三味線」軍団



 南の雄「沖縄三線」軍団

の二つの派閥が、日本の三味線界を治めているようです(笑)

 長唄とか地唄とか、小唄とか、浄瑠璃なんかに至っては、議席が1つぐらいしかないんじゃないの?という感じで、はなはだマイナーですね。

 あと、民謡系がもっと多いのかな?と思っていましたが、意外に少なく残念。

 それにしても、沖縄三線は地元に根付いていたりポップスへの影響が顕著だったりしてわかりやすいのですが、津軽三味線の怒涛の頑張りはたいしたものです。

 やはりあの力強い演奏や、そこに引き込まれる何かがあるのでしょうね。

 津軽三味線の体系そのものも高橋竹山さんで知られるように、他の様式にくらべて比較的近年のジャンルですから、現代に生きる邦楽の意味合いが強いのかもしれません。

 また、コンクールや組織的な活動ががっちりなされているのも津軽三味線系の特徴のようです。沖縄三線は裾野は広いのですが、独学や教本などから爪弾いて折られる方も多く、組織票はある程度絞られてくるのかもしれません。

 また、そのジャンルのスターの存在も、やはり影響力と関係してくると思います。津軽系では言わずと知れた吉田兄弟なんかもいますから。沖縄三線も、いろんなアーチストが扱っていますね。


 やはりスターを育てないと、そのジャンルは厳しい戦いを強いられるのでしょうか?残念ながら、わたしはスターになるには、外見とか年齢とかルックスとか諸問題が山積しておりますので、裏方に徹してゆきたいと思いますが(笑)

 どこかに左大文字流のアイドル的才能をもった教え子が見つからんものかと募集したいところです
(^^


 そういえば、最近はちょっとブームから遠のいておられますが「上々台風」というグループがおられまして、彼らもTVCMのからみもあって沖縄ブームのちょっとした火付け役にもなったのですが(「愛よりも青い海」とか何年前やねん)実は、あの方たちは楽曲的には津軽~民謡系なのです。

 あのグループの中核である紅龍さんは、バンジョーに三味線の弦を張って三本で弾きまくるというかなりトリッキーな演奏なのですが、わたしはそういうのも大好きです(笑)


2007年11月21日水曜日

【三線ism】 レンダリング待ち



 さてみなさんこんにちは

 ここのところずっと映像系ばかりやっている左大文字です。ただいま約30分のレンダリング待ち時間中。
 あまり早いマシンで編集していないので、リアルタイムレンダリングができず、編集シーンごとに適当にレンダリングしてやらないといけないのですが、「お金をかけて映像を作る」よりも「どれだけ安くよいものができるか」という関西人ならではの発想でやっています(^^;

 さて、三味線関係ですが、いろんなポップスや歌謡曲を弾いているうちに、意外にたくさんの曲が弾けそうなので、一挙演奏を公開しようと思ったのですが、嫁さんから


「著作権がうるさいから、ちょっと考えてやりや!!」


とつっこまれて悩み中です。嫁さんが言うには、YAMAHA系で著作権を気にしなくても演奏をアップできるサイトがあるそうなので、調べてみます。

 youtubeなどでも、演奏については著作権を一括で処理するような方向で進めているようなニュースもあったのですが、難しいところですね。

 

 さてさて、今度の映像はいよいよ三味線に関するものなのですが、これも著作権処理がめんどくさいので、最近の曲を演奏しているようなシーンは使っていません。全部民謡とか、適当に爪弾いているのとか・・・(笑)
 監督が嫁なので、いろいろとつっこまれながら作っておりますm(_ _)m

2007年11月16日金曜日

【三線ism】 三線でパンクロック?!



 さてみなさんこんにちは

 なんの気なしに甲本ヒロト氏のことを調べていて、そういえば、ブルーハーツ時代から彼の曲はわかりやすい3コードロックが多いなあ、と改めて思い出し、昨夜は三線でいろいろ弾いてみました。

 ・・・うーん、弾きやすい(笑)。フォークもいいけどロックもね。

 ということで「1000の三味線」弾いてました(笑)←1000のバイオリン♪

 
 全然関係ないのですが、今日ラジオで「ヘビー・メタボリック」なるラジオネームで投稿されている方がおられました(笑)

 ヘビメタ世代も、いまやみんなメタボになっていることでしょう(^^;

 「デス・メタボ」とかもありそうで笑いごっちゃないですね。


 駄洒落ついでに、うちの家族にとってもバカにされた話題を。


「大ヒットムービーの完結編!


 あの三部作がついに完結。


 自分は誰なのか。なぜ追われているのか。


 記憶喪失の男に次々と迫る真実。


 マッドデイモン主演!


 彼は真実を思い出せるのか!


 人気シリーズ最終章。その名も


「ボーン・アル△■●マー!!!」


・・・・ハリウッド版「明日の記憶」をまじめに撮ってほしいというささやかな希望なんですが、「アホか!」と家族からはバカにされました。


2007年11月15日木曜日

【三線ism】  思うところいろいろ




 さてみなさんこんにちは

 更新が停滞している間に、いっしょに映像作品を作っていた友人の訃報を受けてバタバタしていたり、前に出していた作品の授賞式に嫁と実の妹が参加して「上位入賞できなかった~ブー!」という結果になったり、その間も締め切りに追われて別の作品作りにまい進したり、といろんなことがありました。

 映像系の大会やコンテストというのは、だいたい夏ごろから秋にかけてたくさん開かれます。もちろん、並べてみたら通年でいろんなコンテストがあるのですが、やはり秋を中心に増えます。その中で、自分のセンスと大会が求めていることが合いそうなものを選びながら、出品するのですが、うまく行く場合もあるし、行かない場合もあります。

 評価的には上位でも、そのコンテストの目的が地元活性化だったりすると、入賞するのは地元の人なんてこともよくあります。その変の微妙な事情はよくわかっていますので、特に気にせず審査員のコメントの内容で自分への反省とするのですが、嫁やうちの妹なんかはやっぱり直接的な結果や「賞金」に目がくらみます(笑)

 作品作りは他流試合ですから、いろんな場面でいろんな経験をつむことが大切だと考えています。いろんな観客がいて、求めているものも違うわけですから、それに合わせてゆく事もポイントですね。

 
 というわけで、工房へ行く回数もめっきりと減り・・・。そうでなくても、仕事が終わった6時ごろはもう日が落ちて真っ暗ですから、それから工房へ行って電気つけてコリコリと作業する・・・気分にもなかなかなれません。だめですな。

 なんかこう、体が3つくらいあるとよいなあと思う今日この頃です。

 ①一人はふつうに仕事をして、おまんま食べられるだけ稼いでくるわたし。
 ②もう一人は、映像撮ったり、編集したり、取材に行っているわたし。
 ③最後は三味線作ったり弾いたり、誰かに教えたりしているわたし。

 まあ、いまぐらいにぼちぼちやっているほうが幸せなのかもしれません。

 ①だけでは人生味気ないし、②や③だけでは食べていけませんから(笑)


2007年11月3日土曜日

【三線ism】 コードな夜が更けてゆく



 さてみなさんこんにちは

 芸術の秋、だからかはしりませんが、最近は奥様とおこたに入って三線弾き語りを楽しんでいる左大文字です。

 もちろん夜ですから大きな音は出さずに、そっと奏でる程度なのですが、こたつの上にノートパソコンを置いて、↓のサイトを開きます。

 http://www.xxxsound.jp/main/

 他にも似たようなサイトはあるんですが、ようするにいろんなポップスや歌謡曲などのコード表が置いてあるフリーのサイトです。

 ここから奥様が指定したアーチストや楽曲を次々に開いていって、私がコードで弾きまくる、という夫婦水入らずの時間です(笑)

 中には「うわあ、なんじゃこれはこんなコード弾けへんわ!」みたいな曲もあって、楽しいですよ。途中まで果敢にアタックして、「このコードだけわからん」みたいなのが出てきたり(^^

 「この曲、サビしかしらん」みたいなのがけっこうあったり(笑)


 ウクレレをやってる人とかにもお勧めですね。ギターコードなので、三線だと3和声、ウクレレだと4和声を越えると多少コード改造が必要ですが、まあ、そこらへんは適当に。

 私は三味線マニア?なので、ギターのコード弾き語りなんかより、三味線のコード弾き語りのほうがよっぽど楽しいのですが、おかしいでしょうか?(^^;

 ①三本しか押えないので、ギターのコードよりはるかに簡単。
 ②ちゃんと和音になるので、単音なんかよりはるかに弾き語りが楽しい。
 ③歌謡曲でもロックでもジャンル関係無しでたのしめる。
 ④3弦では不可能なコードをいかにごまかす→同等コードで弾きこなすかが醍醐味。
 
 そしてなんといっても最大のたのしみは

 ⑤ギターのFコードみたいに、三味線でセーハするコードは超快感(意味不明)!!!

 です。

 ギターでも、セーハがはじめてできたときは、超うれしいものです。あのよろこびを三味線でも味わえる!のが左大文字流の真髄です(笑)


2007年11月1日木曜日

【三線ism】 秋の夜長は三線弾き語り



 さてみなさんこんにちは

 毎日PCに向かって映像の編集やらなんやらしていると、どうしても集中力が途切れて全然関係ないことをしてしまいます。

 わたしの場合はもっぱら壁に立てかけてある三味線やら三線やらを引っ張り出してきて演奏するのですが、最近は「いろんな曲」を左大文字流の三味線コード弾きでつまびくのがちょいブームです。

 コード弾きなので、どんなジャンルでもいけるんですが、やっぱり親和性が高いのは



 「フォーク」


 ですね(笑)

 「あの素晴らしい愛をもういちど」とか、「イムジン河」とか、バリバリのジャパニーズフォークが楽しい今日この頃。

 あとは、あえてジャンルを飛び越えての「千の風になって」も、お気に入りの演目です(^^

 アルペジオで奏でるとこれがまたまったりと秋の夜長にマッチします。


 2棹あると、三味線だけでの「フラガール」のテーマが演奏できるのですが(連れ弾き)、だーれも横でコード弾きしてくれる人がいないので、いつも、多重録音みたいに交互に弾いてます。

 ジェイク・シマブクロさんの楽曲で言えばジャイクバージョンの「春よ、こい」がめっちゃやりたいのですが、これが三味線とはあんまり音階が合わないのですわ。

 3弦(もしくは1弦)だけで大半のメロディを弾かないといけないので、なんかしっくりきません。要研究です。

 嫁さんのリクエストでは鬼塚さんの「月光」とかも弾き語ります。3コードが基本の曲は、たぶんほとんど脳みそを使わなくても弾けるのでは?

 ちゃらんと弾き流しをするときは、もう5つ、6つくらいしかコードを使ってません。(以前から理論編に掲載してきたコードで、そこそこの曲数はいけるのではないでしょうか?)


【三線ism】 三線 三味線をコードで弾いてみませんか?









☆☆ 三線・三味線のコード弾き(コード奏法・コード演奏)デモあります ↓youtubeへどうぞ
  http://jp.youtube.com/profile?user=sanshinism34 ☆☆


☆あなたの三線・三味線ライフに一節の清涼剤を ~三線・三味線コード弾き(コード奏法・コード演奏)~☆


 邦楽界の黒船?もしくは救世主?、どっちに転ぶかわからないトリッキーな三味線流派、それが左大文字流です。

 おかげさまで、身近な方や遠方の方まで、いろんな方から興味をもっていただいたり「自分もコードで弾いてみたい!」というご意見やご期待をいただくことができております。

 現在北海道から沖縄まで、日本全国で300名近くの方がコード弾きを練習なさっています。海外からの問合せも多々あり、衰退しつつある日本邦楽界をパンチの効いたパワーで応援できるはず?と思っています(笑)

 コード弾きの基本については、すでに当ブログの記事「左大文字流 理論編」にていちおうの概説は行っておりますが、「手ほどきをうけたい」「教室などはないのですか?」といったお声もあり、初心者の方向けには「コード弾き」の入門編テキストを頒布しています。

 そこで、

 「わたしも三線・三味線をコードで弾いてみたい」「シャミレレにが興味あります」

といった方がおられたらお気軽にご連絡をいただければと思います。


 連絡先

 左大文字尭司
 sanshin_ism34@yahoo.co.jp


 当方は営利目的の企業でも、 あやしいモノでもございませんので、まずはお問合せいただければできるかぎりサポートいたします。

 当面は、ネットなどを活用して、「コード弾き」の基本等をお伝えしてゆこうと思っています。また皆様方との交流を通じて、たくさんのノウハウが生まれ、よりよい「コード弾き」の広がりにつながれば嬉しいと思います。

 今後ともごひいきに。


☆2008年6月追記

 当流で制作しているテキストは以下の通りです。
 

 ①「コード弾きテキスト 正規版」 12音階すべてのコード表がついています。(頒布状況リサーチのためにご住所等お尋ねしております)

 ②「沖縄三線で楽しむコード弾き入門」 三線での演奏に特化したコード弾きの説明と、12音階すべてのコード表がついています。

 ③「工工四版コード一覧表」コード表を工工四に移植したものです。②のテキストのおまけでついてきます。


 いずれもPDFファイルでの提供です。手数料お願いしておりますので、ご了解ください。







☆案内板☆

 三線・三味線に関する話題は>>>三線・三味線・ウクレレ のコーナーへどうぞ

 コード弾きを学びたい人は>>>左大文字流 理論編 へどうぞ

 楽器がほしい!人は>>>左大文字謹製 カタログ のコーナーへどうぞ

 丹波並木道中央公園での三味線講座案内は>>> 手作り三味線・三線講座 案内 へ!

 曲の演習がしたい人は>>>左大文字流 コード弾き演習 へ!



☆メディア掲載履歴☆

 2008年5月1日 丹波新聞 掲載 手づくり三味線・シャミレレ記事

 2008年5月4日 神戸新聞 掲載 手づくり三味線・シャミレレ記事

 2008年7月号 「邦楽ジャーナル」 掲載 手づくり三味線・コード弾き記事

 2008年9月号 学研「ドゥーパ!」 掲載 手づくり三味線記事


☆主な経歴など☆

 左大文字流三線・三味線コード奏法 プロデューサー

 左大文字尭司

 2008年より兵庫県立丹波波木道中央公園にて 手作り三味線講座 講師





2007年10月29日月曜日

【三線ism】 ラワンがない! 事件はホームセンターで起きてるんだ!!!



 さてみなさん聞いてください!

 いつものように楽器の材料を仕入れようとホームセンターにいったのですが、驚きの出来事がありました。

 最初は某○ーナンに行って、それから○メリ、○グロ、○ーヤルなどの各ホームセンターも巡ってみたのですが、木材売り場に2ヶ月ほど行っていない間に、事件が起きていたのです。


 それは何と、我々DIY派にはなくてはならない木材、


「ラワン」


がないのです!!!

 どうやら、業界の人にとっては当たり前のようなこの事件なのですが、私は木材卸の専門家ではありませんので、今日やっと気づいた次第です。

 各ホームセンターの木材売り場から、いっせいに消えてしまった南洋材の「ラワン」。どうやら「安くて加工しやすい木材」として乱獲されてしまったあげく、輸入量が極端に減ってしまったというのです。

 ラワン絶滅?!ということはないでしょうが、少なくとも経済的レベルでは絶滅危惧種になってしまいました。

 現在、もともとラワンがあったコーナーには、大抵が杉とか松のたぐいが入荷してとりあえず誤魔化されています。


 うーん、環境破壊が身近に感じられた瞬間でした。

 さて、困ったのが私の三味線づくり。ラワンは密度が低く、けして楽器づくりによい材料ではないのですが、節やスジが極端に少なくて加工しやすいことから、ある意味手作り楽器に最適な素材だったのです。

 杉や松だと、ラワンより軽すぎたり、繊維がじゃまして切削にコツがいったりするので、私はあまり好きではなかったのです。

 楽器に不適なラワンと言っても、材料によっては赤みが強く、身が締まって重量もある材が混じっていたりするので、それをより分けるのも、ちょっとした楽しみだったのに・・・。


 とりあえずは、松系の材料でうまく作れるか試してみようと思っていますが、このままラワンが過去の遺物になってしまうとしたら、すごい恐ろしいことですね。

2007年10月23日火曜日

【三線ism】 貧乏暇ナシ



 さてみなさんこんにちは

 基本的に、あまりお金に縁のない大文字です(^^;

 でも人の縁や、いろんなつながり・かかわりは大事にしてゆきたいと思う今日この頃。

 先週末は、ピアニカリサイタルの撮影に費やし、その後、友人宅で食事をいただきながら、「芸道とは」という難しい話題について議論?(笑)に励んでおりました。

 週が明けて昨日今日は、まだ公開できませんが三味線関係の一大プロジェクトの完成に向けて戦っております。今も、そのプロモーションビデオの編集に疲れて、ブログに向かっているところです。

 それが終わると、映像関係で作らねばならない作品が2つ3つ抱えておりまして、11月はなかなかのハードスケジュールになりそうです。

 先日報告した映像の大会(公開審査会)も、妻と妹に行ってもらい、私は残っていろんな雑務を片付ける予定です。

 三絃関係では、「コード弾きでぜひ弾いてみたい!」とおっしゃってくれた方がメールをくださいましたので、いろんな形でサポートしてゆきたいと思っています。

 また、シャミレレに興味がある!という御仁もおられるので、至急にそちらもサポートする予定です。

 忙しいということは、充実した毎日を送っているということですので、よしとしましょう!!

 (あんまりお金になったりしないことばかりなのが、私らしいかもしれません)


2007年10月18日木曜日

【三線ism】  映像系



 さてみなさんこんにちは

 北海道のとある映像コンテストで、拙作が入選したようです(^^;
 
 最終順位は大会当日に確定のようで、出席できるかどうか検討中。

 今年はあまり映像で活動していなかったので、入選の知らせを聞いてちょっと安心です。



 2006年は大会6本(6作品)入賞+テレビ放映(CS)1本

でしたが、

 今年はまだ大会3本入賞+テレビ放映(CS)1本

のみなので、ダメですねえ。今年は地上波放映も狙ってるのですが(笑)

 三味線にうつつを抜かしていたことが、ちゃんと結果に現れてしまいますね。


2007年10月15日月曜日

【三線ism】 合理的シリーズ 三味線大解剖編



 さてみなさんこんにちは

 前回は「伝統って合理的」な話を書きましたが、今回はまたまたハードウエアに戻ってみます。

 いつも三味線や三線のような楽器を作っていて思うことなのですが、つくづく「よーできてるなあ」と思うわけです。いろんな楽器があって、それぞれ好き放題の形をしているようですが、三味線や三線はそれはもう「三味線・三線としてよくできている」「まさに合理的な形になっている」のです。

 三味線作っている人もきっと、「昔からこうなってるんだからこうなんだろう」と思っていることでも、一からこの楽器を創造してみると、その理由が「なあるほど」とわかる。今日はそんなお話です。


① 天神はなぜあんなに反り返っているか。

 ギターのヘッドなんかはまっすぐですが、三味線や三線のヘッドはそっくり返っています。これにはいろんな意味があります。まず、そっくりかえることで、弦が棹の表面に対して鋭角で糸蔵へと入っていきますから、弦のテンション(張力)を稼ぐことができます。ギターなんかは張力がないので、わざわ張力を上げるために金具で押さえつけるモデルもあるぐらいですから、まったくもって合理的(笑)

 また、天神のそっくり返った頂点は、実は本体を寝かせたときに、胴の一番下と綺麗にならぶようになってます。(沖縄三線の型の中には、そうなっていない型もあります)そして、なんということでしょう!天神のほんとうの先のカットは、一見棹に対して斜めに落としてあるように見えますが、実は棹の木材に対しては垂直に落とされているのです!!!
 つまり、三線も三味線も天神のさきっちょと、胴の一番後ろ(立てれば下になるところ)は、完全に平行になっている。これはもう合理性の美ともいうべき美しさですね。


② 乳袋はなんのためにあるのか。

 これは誰もそんなことに言及してないのですが、乳袋のない、端から端までまっすぐな棹で三味線を作っている私にはわかるのです。(前に写真を載せていた簡易版板張り三味線を見てくださいね)

 乳袋とは、実は糸巻き(からくい)に左手があたらないためのストッパーなのです。三線では左手はほとんど固定して弾くので、からくいに手がぶつかることはあまりありませんが、三味線では、左手をハイポジからローポジまで激しく動かすので、勢いで一番下の糸巻きに当たるのです。
 でも、乳袋があると、糸巻きに触れずに停止できます。
 三味線の糸巻きは、ご存知のようにすぐにチューニングが狂います。そこになるべく触れないように、ギターやウクレレにはない乳袋がついているのです。なんということでしょう!!!


③ 三線の糸蔵は小さいが、三味線の糸蔵はでかい。

 ぱっと見ると同じような形に見える糸蔵ですが、三線と三味線は根本的に違いがあります。構造的・原理的にはおなじなのですが、糸巻きの刺さっている角度が違うのです!!

 三味線は平行に糸巻きが刺さっていますが、三線は角度がついて刺さっています。この角度が絶妙で、ちょうど人間の手が入るサイズになるように角度がついているのです。三味線は糸蔵がでかいので、角度をつけなくても手が入ります。

 この三線の絶妙具合は、ためしに三線の糸蔵をひとつ作ってみればわかります。何にも知らない人は、きちんと直角に3つの穴をあけようとするので、まず90%以上の確率で、「あれ、これ手が入らない。チューニングできない」という三線ができあがります(笑)
 実は私が三線タイプの楽器を作るときに、一番気をつかうのがここです。ここぞ!という角度でドリルを突き立てるのがミソなのです。


④ あの根緒を考えた人は、天才(笑)

 三味線も三線も根緒というパーツがあります。あの組みひもでできた根緒は、実はひもをくるくると編んでいるだけで、縛り付けたり接着したりいっさいしていません。弦の張力と自分の編まれ方だけで、狂わずどんどん締まっていくあの根緒のすごさたるや、誰も気付かないけどもはやダヴィンチの域です。
 もちろん、あの弦の結び方も天才的ですよね。縛ったり堅むすびしないのに、ほどけず、すぐに外せるなんて、驚愕です。

 

2007年10月13日土曜日

【三線ism】  薬指のお話 ~伝統とはなんぞや~



 さてみなさんこんにちは

 先日からのソフトウエア談義の発展ですが、今日は伝統とか流派とか、そういうことについて考えてみたいと思います。

 実は、youtubeの映像を見て「左大文字流で三線をやってみたい」という方から連絡をいただきまして、たいへん嬉しい気持ちになると同時に、ちょっと思うところがあったのです。

 というのも、「三線をやりたい・習いたい」ということは簡単なことのようでいて、実は難しい問題もあるのです。

①三線という楽器に興味がある
②沖縄民謡に興味がある

ではニュアンスも違います。

それは、

①ビギンや夏川りみさんの曲とか弾いてみたい
②沖縄民謡を弾いてみたい

の違いにも近いかもしれません。

 というのも、ポップスや自分の楽しみとしての三線や民謡(に近いもの)は比較的自由なのですが、「きちんと学ぶ」となると、それぞれの流派の伝統やしきたりなどがあって、ある程度「こうしなさい」とか「こうすべき」という制約が生まれてくるからです。

 その一番簡単な例が「薬指」を使うか使わないか、という問題ですね。


 沖縄民謡で三線を弾く場合、薬指は使わないし、いろんな教本や先生や、ネットなどでのアドバイスでは「あなたが沖縄民謡をきちんとやりたいなら、薬指は使ってはいけません」というニュアンスでかならず教えられるのです。


 逆に、邦楽の「三味線」を弾く場合、これは薬指のテクニックが必須です。使わなければ、特定の音が絶対に出ないし、絶対に使うべきものでもあります。


 さて、左大文字流では?となるとこれは「使わなくても可能ですが、使います」という回答になります。

 ここで、やっぱり伝統と流派の制約がひっかかるのです。

 左大文字流や邦楽から沖縄民謡に入ろうとすると、きっと「薬指つかっちゃだめだよ」と叱られることでしょう。逆に三線をやっていて左大文字流で弾こうとすれば、「え?薬指使うの?」と違和感を覚えたりすると思うのです。


 弾く音楽にあわせて使い分けられればよいのでしょうが、人間体で覚えてしまうものは、なかなか正せませんよね。難しいところだと思います。


 じゃあ、なぜそういう制約があるかということですが、これは「試行錯誤のすえのその音楽における『合理性』に起因します。

 簡単に言えば、昔の人がいろいろやってみて、それがいちばん楽だったりうまくいったり合理的だったからそうしたのです。

 これは三線もやるし三味線も弾くし、どちらも作ったことがある人間だから、なるほどとわかることなのですが・・・。


 詳しい証明をすると、こうなります。

①実は沖縄の三線で薬指を使わないのも、本土の三味線で薬指を使うのもまったくおなじ原理・原則が支配している。

②沖縄の三線は音階とと三線の勘所の関係が密接で、沖縄音階を演奏する際に複雑なポジション移動を必要としないため、三本の絃とも基本的にはおなじ位置をおさえれば音階になる。

③本州の三味線は音階とポジションが関連しておらず、なおかつ中国や沖縄の三線よりも棹を長くしてハイポジションまで弾けるようにしてあるので、左手は上から下まで幅広く動かす。

④ということは、三線では左手の位置を基本的に固定し、三味線では左手は自在に動かすことになる。

⑤ここで、両者に共通している原則があって、「となり合う指」を使わないというポイントがあります。

⑥これはちょっとわかりにくいのですが、三味線では、人差し指を基本にして棹の上下をスライドしてゆきます。このとき、ハジキや絃を打つという装飾音を用いることがあるのですが、この音を出すには、人差し指を基本としたときに、となりの指である「中指」を使うと物理的に苦しい(あるいはチカラが入らない)ので「薬指」を多用することになるのです。  

⑦おそらくこれと同じ原理で、三線は中指が基本になっており、となりの「薬指」を使わないで「小指」を使うことになるわけです。

⑧もっと詳細に検討すれば、弦に対する指の角度の問題や、押さえる指の力学的な問題もあるのかもしれませんが・・・。

 ということはこれは、その音楽ジャンルや楽器特性の必要性から合理的に生まれたことであって、伝統とはつまり「合理的なこと」「そのほうがやりやすい・楽なこと」の集大成だともいえるのです。


 翻って左大文字流は、なんてったってできたてホヤホヤの流派ですから、まだまだこれから「こうしたほうがいいぞ」とか「このほうが合理的」なことがたくさん見つかるはずです。


 でもまあ、三味線でいうハジキやクラシックギターとおなじような運指をする左大文字流にとって、薬指は「使う」ものなんですがね(笑)


2007年10月12日金曜日

【三線ism】  三味線で「X japan」




さてみなさんこんにちは

 youtube経由で左大文字流について知って頂いている方がたくさんいるようですね。やっぱり百聞は一見にしかず、なのかもしれません。

 というわけで、わかりやすいデモを二本作製しました(^^


① 左大文字流 「島人ぬ宝」





  http://jp.youtube.com/watch?v=EbLrDBPAnJo

  左大文字流のコード弾きは、三線そのものの演奏とも親和性があります。これはもう互換性といってもいいくらい(笑)

  おなじチューニングの三線2本で、一人がコード、一人が三線パートの演奏が可能です。

  デモではコードだけでの弾き語りですが、イントロでもわかるように、本来の三線パートとおなじ基本形で演奏できるのがわかるでしょうか?


② 三味線で「X japan」 Forever love




http://jp.youtube.com/watch?v=2xIR46WQZGg

三線や三味線って限定された音楽のようですが、そうでないことの証としてやってみました(笑)

  コード弾きですから、基本的にジャンルも問わないし、なんでもできるわけです。

  こういう試みで、もっともっと三味線という楽器の可能性が広がれば面白いですね。



2007年10月11日木曜日

【三線ism】  音楽の入り口



 さてみなさんこんにちは

 先日から引き続いて考えている音楽の「ハード」と「ソフト」のお話ですが、今日は「なぜ楽器をやるのか?」という入り口部分を考えてみたいと思います。

 たとえばピアノ。これは「女性の教養として」とか「友達もやってるから」などの理由ではじめることが多いですね。「ピアノぐらい習っとかないと」みたいな(笑)

 ということは、ピアノは社会的(ジェンダーの問題かもしれません)需要に基づいて広まっているわけで、おなじ楽器でも「バイオリンぐらいやっとかないと」みたいなのはポピュラーではありません。

(もしかしたらセレブは「バイオリンぐらいやっとかないと」なのでしょうか?)

 それに対して、ギターやウクレレはけっこうポジティブなところから入ります。
「あのバンドのマネがしたい」「あの曲かっこいい!僕もわたしも」みたいな感じで、かなり能動的に選択されていることがわかります。

 吹奏楽系は、「体育系の部活以外だったら、吹奏楽部しかない」みたいな微妙なのもあるし、みんなでやればこわくない、みたいなところもあるでしょう。

 三線や三味線も、「やってみたい!!」という強い意志から入るものでしょうから、ギター的かもしれません。もちろん、昨今は学校の授業で和楽器に触れることもあるようなので、そこから興味を持つ人も多いかもしれませんね。


 「なんかやっといたほうがいいんじゃないか」
 「やってみたい」
 「やらされたら意外に面白そう」

という3パターンくらいの入り口があるとして、そこへどう誘ってゆくか、導いてゆくかがこの世界のキモだと思います。

 というのも、この話は実は楽器を取り上げていますが、他の伝統芸能や習い事にも共通するからです。

 スイミングとか、習字とか、そろばんとか・・・。
 茶道とか華道とか・・・。

 ほんとうは「やってみたい!」を増やしたいところですが、なかなかそこまで到達しないことが多いですね。

 華道茶道なんかは、ひと昔まえまでは「やっといたほうが」という牽引力がありましたが、いまはそうではないようです。
 
 で、それぞれどんなことでも「やってみたら意外に面白い」もので、やっぱり最初の入り口が大事だなあと思います。


2007年10月9日火曜日

寂しい夜は吹いてみる ~ピアニカな夜ライブ~



 さてみなさんこんにちは

 数日前から、わたしが製作したピアニカ映像がyoutubeにアップされています。

 告知のほうは前に書きましたので、今回は映像に注目(笑)


 MU楽団 ピアニカPRビデオ「寂しい夜は吹いてみる」

 http://jp.youtube.com/watch?v=xWVYYegiA2U

 
 間接照明で苦労しましたが、あえてホワイトバランスを正確に取らずにあったかみのあるライブ映像に仕上げてみました。

 いつも、三線やシャミレレの映像では「荒っぽい」「なげやりな」「やる気ない」動画ばかりでごめんなさい。やる気になれば、やればできる子なんです。お許しくださいm(_ _)m

2カメを生かして、演奏者の表情もゆったりと撮ってます。お二人ともたいへんすばらしい演奏者ですので、ご堪能くださいませ。



2007年10月8日月曜日

【三線ism】 チターと「第三の男」 ~音楽市場はゲーム機とおなじ~



 さてみなさんこんにちは

 昨日、ウルルンで面白い内容をやっていました。大友康平氏が絶滅しかかっている楽器「チター」の最後の職人の元を訪れる、というものでしたが、ご覧になったかたおられるでしょうか?

 チター(ツィター)は寝かせて弾く台ギターに、コードとベース用の複弦がたくさん張られている楽器です。ギター部分で主旋律を弾き、同時にコードとベース音も鳴らすことができます。

 このチターが、演奏人口も激減し、楽器そのものも絶滅の危機に直面しているらしい、というないようのドキュメンタリーでした。

 肝心な大友氏は、複雑な楽器を前にして「僕はギタリストじゃなくてボーカリストなんだ~」と終始ビビッっておられましたが、それはおいといて(^^


 奇しくも先日から、「ハードウエア」としての楽器と「ソフトウエア」としての楽曲の関係について述べていますが、このチターの現状がまさにそれでしたね。

 番組中、何度もかかったあるメロディ、そして、楽器職人さんや関係者が口々に同じことを言うのが印象的でした。
 かかっていたメロディは「第三の男」のテーマ。そして、彼らは「『第三の男』以降チターの曲はヒット曲が出なかったから廃れていったんだ」と言うのです。



 チターという楽器は、もちろん、どんな音楽も奏でることができる。しかし、「第三の男」のヒットで需要が増えたし、逆にヒット曲がそれで途絶えたので、楽器も衰退したという事実。

 これは考えさせられる内容です。

 ピアノやギターといったメジャー楽器はまあよいとして、民族楽器やマイナーな楽器は、このソフトウエアの「ブーム」に翻弄されることがあると思います。
 ブームによる熱気は当然歓迎できますが、同時に「熱が冷めたあとの」楽器のあり方も忘れてはいけません。

 三味線でいえば、じょんがらのブームで太棹(東さわり付き)の「津軽三味線」はある程度の勢いがありますが、その他の三味線は絶滅危惧種です。
 吾妻さんや吉田兄弟など、ある程度間を空けないように「スター」を送り出しているからこそ、下火ながらもブームの残り火があるのでしょう。

 三線の世界では(沖縄県外と県内ではかなり様相が違いますが)、THE BOOMの島唄から本土では三線が認知され、その後ビギンや夏川りみさん、今のやなわらばーに至るまで「コンスタントにソフトが投入されている」からこそ、市場が盛り上がっているといえるでしょう。


 つまり、「ソフトがなければただの箱」ということが、実は楽器の世界にもかなりあてはまるわけです。

 もっとつきつめれば、昔は任天堂VSセガ、そして今は任天堂VSソニーのゲーム機に関わるマーケティングと「伝統芸能の継承と発展」は、

 おなじテーマと原理

なんだ!と言ってもいいわけです。


 ということは、いま伝統楽器の復活のためにいろんな活動があるけれども、単純な「伝統への回帰」や「鑑賞機会の拡充」では、伝統楽器は復活しない、という仮説が立てられるわけですね。


 「長唄をなんぼ聞いても、六段の調べがいくらかかっても、民謡がいくら聞こえてきても


  ダメ・無駄・ムリ!」


だという仮説です。


 その楽器を発展させようと思ったら、「いま、まさにon timeな音楽」である新製品ソフトウエアを投入する必要があるわけです。

 沖縄民謡のすごいところは、いわゆる古典から、民謡、新作民謡、そして歌謡曲・ポップスにいたるまで、すべてのジャンルが「いま」に向かって連綿と続いているところだと思います。

 ビギンがポップスと民謡を同時に歌う。これは、福山まさはるがライブで炭鉱節を歌うことに匹敵します。幸田くみは河内音頭を歌いませんし、東京音頭を歌うシンガーソングライターはいません。


 だからこそ、左大文字流の活動は、「意味がある」という結論になったのですが手前味噌でしょうか?(^^;

 三味線を愛するがゆえに、わたしは地唄を裏切るし、三線を愛するがゆえに、わたしは工工四から離反しています。

 あとは、もっと三味線・三線をポップに演奏できる「ソフトウエア(楽曲)が必要ですね。






2007年10月5日金曜日

【三線ism】  ヤマハとピアノとバイエルと



 さてみなさんこんにちは

 いつもハードウエア寄りのことばかり考えているので、たまにはソフトウエアのことを考えてみます。

 楽器というのはあきらかにハードウエアで、パソコンと同じで「箱」に過ぎません。その楽器を、「演奏する」ことがソフトウエアに相当するわけで、

 ①どんな楽曲(ジャンルや曲目など広い意味で)を演奏するか
 ②どんな流派に属して活動するか
 ③どんな機会で演奏するか

などがソフトウエアの各論になってくると思います。

 あんまり、こういう考え方はしないかもしれませんが、この楽器と音楽=ハードとソフト、という仮定が面白いので、今日はずっと考えてました。

 特に上の②なんかはソフトの中でもOSっぽくて面白いです。

 おなじピアノでも「ヤマハ」の人「カワイ」の人「バイエル」の人なんかがいて、最終的には同じ曲が弾けたりするんだけど、その下地で動いているOSが違う、みたいな(笑)


 この考え方でみると、もっと面白いことが見えてきます。長い歴史の中で、

<A> いろんなソフトウエアが生まれてくる中で、ハードウエアは統一に向かうベクトル


<B> いろんなソフトウエアが生まれてくる中で、ハードウエアがそれぞれに分かれてゆくベクトル

があるということです。


 Aに当たるのはピアノとかバイオリンなどですね。ジャズでもクラシックでも、カントリーでも、同じ楽器を違うテクニックで演奏する楽器です。

 Bに当たるのはギターですね。エレキ、フォーク、クラシックそれぞれに適したギターがどんどん生まれています。

 三味線はBです。だから流派によって使う楽器が違うし、横のソフトが広がってハードの互換性がなくなるわけですね。

 汎用性という意味では、Aがいいですね。国民の多くが、とりあえず「猫踏んじゃった」が弾けるというのは、やっぱりピアノがいろんな機会に「触れることのできる」「汎用的な」楽器だということだと思います。


2007年10月4日木曜日

【三線ism】 シャミレレ完全版 音デモ



さてみなさんこんにちは

 ・・・というわけで、完全版シャミレレの音を出してみました。

 三線としての能力、アルペジオ、コード、等いろいろいじっていますので、「こんな感じか~」とわかってもらえると思います。

 聴けば聴くほど、三線なんですけど(^_^;


 例によってyoutubeにお世話になります。





 http://jp.youtube.com/watch?v=QVsRW0ny7PM

【三線ism】 告知もかねて ピアニカリサイタル



 さてみなさんこんにちは

 昨日深夜2時までかかって、ピアニカ映像を仕上げておりました左大文字です(☆_☆;

 あまり難しい映像ではない(それほど凝ったつくりもしていない)のですが、機材トラブルにも見舞われ、てこずりました。

 本日、依頼主に発送したので、明日には、youtubeにでも載ると思います。

タイトルは「寂しい夜は吹いてみる」というピアニカとピアノのセッションを撮影したPRビデオみたいなもの。10月20日に本番の演奏会があるので、その予告編として「こんなことやってます」みたいな軽めの作品です。(あっさりと、わかりやすく、をモットーに)


 ちなみに告知です。

 ☆ピアニカリサイタル☆

 2007年10月20日 兵庫県西宮市甲東ホール 13:30開場 14:00開演

 料金 一般2000円 学生1000円

 問合せは http://www.musicunit.net/ を参照ください。


 当日、左大文字は会場で妻と二人で記録用のビデオカメラを回していると思います。

 部外者ながら、撮影スタッフということで(^^






2007年10月1日月曜日

【三線ism】 カタログNO.2 左大文字謹製「シャミレレ(三線仕様)」







「シャミレレ」(ウクレレ三線・ウクレレ三味線)

 弦長430㎜前後 松材・SPF材・ラワン等南洋材・ラミン材など使用

 全長600㎜前後 人工皮張り

 ☆参考価格 20000円(頒布を前提にした価格)

 (写真はオリジナル仕様。※上コマがなく、さわり防止パーツ装着)

 
 三味線・三線の「コード弾き」(左大文字流)専用に制作した極小タイプの楽器で、ベースは沖縄三線のスタイルを採っている。

 単音・コードで演奏する。音質は三線に準じる。


 スケール(弦長)はテナーウクレレと同じであるため、ソプラノウクレレよりは演奏の幅が広い。


 ☆もし購入希望の方がいらっしゃいましたら、

sanshin_ism34@yahoo.co.jp

  までご連絡くださいませ。
手作りですので、納期には2週間以上かかりますが・・・(^^;




こちらも、現在は製作終了









【三線ism】 シャミレレ完成版(これぞオリジナル三線) できました!!!




 さてみなさんこんにちは

 「きっといつかやるだろう」とみなさんも思っていたと思うこと、やってしまいました。

 わたしも「きっといつか自分はやってしまうだろう」と思っていたのですが(笑)


 はい、「完成版シャミレレ」公開です。


 全長約60センチで、棹が極端に短いシャミレレの「本格三線仕様」の登場です!!!


 肝心の音は、「普通の三線」です(笑)

 もともと板張りだったのでウクレレ寄りの音だったのが、完全に三線の音になってます(^^;




☆ 技術的な解説 ☆

 きっとみなさんが気になるだろう技術的な説明もしておきます。といっても、今回は自分で皮張ってません(_ _ ;

 前から公開していたシャミレレの胴を外して、沖縄から仕入れたチーガ(胴)のみを組み替えたのが今回の「完成版シャミレレ」です。

 ついでにそこらへんに転がってた「手掛け」をつければ、ハイできあがり!!

 今のところ仮組みなので、ブーアテ(胴と棹の接合の調整)はしてませんが、まあ90%ぐらいの性能は出てますね。

 で、気になる製作費用ですが、胴だけの仕入れで済んだので総合計2万円弱としておきましょう。

 予算を抑えるために、外国産の胴と人工皮を選択しましたので、ちょっとショボいですが・・・。

(本皮仕様にすると3万、人工皮でも柄がよいもの、質がよいものにすると2万5千円くらいになります)

 普通に安い三線買うのと変わりませんね。自分で作っているメリットがあまりありません(笑)

 

☆ 音質の解説 ☆

 自分で前から言っていたとおり、「人工皮はキンキン」します!さすがに三線胴を組んだだけあって、音量はかなり大きいです。板張り胴とくらべて1.5倍近く音量がアップしています。

 単音で演奏した場合は、・・・普通の三線とたぶん見分け(聞き分け)がつかないでしょう。

 コード弾きの場合は、普通の三線に対してハイポジション寄りの音になるので、かなり「カッチリ」した印象になります。好き嫌いがはっきりわかれる音質です。

 普通の三線でコード弾きするよりも、「音が堅い」印象があると思います。棹が短いゆえの性質ですね。

 今回は予算のこともあり、一番安い人工皮を選択しましたが、きっと「強化張り」仕様が一番この楽器に合うと思います。

 本皮でも、まだ音が堅く、二重張りの「こもった具合」が結果的にちょうど良いレベルになると思うのですが。



☆シャミレレの世界☆

 最近は観光みやげ用や、おもちゃ的用途で「ミニ三線」なるものが出回っていますが、「シャミレレ」はミニ三線とは違う部分がいくつかあります。

 まず、ミニ三線はふつうの三線のスケールダウンモデルか、あるいはまったく似つかない形でいちおう蛇皮を張ったものかの2種類があるのですが、どちらも全長が70センチ前後です。

 ふつうの三味線が76~78センチ、ミニ三線が70センチで、シャミレレは58~60センチです。

 また、ミニ三線は胴もスケールダウン(ちいさく)していますが、シャミレレはいまのところ普通の三線と同じサイズの胴を使っています。

 これがよいのか悪いのかはまだ検討の段階ですが、究極的には

「ひとつの胴で、シャミレレ棹か普通の棹かを選択して演奏するプレイヤー」

なんかが登場しても面白いかな、と思います。

 棹を組み替えて使う楽器、なんてあまりないでしょ?画期的かもしれません!



2007年9月29日土曜日

【三線ism】  三味線はスタンダードになるか?!



 さてみなさんこんにちは

 依頼されていたピアニカライブのデモ映像制作にかまけている左大文字です。先日は依頼者の自宅で演奏の様子を撮影したのですが(その家は間接照明だったので、苦労しました^^;)

 で、いちおうプロの演奏家が使う「ピアニカこと鍵盤ハーモニカ」を見せてもらったのですが、そういえば、ピアニカをまじまじと見たのは小学校以来です。

 うーん、そう考えるとすごいことですね。誰でも知ってるけど、誰も弾かない楽器なんですから!

 もちろん、プロ用ピアニカは漆黒ボディに金ラインで高級感バッチリ。1オクターブ鍵盤も多いゴージャスな仕様ですが。

 学校でしか弾かない楽器、というのはいろいろあります。鍵盤ハーモニカもリコーダーも、ものすごい国民的認知率なのに、演奏会もプロ奏者もアマチュア奏者も極端に少ない楽器ですね(笑)

 学校外でスタンダードな楽器といえば、ピアノとギター。ピアノはヤマハが生産数世界一です。
このあたりはヤマハやカワイが音楽教室制度とセットで普及につとめてきた歴史がありますね。

 ギターはグループサウンズを皮切りに、フォークやロックやバンドブームなど、音楽市場が牽引してきた歴史があります。

 あとは、吹奏楽部が地道に裾野を広げてきた「フルート」「クラリネット」「サックス」なども要チェックですね。

 吹奏楽で使われない「バイオリン」系の楽器は、やはりお金持ちの子弟の習い事、みたいなイメージがあります。


 で、和楽器^^;。

 やっぱり厳しいですね~。音楽市場の牽引という意味では三線がんばってると思うのですが、全体としてはどうなんだろう。純邦楽は完全に死んでます(笑)

 こうしてまとめてみると、ある楽器がスタンダードやメジャーになる方法が見えてきますね。


 ① 学校教育で教えられた楽器は、流行らない?!

 ② 部活やサークル、音楽教室など「授業以外」で習ったり集ったりする楽器は組織力によっては健闘する。

 ③ 音楽市場でブームになった楽器は、即メジャー?!(ただし、自分でもできそうというレベルがミソ?)


 でも、ピアノは小学校女子だし、吹奏楽は中高生女子だし、ギターは中高大学生男子だし。うーん、ターゲットはやっぱり10代なんですね。

 10代にウケる三味線をめざしますわ。

2007年9月28日金曜日

【三線ism】 三線 三味線 材料あれこれ



さてみなさんこんにちは

 今回珍しい「紫檀」棹の三線を買ったこともあり、今回は棹の材料についてあれこれ。

 
 いわゆる普通の三味線の棹はだいたい次の3種類(4種類)です。

 ① 紅木
 ② 紫檀
 ③ 花梨

 紅木・紫檀については比重が重くもつとそこそこずっしりきます。三味線は基本的に重くて堅い棹のほうがいい音がします。

 ④ 樫

 明治大正昭和初期の三味線には樫材に丁寧な塗りを施したものもたくさんあります。紅木や紫檀は「唐木」つまり東南アジアなどからの輸入材ですから、今のように自由に材料が入らない時代は、逆に国内でも入手しやすい樫材などで多くの三味線がつくられたのでしょう。

 
 三線の場合は

 ① 県産黒木(黒檀)
 ② 外国産黒木(シマコク・カマゴンetc含む)
 ③ ゆし木(イスノキ)

 などが主です。

 安い材料では樫もあります。また、近年スンチー塗りやクリア塗装の流行で紫檀材も増えています。
(もともと沖縄では、紅木や紫檀を三線に使うことがあまりなかったようですね)


 わたしの個人的な考えでは「よい木の楽器はたしかによいが、用途や予算やコストパフォーマンスなどを総合的に判断すればよい」と思っています。

 楽器として「あ、ちがうな」と実感できるのは三味線であれば「紅木」のもの、三線であれば「黒檀」のものです。これらは手触り・重量感ともやはりしっかりしています。

 逆に紫檀や花梨やゆし木、樫などはそれぞれの風合いの差こそあれそれほど「あ、ちがう」という明確なラインがありません。
(三線は塗ってしまえばわかりませんし^^;)

 だから高級なもの、違いがわかるものを買おうとすれば、最低10万以上、三味線では2、30万が当たり前の世界ですから、これはお金をもらっての「演奏家」や、ブランド的ステータスを追い求める人以外には適さないと思っています。

 コストパフォーマンスで言えば「僕は10万・20万・30万に匹敵する演奏ができるか、いやできない」というところがポイントですね(笑)


 さて、最近では三味線でも樹脂製(プラスチック)のものがあり、三線ではカーボネート製のものもあります。
 昔、那覇で金属芯に樹脂を巻いて中が空洞の棹をたくさん見かけたのですが、最近は消えましたね。

 安い楽器の提供という意味ではよいかもしれませんが、プラ楽器は加工・修理ができないのでちょっと難儀ですね。

 わたしはどれだけ安い木であっても、木材の楽器が好きですがみなさんはいかがでしょうか。


2007年9月26日水曜日

【三線ism】 三線ちょい公開









 さてみなさんこんにちは

 今日は今回買った三線の画像を載せておきます。

 持っているのは妻です(^^
 彼女は三線弾けませんが(笑)

 アップは画像を明るめに加工しています。

 いちおうスンチー塗りなので、木目が見えています~。



 今日あらためて人工皮の三線と弾き比べてみましたが、やっぱり人工皮はパキパキ(笑)

 
 人工皮 パキパキ音(人によっては「キンキンで耳障り」)
 ↑
 本皮  ややまろやか
 ↓
 強化張り まろやか(人によっては「音がこもる」)

 という並びになりますね。


 ギターでいうと、クラシックギターがまろやか側でフォークギターがパキパキ側みたいな感じでしょうか。



2007年9月25日火曜日

【三線ism】 沖縄レポート2




 さてみなさんこんにちは

 昨日の続きで気のついたことや感じたことをご報告。


① ちゅら海水族館

 海洋博公園は前にも行ったのですが、すっかり様相が変わって「水族館」がメインになっていました。

 比較対照がどうしても神戸の「須磨水族館」になるので、規模的にはやはり須磨がいちばんですが、大水槽と入り口ちかくの中水槽がなかなか充実していてこれはいつまでも見飽きません。多種多様な魚がいっしょに泳いでいる姿はとてもよかったです。

 なにより、パックのフリープランだったのですが、ちゅら海水族館の入場券がタダでついてきたので、それが一番うれしかった(笑)さすが関西人。さすが近ツリ(^^


② レンタカー三昧

 ちゅら海水族館の駐車場を見てると、とにかく8割以上が「わ」ナンバー。ふつうに58号線を走っていてもレンタカーだらけで、きっと「沖縄の車の半分ぐらいはレンタカーなんじゃないか」と思えてくる始末。きっと夏場の日中を走ってる車の半分くらいは、絶対レンタカーです。
 那覇市内に入ると、さすがにレンタカーも減りますが。でも、ビッツを見かけたらまず間違いなくレンタカーですね。


③ 三線の強化張り・二重張り

 これも8年前にはあまりみかけなかったものですが、ネット通販などでも増えているのが三線の「強化張り・二重張り」です。

 これは、薄い人工皮の上に本皮を張ったもので、「まず破けない」のが売りです。音に関しては人それぞれ意見があるでしょうが、まあ大半は「やっぱり本皮だよね~」とおっしゃることでしょう。

 わたしの個人的な意見では、

 本皮 → 三線らしい音がする。まろやかさあり。張りによってかなり個体差がある。

 二重張り → 見た目も三線らしいし、まろやかさもある。ちょっと抜けが悪いような感じあり。

 人工皮 → パキパキした音。ほんとに破けない。丈夫。(笑)

 ですね。


 さて、ここからはぶっちゃけモードですが、私はホントの三線は今回買ったのも合わせて合計4棹持っているのですが、本皮の2棹は、すでに破けています。持って3年、といった感じでした。というのも、住む地方にもよりますが、私は寒暖の差・湿度の差が激しい地方を転勤していましたので、やはり季節ごとにやられていくという感じ。でも人工皮は全然大丈夫で、結局我々本州人が使うには人工皮のほうがメンテナンス性がよいと思います。

 で、今回はそのメンテナンス性にもひかれてはじめて強化張りを買ってみましたが、さてどうなるでしょうね。

 左大文字流のようにコードで弾く場合には多少音がまろやかなほうが響きがいいです。単音重視ならパキパキ音も好きなのですが、コードにすると倍音がぶつかり合って濁ります。

(極端な話、コードの場合は板張りくらいのほうが綺麗に聞こえます)



☆左大文字のおすすめ三線☆

 というわけでシェフのおすすめ 参考にしていただければ


① 材料で選ぶ

 沖縄では「県産の黒木」が良いといってるんだからそりゃそれが良いのでしょう。でも20万くらいするから、そこから先はマニアの世界ですよ。20万のギブソンはそりゃ良いでしょう。

 わたしのモットー「チープ&ポップ」の目線で言えば、

 ゆし木でも花梨でも紫檀でも黒檀でもなんでもよい。ただし素性のわからない雑木は注意。です。

 花梨も紫檀も紅木も本州の三味線で言えば5万10万の材料ですから、基本的には間違いがないわけです。楽器としての性能はまず大丈夫。


② 価格で選ぶ

 最低3万5千円は出してください。それ以下の三線は必ずどこかでコストダウンしています。本体価格5万以上ならまず大丈夫。セットになっていてもケースが約1万弱ですから、本体は4万くらいなので、
これも大丈夫です。
 
 7万を超えてくると「お、やっぱり違うな」というものが増えてきます。特に棹部分で。胴はあんまり変わりません。胴掛けの柄がゴージャスになったりしますが、そんなのはハッタリみたいなものであまり本質とは無関係です。

 そこから上は「俺って中級者だもんね」とか「ワシは演奏家だもんね」という「気分とグレード」の問題です。高い三線が好きな人は、どうぞお気に召すものを(笑)


③ 皮で選ぶ

 本州在住の人、「お金をもらって弾く演奏家」ではない人、最初の1棹目を買う人
 ↓
 本皮はやめときなさい。
 
 破けることが前提で考えてほしいので、やっぱり人工皮か強化張りがよいと思います。


 初心者、ロッカー、バンドで弾く人、持ち歩きたい人
 ↓
 人工皮がお勧め

 パンチの効いた音や、合奏の中ではっきり音を出すのに人工皮はむいています。持ち歩きや過酷な環境(野外ライブや雨天など)にも強く、エレキ化のマイクを貼り付けても大丈夫。
 歯で弾いたり、回したり、ステージになげつけて壊す人にもぴったりです。(ギターか?!^^;)


 左大文字流で弾きたい人、左大文字流が気になっている人
 ↓
 強化張り・二重張りがよいのではないかしら

 先日の沖縄では、三線選ぶのにガンガンコードで弾いてました。二重張りくらいのまろやかさが
「めっちゃ心地よい!!!」感じ。平泳ぎの北島選手ばりの「ちょー気持ちいい!」でした。

 本皮コーナーで左大文字流で弾くと「怒られそう」です(笑)






2007年9月24日月曜日

【三線ism】 沖縄レポート とりあえず戻ってきました~




 さてみなさんこんにちは

 あいかわらず更新遅滞気味の左大文字です。というのも先週末~日曜日は沖縄に行っていましたので、またまた放置が長引いておりました。

 というわけで、久しぶりの沖縄をまとめたレポートです。

 実は、前回沖縄に行ってから8年?くらい経っていますので、ほんとうに久しぶりの島めぐりでした。えらいいろんなところが変わっていてびっくりです。

① ゆいレール 乗ってきました!

 那覇空港~首里を結ぶモノレール。うわさには聞いていましたが、実際はいろんな意味でおもしろかったです。施設設備はまあまあしっかりしているのですが、なんせ2両しかないもので、輸送可能人数が少ないのはコストパフォーマンス的にどうなのだ?といろいろ考えてしまいました。乗った限りでは、それほど満員になることもなく、まあ適正な感じ。ラッシュとかあるのだろうか??

 しかし、まあ走ってる路線がビジネス・通学中心というより観光よりなので、地元の人はあまり乗らないのかな?

② 新都心ってなに?

 こんなとこに街があったかいな、というところに新しい住宅地・ショッピングモール系ができてました。話を聞くと地元の人の足は国際通りにはもう向かなくて、そちらへ移動しているようです。分譲地もたくさんできてましたから、那覇の様子もずいぶん変わりました。

 しかし、あの広大な一角はもともとなんだったのだろう。昔ってあのへん基地だったのか??

③ 三線あれこれ

 沖縄にいったら一棹絶対買って買えるのですが、今回はかなり「製作者」よりの目線で見てました。
8年前までとくらべて、価格の話ですが、一番最初に沖縄に行った15,6年前とあまり変わっていません。
15年前も3万5千~5万くらいのが普及価格帯で多かったし、今回もそうです。ハードケース等込みで一式買って5万とか、ちょっといいので7万とかそんなところだから、価格そのものはあんまり変動がないようです。

 ただ、価格幅がひろがっているというか、高級品から激安品までの幅が広がっていることはたしかですね。10万円クラスとか黒木を売りにしているものも一定の需要(それも沖縄の人以外に)があるようですし、昔は人工皮と本皮の差が5千円~1万円くらいしかなかったものが、かなり差がついていて、人工皮なら2万円を切り、本皮なら4万円くらいというラインナップが目立ちました。

 もちろん激安品の仕上げを見ると、「やっぱり価格は価格やなア」という感じの荒くたさ(笑)

 また、素地を見せた透明仕上げ(スンチー塗り)のものが増えましたね。これは8年前や15年前にはなかった現象です。そういう棹もあったことはあったのですが、本当の高級品で、逆に15万とか20万とかしてたのが、普及価格帯にも下りてきた感じです。

 というわけで、今回は私もはじめての「スンチー塗り」三線を購入。高級品は買えないので紫檀製5万円なり。

☆<製作者の視点から見たスンチー塗り>

 まず、透明うるしのきちんとした仕上げのものはやっぱり15万以上はすると思います。5万円などの普及価格帯は合成樹脂(ウレタン系?)が多いように見えました。一種のデザインブームみたいなもので「かっこよさげ」だからという理由で買うならよいですが、「スンチーだから高級なんだ」というわけではないです。特に初心者の方おまちがえなきよう。

 また、わたしも今回スンチーを選ぶ中で10本くらい新品を見ましたが、まともなのは3本だけでした。透明だからこそ、「あ、これはここで木を接いでるな」とか「ここは埋めてある」とかそういう微妙な加工の修正がわかります。もともと黒漆塗りの三線でも埋めや継ぎはありうるので、そのこと自体をとやかく言うつもりはありません。黒木の材木とかみたらわかりますが、かならず木の内部に割れ(クラック)などが生じています。
 ただ、スンチーだとそれがわかってしまうので、なるべく見えないもの、クラックの箇所が影響の少ないものを選びたいものです。
 これが意外に難しい(笑)

 あとは、皮を張ってある音とのバランスで、「これならまあ、いいか」と納得ポイントを探るしかないですね。

 音はまあまあ好みだけど、「ここめっちゃ欠けて埋めてあるやん!」みたいなのは、やっぱりなんとなく嫌な感じ(笑)まあ、私は、ですけど。他の人はわかりませんが。

 念のため言って置きますが、黒漆塗りは「見えないだけ」ですので誤解なきよう。見えないからこそ、気にならないこともあるだろうし、見えないからこそ「中がどうなってるかわからない」こともあります。


2007年9月17日月曜日

【三線ism】 てぃんさぐぬ花 youtubeで外国とつながる



 さてみなさんこんにちは

 すっかりご無沙汰していましたが、まるまる2週間、三味線からみでは活動しておりませんでした。
残暑厳しいですが、もうそろそろ秋の気配がやってきそうな、こなさそうな・・・。というわけで、この2週間くらいはずっと映像関係をやっていました。

 工房へもまったく近寄ることができず、シャミレレ等もそのまま放置です(_ _ ;

 というわけでは、これからの予定。

 9月いっぱいは友人の結婚式や、その弟さんがらみの映像撮影・編集などでずーっとバタバタしていそうです。10月に入ると、多少三味線製作に戻れそうな様子です(^^

 やりたいことがいっぱいあるのに、時間が足りない!!!(でも睡眠が足りないのはもっといやなので、睡眠を削ったりはしない左大文字でした)

 さて、youtubeで公開している「左大文字バージョンの『てぃんさぐぬ花』」、好評のようです。びっくりです。さすがyoutubeなのか、外国の方からダイレクトにメッセ-ジが届いたりします(笑)
「やあ、僕はニューヨークに住んでいるジョンっていうんだけど、あの曲は君のオリジナルなのかい?」
みたいな(文章はイメージです)

 ちなみに、これです → http://jp.youtube.com/watch?v=5jlD4P8rAgw

youtube って、コメントも残せるし、相手にメールみたいにメッセージも送れるのですな。純正の日本人である私にとって、いきなり英語でメッセージが来るとビビるぜ~。

2007年9月3日月曜日

【三線ism】  北海道の民族楽器



 さてみなさんこんにちは

 嫁さんが北海道出身なので、北海道の民俗・風習にもすくなからず興味のある左大文字です。

 その北海道にはアイヌの人たちの楽器がいろんなかたちで残っています。有名なのは「ムックリ」という口琴(口の中を共鳴体にして、びよよんびよよんと鳴らす楽器)ですが、もうひとつ「トンコリ」という弦楽器があります。

 写真はネットにたくさん転がっているのでちょっと探してみてくださいね。著作権上、ここでは遠慮しておきます(笑)

 さて、そのトンコリ、細長いスティック上で、5弦ないし3弦の楽器です。チューニングが決まっていて、フレットもなく、勘所もありません。つまり、すべて開放弦で、1音ずつ奏でるというよりは、リズムをカッティングで刻んでゆくみたいな楽器です。



 ・・・作ってみたいですねえ。なんせ需要がほとんどない楽器ですから、買うとなうとメーカ製なんてのはなく、全部手作りです。コスト高のため5万とか8万とかみんな言い値で売ってらっしゃいますが、ざっくり作れば1万以内でできるはず。
 どうせなら本体のサイズや胴回りを細くするなど工夫して、「左大文字流でも弾ける3弦トンコリ」を作ってみたいです!

2007年8月31日金曜日

【三線ism】  久しぶりに映像編集



さてみなさんこんにちは

 「雑感」書庫を新設して、あんまり三線に関係のないこともたまには書いてみたいと思います。

 昨日は、久しぶりに仕事終わってから夜中まで集中的に映像の編集をしておりました。中身は音楽とは関係ないのですが、締め切りが本日消印有効のコンテストに出してみるためです。

 映像制作は、かじりはじめてから今年で7年目になります。去年は、各種コンテストなどにも多々応募して1年間で6本各種大会で入賞&1本TV放映だったのですが、今年は三線にかかりきりで、ほとんど新作を撮っておりません。

 人間というのはよくできたもので、「あっちに集中しているとこっとができず、こっちをやろうとするとあっちはおろそかになる」ものですね。うーん、わたしにバイタリティがないだけでしょうか(笑)

 
 映像は主にドキュメンタリーなのですが、ちょうど合う音楽がなければ自分で作ったりもしています。こういうときに音楽をかじっていたことに感謝です(^^

 ちなみに最近は著作権とかがうるさいので、他人の音楽を使うことがほぼできません。著作権フリーでも、使用許可代として一曲3000くらいかかる場合があり、なかなか高コストなのです。そのかわり、1曲3千円くらい出すと、放送局で使っているものとおなじ曲の権利が買えます。

 よくCMとかで使われている曲で、「あ、これ俺も権利持ってるわ」というのが流れる場合がありますが、その時はちょびっつ嬉しくなります。

 本当は、三味線をネタにきちんとした作品を撮りたいのですが、自分で出るのは気がひけます(笑)シャミレレ製作のドキュメンタリーとかなら、作ってる姿で出るのはまだいいのですが、ミュージックビデオなら、歌ったりかっこつけて空を眺めたりするのは、もう助けてください、って感じですね。

2007年8月30日木曜日

【三線ism】 音楽で生きる人 パート2 (宝塚歌劇団ネタあります)



 さてみなさんこんにちは

 前回記事で書いた「楽師」さんからビデオが送られてきて、「いま、こんな活動やってますのでご参考に」とのこと。さっそく拝見しました。

 彼はクラシックがメインなのですが、

(あ~、そうそう、こんなこと書くと、ジャンルが違う一部の人からは「紹介して!」と言われそうですが、彼はその飄々たる楽師人生の中の「いちアルバイト」として

 『舞台前の宝塚歌劇の練習の時に、踊り手さんのためにピアノを弾く仕事』

みたいなのもやってます(笑)ジェンヌたちが振り付け直したり、演出家に「そこ違う!」みたいにつっこまれている横で、「じゃあ次は○○の場面もういちど」とか言われたらそこからピアノを弾く仕事)

 がちがちのクラシックだけじゃなく、いろんなことがしたいようで、今回の撮影依頼も

『ピアニカ』(鍵盤ハーモニカ)

でクラシック~みたいな演奏会だそうです。

 …だったら、三味線でポップスもいいよね?きっと。


2007年8月29日水曜日

【三線ism】 音楽で生きる人



さてみなさんこんにちは

 日頃から「音楽で食っている人」というのはすごいなあ、と感心している左大文字です。そんなわたしは隠れ音楽家なので、ふだんは会社員として生きています(笑)

 音楽を職業にするのは、なかなか難しいと言われます。類希な才能を持っている方ならいざ知らず、上・中・下のピラミッドの中から下の人は、「町のピアノの先生」とか音楽に関わった仕事ができるだけでも幸せな現状があって、なかなかそれだけで「食っていく」のは厳しい世界かもしれません。

 そんな中、私の知り合いに『楽師』ともいうべき生き方をしている青年がいます。彼はピアニストなのですが、自分で楽団を主宰していろんなところでミニコンサートをやったり、誰かのバックで演奏したり、クラブの生演奏のバイトをしたり、某大学で講師をやったりしながら、「音楽で食っている」のです。

 さすがに、堅い定職についているわけでもなく、音楽のフリーターのような、音楽の一人親方みたいなものなので、不安定だといえば不安定なのですが、彼自身は飄々とそんな環境を楽しんでいるようです。

 やりたいときに、やりたい音楽を奏でる。だれかに束縛されるわけでもなく、「こんな演奏会はどうかな?」と企画しては、売り込んだり、市民ホールなどを借りて主催してしまう、など。ある種の才に恵まれた人なのでしょう。

 今度、わたしは演奏会の撮影スタッフとして参加するのですが、いろいろと学ぶべきところがたくさんあること楽しみにしています。

 もっとも、彼がわたしに撮影を依頼してくれたのも、逆に「映像家としての腕を見込んで」のことだそうなのですが、お恥ずかしい限りです。

(映像やってるんだったら、あのシャミレレの演奏も、もっとまともに撮れよ、と突っ込まれそうですね。はい、もちろん、手抜きです。)

 映像のほうは、今年は三味線製作で忙しく、あまり活動できていなかったのですが、がんばります。


2007年8月28日火曜日

【三線ism】 沖縄へいってきまんにゃわ



 さてみなさんこんにちは

 更新遅れ気味の左大文字ですが、平にご容赦願います。

 いよいよ来月にせまった友人の結婚式、沖縄の万座ビーチホテルにて挙式なので、私と妻も友人として出席することになっております。

 妻は初沖縄で、いろんなものに興味しんしんなのですが、私はこれで4回目くらい。きっと今回も三線を買ってしまうことでしょう(笑)

 で、るるぶ沖縄の最新版を買ってリサーチしようと思ったのですが、なんかいつのまにかえらい那覇が変わってますね!!

 最後に行ったのはきっと2000年か1999年くらいなので、おお!もう7,8年も行ってないのか?!そりゃ変わってるはずだ、と少々時の流れに驚いてしまいました。

 前回にはまだできていなかった「美ら海水族館」とか、ようやくできた電車?ゆいレール?がどうなっているのか楽しみでもあります。

 で、沖縄といえば絶対に欠かせないのが「ルートビア」

 わたくし、何を隠そう「全国マズイジュース愛好家」も自負しておりまして。略して「マズジュー」の帝王こと「ルートビア」マニアでもあります。(ちなみに、他人にとってはマズイジュースでも、わたしにとってはすべて美味です)

 沖縄A&W(ルートビアを売ってるファーストフード)のいいところは、「おかわり自由」ということ!マニアにうれしいこの企画によだれものですね。

 今はなき難波のフェスティバルゲートにA&Wが出店したときは、まっさきにかけつけたのに、あっという間に撤退になって涙をのんだ思い出が甦ります。

 いちどネットでルートビアを2社分48缶(2箱)取り寄せたことがあるのですが、嫁は「なんでサロンパスを飲めるのかわからん」と申しておりましたが。

2007年8月23日木曜日

【三線ism】 シャミレレでスピッツを 



 さてみなさんこんにちは

 今回はちょっと雰囲気を変えて、ポップスを弾いてみました。


 シャミレレ スピッツはじめました





 http://jp.youtube.com/watch?v=AkJm_FgDCFE


 コード弾きしてるだけですから、ギターを弾いてるのと同じなのですが、三味線で弾いてしまうところが面白いか面白くないか・・・(笑)

 次は、シャミレレでX JAPAN あたりを狙ってるんですがいかがでしょうか?(^^

 ちなみに歌っているのは嫁さんで、声にあわせてキーを上げています。チューニングもだいぶ高くしてますよ。


2007年8月22日水曜日

【三線ism】  現況報告 理想の木製三線?



 さてみなさんこんにちは

 なんだかブログをほったらかしにしているように見えるかもしれませんが、毎日地道に活動している左大文字です(^^

 自分用以外のシャミレレを作ったり、未公開の楽器を作ったりと、工房にもちょくちょく寄っているのですが、なかなかスピードが上がらないのが悩みの種です。

 さて、いつも板張りの木製三線を作っている左大文字ですが、今日は理想の木製三線についてちょっとコメントを。

 板張りの三線は、市場でも何社か出していて、有名なのは沖縄県学校用品さんの「三線キット」でしょうか。値段が安いのがよい点なのですが、板が片面にしか張ってなかったり、糸を止める根緒が簡易的なパーツになっていたり、とかなりのコストダウンが計られています。数年前から何棹か買ったことがありますが、最近「型」が変わったのか、昔のものより仕上げが荒くなっているような気もしますが、まあ自作派にはステキな商品ですね。

 この商品の派生はたくさんあって、ニスを塗ったり糸巻きを交換したりして新しい商品にしたりしている業者さんもあります。

 そんな木製三味線の理想形は「那覇王冠製作所」さんがむかーし(もう5、6年は経つかもしれません)に出していて、もう廃盤になっているらしい「板張り三線」です。
 今では皮張りでも15000円くらいから市場に出ていますが、これは当時9800円で売っていた簡易三線で、板張りの上に蛇皮の写真が印刷されたシールが両面貼られているというすごい発想の商品でしたが、すごく音がよいのです。

 わたしの知っている板張りの中で抜群の音のよさで、「板の上にシールをべったり貼る」という音響工学を無視した設計のくせに超いい音なので、むかつくくらい感動したものです。

 あまりの不思議さに、表版のシールをはがしたのですが、中からでてきたのは、これまたものすごい荒い表面のバルサか桐のような素材の板でした。
「なんでこんな材料でこんな音が出るのかまったくわからない」
と今でも首をひねっています。

 分解したいのですが、ひとつしか持っていないので、さすがにシールをめくっただけで我慢していますが、誰か持ってたら譲ってください!ぐらいの気持ちです(笑)

2007年8月17日金曜日

【三線ism】 家元のおはなし



さてみなさんこんにちは

 私の小学校からの友人は、ほんとうの『家元』なのですが、先日彼と話す機会がありました。

 私のような偽家元(笑)とはちがって、彼の場合は「いけばな」の正式な流派の家元で、私とおなじ30代なのですが、家業を継いで「家元」として活動しています。

 いけばな協会からもちゃんと認められている本当の「家元」からすれば、私のようないいかげんな自称「家元」は恥ずかしいくらいなのですが、彼に言わせると「そんなたいしたもんじゃないよ」とのこと。

 いけばなの世界でも、新しく流派を立てることは珍しいことではなく、逆に「家元」だからといって、所属しているメンバーが少なければ、それだけでは食べていけないわけで、いろいろと興味深い話を聞きました。

 そもそも家元制度は、「ある芸事」の「技術や知識」を効率よく伝承し、かつその技術を持っている集団が「利権を守る」ためにあるわけで、昔はそうしたシステムが機能的に成り立っていたわけです。ところが現代になると、昔から脈々と続く「家元→弟子」の組織があればよいですが、そうでない場合は、一種のお稽古事として生き延びるすべを考えなくてはならないわけで、流派によっては英会話学校のようにチケット制を取り入れて技術を教えるところなどもあるそうです。

 彼の流派も小さいので、いろいろと教室のあり方を考えたり、広報手段を検討したりとなかなか大変なようです。

 で、最後にばっさり「伝統芸能は、やっぱり難しいわ。『伝統』だから、現代にマッチして生かしてゆくというのは、なかなか簡単じゃない」とのお言葉。なるほど、「現代に伝統を生かす」ことは難しいのかもしれません。

 「伝統」はある意味、「現代」と真逆のベクトルなのかもしれません。


 で、彼にわたしが「最近三味線のほうに力いれてんねん」という話をしていて勝手に「左大文字流」を名乗っていることを告げると、批判されるかと思いきや、爽やかに微笑んでおられるわけで。

「伝統芸能というのは、最初はみんなそんなことからはじまっているから、面白いやん。いいんじゃない」といった感じでした。

 さすが、大物ですm(_ _)m


 さて、わが左大文字流、広まるか廃れるかは世間のみなさん次第なわけで。別に現代に『家元』制度を展開するつもりもないので、コード弾きが広まればOKということで。

 ギターにはかなわなくても、せめてウクレレといい勝負ができるように祈っています。


2007年8月15日水曜日

【三線ism】 左大文字流「てぃんさぐぬ花」



 さてみなさんこんにちは

 左大文字流の「てぃんさぐぬ花」ができましたので軽く上げておきます。




 http://jp.youtube.com/watch?v=5jlD4P8rAgw

 コードにすると民謡っぽさとポップな感じが同居して面白いですね。沖縄の音楽は現代のポップスと親和性が高いのかもしれません。たくさんアーチストを輩出している地方だというのも、なんとなく納得してしまいます。

ちなみに使っている楽器は、私が一番最初に開発した板張り三線です。構造はとても簡単なのですが、弾きやすいので、いつも手元においているモデルです。特徴は胴がふつうの三線より薄いのでお手軽なことと、板張りなので湿気やとがったモノなどに気をつかうことなく、そこらへんに転がしておけることですね。音はちょっとクラシックギター風の余韻があります。

 いよいよお盆休みも終わりですが、三線制作はなかなか進みません。やはり手間隙かかってしまいますね(涙)

 シャミレレに興味がある、という人が2、3人いて、「とりあえずブログ見てくださいね~」とは言っているのですが、もし「欲しい」ということになったら時間がかかって大変なので、現在あと2棹新造中です(^^

2007年8月9日木曜日

【三線ism】  伊達伸明さんに学ぶ ~建築物ウクレレ化保存計画~




さてみなさんこんにちは

 伊達伸明さん、というウクレレ制作者がいらっしゃるのをご存知でしょうか。このひとは、基本的に、「取り壊しになる建築物から廃材を加工してウクレレを作り、ウクレレで建築物の思い出を残す」という活動をしているアーチストです。

 
 ある本で彼の製作するウクレレを知ったのですが、ほんとに面白い試みですね。

 ギターのように、ある程度まとまった木材が必要な楽器とちがって、どんな余りものの端材でもつくれてしまうところが、ウクレレの魅力かもしれません。

 さて、当左大文字謹製のシャミレレの中にも、廃材を加工して作っているものがあります。楽器と言うのは、音を二の次にさえすれば、どんな木材からでも作れるものです。(また、うまく工夫をすれば、音だって良くすることはいくらでも可能です)

 というわけで、当左大文字謹製のリサイクルシャミレレはこんなコンセプトで(笑)

①「建築物ウクレレ化保存計画ならぬ『建築廃材シャミレレ化計画」

 建築物を壊した端材でウクレレ作る伊達さんに敬意を表して、建物になるまえの「産業廃棄物」でシャミレレを作ってしまおう!(うーん、ただのエコシャミレレだな)

②「思い出シャミレレ化保存計画」

 おじいちゃんおばあちゃん、あるいは誰かよくわからないご先祖さまが残した三味線をこの際「シャミレレ」にしてしまおう!

 ・・・このパターンで現在三味線から作ったシャミレレを製作中です。

2007年8月6日月曜日

【三線ism】  コード弾きで、ちょっとお洒落な「てぃんさぐぬ花」を



 さてみなさんこんにちは

 コード弾きの概要がわかったところで、ちょっと遊んでみてください。

 最初の曲は、三線弾きなら基本中の基本ともいうべき「てぃんさぐぬ花」です。コード弾きになるので、ちょいアレンジが入りますが、試してみてくださいね。


 ちなみに、左大文字流では、元来の三線とのコラボレーションがすぐにできるようになっています。(そのために、わざわざ本来の絶対音階のCFGじゃないコードを使っているのです~)

 
てぃんさぐぬ花や  爪先に染みてぃ
C   G  Am   C G F

親ぬゆし言や 肝にすみり
C G   Am  C G C


デュオで弾ける方は、一人は普通の三線の工工四で、もうひとりは左大文字流のコードで弾いてみてください。(チューニングは二人とも同じで合わせてくださいね)

2007年8月4日土曜日

【三線ism】 左大文字流 入門⑨ 三味線にもう2つコードを追加してみましょう。




さてみなさんこんにちは

 3コードで弾ける曲、というのは探せばいくらでもあるのですが、やっぱり物足りないような気がしますね。
 一番簡単なのは、「牧伸ニ」さんの「あーあやんなっちゃった♪あーあ驚いた♪」でしょうか(笑)
(原曲はハワイの「タフア・フアイ」という曲だそうです)

 ちなみに、泉ピン子さんは牧伸二さんの弟子からスタートしたそうです。しらんかった(^^;

 というわけで、もう少し弾ける楽曲に幅を持たせるために今日は「AmとEm」を追加してみましょう。

(補足=CFCにおけるDmとAmになります)

 これまでのC・G・Fにこの二つを加えると、すいぶん弾ける曲の幅が膨らむと思いますよ。

 例の如く沖縄三線の工工四での表記ですが、地唄長唄系の人も、たぶんすぐわかると思います。


 さて、実際に三味線・三線のコード弾きを試された方がどれくらいいるのかわかりませんが、「なんか敷居が高そう・難しそう」という声がちらほら聞こえて参ります。

 でもまあ、「三味線を弾いたことがある」「ギターを弾いたことがある」のどちらかあるいは両方の方には、実際にやってみるとものすごく簡単なのですが・・・、文章と図だけで伝えるのは限界があるのでしょうかねえ。こういうときは、顔をあわせての「てほどき」の重要さを実感しますね。

 きっと目の前でちょろっと弾いてみたら「ああ、なんだそんなことか」というレベルのことなのです。

 それに、今日追加した2コードで計5コードを覚えてしまえば、あとは特にほかのコードを知らなくても十分「左大文字流三味線弾き」としてひとり立ちできると思います。(重みがないなあ~(^^;)

 フォークでもロックでもやりたいほうだいになりますので、ぜひ挑戦してみてくださいね!

2007年8月2日木曜日

【三線ism】 台風が近づいております。



 さてみなさんこんにちは

 私の住む近畿は多少ずれているようですが、台風が来ています。暴風圏内のみなさま、十分にお気をつけてくださいませ!

 私のほうは、今日は工房に近寄れないかな~、と思案しつつ、早くいろんなものを完成させたいと落ち着かない感じです。

 前回のブログ記事にに、みなさまからご期待のコメントをたくさんいただき、またやる気を取り戻しております(笑)

 さて、作品づくりのペースがいつも遅いのはいろんな理由があるので、ちょっと今日は言い訳しておきましょう。

 ①仕事が終わってから、工房へ寄って、ちょっと製作して家へ帰っているので、嫁さんがあんまり遅いと怒る。

 ・・・これが第一の理由です。きっと、ものづくりが趣味な世のだんなさま方は、みんな同じだと思います。

 ②製作の都合上、同時進行でいろんなものを作っているので、ひとつあたりの速度が落ちる。

 ・・・実は、木工品の製作は「待ち」の時間が大きいのです。ボンドを一箇所に使えば、乾いてひっつくまでに一日かかります。パテを使ったり、下地剤や塗料を使っても、一日取られます。切ったり削ったりするのは、待ち時間はありません。

 そこで、常に3つか4つくらいの製品(試作品?)を作ってます。今は

 <三昧線(ざんまいせん)>と
 <シャミレレ(三線バージョン)の2棹目>と
 <シャミレレ(三味線バージョン)未公開>と
 <試作品の簡易版シャミレレ(シャミレレ ライト)>と
 <シャミレレ スーパーライト(未公開)>

 が同時進行しています。あほですね。シャミレレばっかり(笑)

 最後のシャミレレスーパーライトは、メンソールとか、1mgとか3mgとかいろんなバージョンを作る予定があり・・・ません(^^;

 次に工房入りする予定の作品は

 <シャミレント>とか<山線>とか<ヘキサン>というのもありますが、これはしばらく先になりそうですね。

2007年7月27日金曜日

【三線ism】 左大文字流 入門⑧ 地唄三味線・文化譜でもコード弾き






 さてみなさんこんにちは

 前回で細棹三味線の弦長を短くするための「カポ」を用意してもらいましたので、いよいよコードを書いておきましょう。

 短くした三味線について、それぞれあらためて勘所を探ってみてください。ポジション間がせまくなりますが、これまでと同様にツボが探れると思います。

 上の図は、地唄三味線の勘所(ただし、短くした棹に対してのもの)と文化譜の勘所(これも短くした棹に対してのもの)に対応するコードです。前に説明した沖縄三線の場合とまったく形は同じです。

 ただ、三味線と三線では、勘所の名前が違うので、それぞれの流派に合わせて表記してみました。

 三味線弾きのみなさんも、これでコード弾きが試せますね!

(撥で三本同時に弾くのは難しいかもしれないので、爪弾いてみてください。


 実際に試してみた方、感想お願いいたしますm(_ _)m


2007年7月26日木曜日

【三線ism】 左大文字流 入門⑦ 三味線でコード弾き ~カポをつかう~









 さてみなさんこんにちは

 前回まで沖縄三線での、コード弾きについて概略を説明しました。

 沖縄三線を弾いている人は、「左大文字流」の基本的な考え方をわかってもらえたと思います。

 では、ふつうの長唄三味線や、地唄三味線、津軽三味線を弾いている人は、どうすればコード弾きができるのでしょうか?

 そのためには、前にも説明しましたが、弦長を630㎜前後にしてやる必要がありますね。


 そこで、ギタリストにはおなじみの、カポタスト(カポ)の登場です!!!

 とりあえず、弦長を630㎜にするために、ふつうの三味線にカポをはめてやりましょう!!


 このカポ、ギター用のものも流用できますが、そこらへんになければ、「乾電池」でも「つまようじ」でも、「割り箸の切れ端」でもかまいません。輪ゴムやヒモで「弦がきっちり押さえられる」ようにしばってやればよいわけです。

 630ミリの弦長にするには、下駒から計って630ミリのところで、カポをしてやってください。(厳密に630㎜でなくても、おおまかでもかまいません)

 カポをはめると、多少調弦が狂いますから、あらためてカポをした状態でチューニングしてくださいね。もちろん本調子でかまいません。

 それでは今日はここまで、まずはカポか、そのかわりになるものを探してみてください!

2007年7月25日水曜日

【三線ism】 左大文字流 入門⑥ ちょっとだけ応用 三線・三味線コード弾き





 さてみなさんこんにちは

 前回の入門⑤では、基本コードの「C・F・G」について紹介しました。しかし、ちょっと知識のある方は、「基本コードはC・F・G7だよ~」とさらなるつっこみを入れてくれることでしょう。

 そこで、ちょっと難しいG7について今日は説明しましょう。

 コードに7とかがつくと、三和音から四和音になります。ということは、三味線は3本しか弦がありませんから物理的に4つの音は出せません。

 そこで、音をひとつカットする、という大胆な演奏をする必要があるわけですが、7がつくコードは、まだわかりやすい構造になっています。


 まず、Cコードは「C・E・G」です。そして、C7になると「C・E・G・A#」の4つになるわけです。

 ということは、三本の弦でC7を演奏しようと思ったら、まず基音である「C」は必要ですね。そして、C7の音を決定付けているのが「A#」ですからこれは外せません。残りの二つは、あってもなくてもとりあえずCかC7には聞こえてくれるわけですから、どちらかを鳴らせばよいわけです。


 というわけで、冒頭に出しておいた図は、「G7」の押さえ方です。(入門編⑤補足を読まれた方へ→CFC調弦における「C7」です。)

 ●は絶対に押さえなくてはいけない勘所で、■はどちらかひとつを選択して押さえる所です。

 実際には、演奏する曲に応じて、どちらを押さえるか調整しながら演奏することになります。


 三味線・三線でのコード弾きは、こういう工夫と奥深さがあるのです。

2007年7月24日火曜日

【三線ism】 左大文字流 入門⑤ 補足



 前回の補足です。

 きちんと理論を学びたい方はよく読んでくださいね!

 まず、前回便宜的に、三つのコードを紹介してそれぞれ C・G・Fと書きましたが、厳密には、違います。

 ギターやウクレレは、調弦の際、それぞれの弦をどの音にチューニングするかが決まっていますが、(これをいちおう「絶対チューニング」と呼ぶとします)三味線や三線は歌い手の音程に合わせて基本となる音をずらしてゆきます。その上で、決まった音程の調弦を施してゆくので(これを「相対チューニング」と呼びましょう)、ギターのように「これがCコード」というものは簡単には決められないのです。


 ですから、わたしが前回紹介したC・G・Fは一弦の基音を「G」にしたときの場合であって、基音が違えば、当然コード名も変わるわけです。


 さて、三線・三味線で基音がGというチューニングは、かなり変わったチューニングですよね。ふつうは長唄でも沖縄三線でも、「C」を基音に取る場合がほとんどではないでしょうか。

 実は、私も手持ちの三味線の大半が「C」を基音に「CFC」の本調子で調弦しています。

 すると、前回の押さえ方では、コードは実はそれぞれ「F C A#」だったということになるわけです。


 さて、ちょっと頭のいい方なら

「じゃあ、あんなややこしいことをしなくても、CFC本調子の場合での「C・G・F」のコードを書けばいいじゃないか」と思うかもしれません。

 しかし、このあたりから「左大文字流」の神髄に近くなってくるのですが、基音CでのC・G・Fコードを勉強するより、はるかにF・C・A#の先の3つのほうが使い勝手がいいのです。

 それは、沖縄民謡の勘所が、前回紹介した図でもわかるとおり、ほとんどあの範囲(棹の上のほう四分の1くらい)に収まっていることと関係があります。

 F・C・A#を中心に演奏すると、ものすごく旧来の三線音楽と親和性がよいことから、わたしはC・G・FをF・C・A#に移調して捉えているのです。(逆に、正しいC・G・Fを押さえると、三味線の棹の上のほうから下のほうまで、ダイナミックに大きく移動させなくてはならないのです)

 なぜ、そうなるのかは、いろんな曲を演奏していくとわかるのですが、この段階ではとりあえず、

「F・C・A#」

の押さえ方を、ギターやウクレレでの

「C・G・F」

の基本コードのように覚えておくとよいでしょう。


【三線ism】 左大文字流 入門⑤ 三線をコードで弾いてみよう!!!




さてみなさんこんにちは

 これまで、三線(三味線)コード弾きの基礎を押さえてきましたが、今日はいよいよ


 「コードで三線を弾いてみよう!!」

 
 という回です。この回を心待ちにしていた方ももしかしたらいるかもしれません。いないかもしれません(^^;

 まずは、画像をごらんください。

 一番上に、いわゆる沖縄三線の工工四ポジションが掲載されています。

 そして、次から3つ、ギターやウクレレで言うところの

 「3コード」(C G F)

 の押さえ方を載せています。


 みなさんは画面をみながら、自分の三線を持ち出して、このとおり押さえてみてください。

 もちろんチューニングは本調子でかまいません。



 <C> 合は開放で、中は人差し指 七は薬指が押さえやすいです。

 <G> 合は開放で、上は人差し指 六は薬指か小指が押さえやすいです。

 <F> 難関です(笑) 乙は三本ともセーハします。七と尺は薬指で同時に押さえます。


 いかがですか?これが「左大文字流」の三味線奏法です!

 実際にやってみると

「おおお!これ、ギターじゃん!」とか「うわお!これウクレレじゃん!」

とか驚きの声を思わず上げてしまいませんか?

 びっくりしたあなたは、もう左大文字流のとりこです(^^


 ※注 今回は便宜的にコードを書いていますが、厳密には、三味線とコードの関係はもうすこし複雑です。その点は別に補足しておきますので、理論をきちんと学びたい方は次回をお楽しみに!!

2007年7月23日月曜日

【三線ism】 奥が深いよ 三線コード弾き





 さてみなさんこんにちは

 休日は、前々からやりたかった「左大文字流(三味線コード弾き)」の理論確立のために、コード表とにらめっこしておりました(^^;

 もともと三本しかない三味線ですから、どうがんばっても、コードは基本の3和音コードしか出せません。そこを、1音削ったり(時には指使いの関係で2音削ったり)しながら、コードを作成してゆくのですが、だいたい三味線のコードなんかどこにもないから、ひとつひとつ手作りです。

 これがなかなかめんどくさい作業で、同じコードでもいろんな押さえ方が可能なので、試行錯誤の連続です。うーん、頭が痛い。


 じゃあ、いままでどうやってコード弾きをしていたのか?と疑問に思われるかもしれませんが、

「弾きたい曲に応じてある程度の数のコードは体が覚えてしまっている」

のです。ですから、わたしの場合は、ギターを握るとギターのコードを左手が勝手に押さえ、三線を握ると三味線のコードを左手が勝手に押さえてくれます。便利なものです。

 そういうわけで、ふだんのコード弾きは別に困らないのですが、やはり、理論化するとなると、ある程度きちんとしたかたちにまとめてみたいのです。

 で、ふつうのメジャーコード・マイナーコード・セブン・マイナーセブンの4つのコードパターンをいま考えているところです。セブンやマイン-セブンですでに4音使いますから、1つはカットですね。
 これ以上の複雑なコードを考えても、カットする音が増えるだけですから、あまり意味ないかなあ、と思って、このパターンでまとめてみたいと思います。

2007年7月21日土曜日

【三線ism】  ポップスとしての三味線音楽 ~うめ吉さんに学ぶ~



 さてみなさんこんにちは

 つい最近になって、メディアでもずいぶんと取り上げられるようになった三味線弾きの方に

「うめ吉」

さん、という方がおられます。

 うめ吉さんのHP
 http://www.satoh-k.co.jp/ume/

 この方はふつうのOLから国立劇場の研修生を経て、いろんな古典ジャンルの三味線や周辺のお勉強をされた上で

「俗曲」(端唄とか小唄など)

を軸にして活動されている方です。

(関係ないけど、大学卒業して『国立劇場職員』の採用試験を受けた思い出があります。もちろん落ちましたけど、数名の枠に300にんくらい受けてたのではないだろうか・・・)

 俗曲というのは、江戸後期から明治・大正へと続く、むかしむかしの「はやり歌」つまり、ポップス歌謡曲ということになります。このジャンルは、いわば「古典」でもなく「現代音楽」でもない、失われた・宙に浮いた時代の楽曲ですから、ここに焦点を当てる、というのは面白い試みかもしれません。

 テレビでも、よく拝見するようになりましたが、勉強になりますね。わたしが、きちんとしたある程度知識をもっているのは

①自分でやってた「地唄」
②大学で研究してた歌舞伎・文楽に関わる「長唄や浄瑠璃」

くらいですから、せいぜい元禄文化前後までです。おなじ浄瑠璃でも、新内とか常磐津になると、ほとんど聴いたこともありませんし、ましてやうめ吉さんのジャンルの「江戸はやり歌」などは、いつも「へー・ほー・ふうん」の連続です。

 話は一見飛びますが、沖縄民謡でも同じようなことがいえますね。沖縄民謡の世界は

わたしのある程度おおざっぱな理解ですが、

①古典
②いわゆる伝統的な沖縄民謡
③後世になって創作された沖縄民謡(「安里屋ユンタ」など)
④沖縄流行歌(「十九の春」あたりのジャンルかな?)
⑤沖縄ポップス(第一世代)(「ハイサイおじさん」あたり以降?」)
⑥外来沖縄歌(ライク-ダーやTHE BOOMの「島歌」前後から)
⑦沖縄ポップス(第二世代)(ビギンなど以降)

といった風に分類できると思います。そして、これらを一括して普通私たちは「沖縄民謡の世界観」で語ったり歌ったりしているわけですから、興味深いです。

 つまり、本来の民謡と、歌謡曲とポップスが入り混じりながら、「沖縄民謡」を形作っているこの世界観は、おそらく江戸後期から明治初期の「長唄~端唄・小唄」の一連のつながりに似ているような気がするわけです。
 わたしたちが「沖縄民謡」と大きなくくりで楽しんでいるように、江戸のひとたちは、多数のジャンルの音楽を同時にリンクさせながら理解し、楽しんでいたのだろうと。

 そのあたりのまろやかなつながりを学ぶのに、「うめ吉」さんのようなアーチストはとてもすばらしい活動をなさっていると思いますね。


2007年7月20日金曜日

【三線ism】 昔の人はえらいなあ! 三線と三味線の違い~音楽性からの分析~






 さてみなさんこんにちは

 本格的なシャミレレが完成して試しに弾いている時に気付いたことですが、沖縄三線のデザインを踏襲したシャミレレでは、あるコードが弾きづらいことがある、ということをちょっとだけ書きました。

 それは、沖縄三線の乳袋が長く(大きく)左人差し指で特定コードをセーハするときに力をかけづらい、という問題点なのですが、今回ふつうの長唄三味線を分解したりしているうちに、

「なるほど、三味線の進化はすごいなあ、形状の違いには意味があるんだなあ」

と実感することがありましたのでお知らせしたいと思います。

 図でも描きましたが、沖縄三線にくらべて、長唄(ほかのもですが)三味線の乳袋は半分ほどしかありません。これはデザインだけの問題ではなくて、きちんと演奏上の意味があると思われます。

 沖縄三線では開放弦である「工」から、音階的に次の音は「五」なのですが、ここは1音上がっているのです。しかし、本土の三味線では、和音階的に、開放弦の次の音は、半音上がっているのです。

 地唄の譜でいえば、開放弦が「1」で、次の音は半音上がった「2」ですね。

 このポジションを人差し指で押さえるのですが、沖縄三線では1音幅がありますから、細い棹をそのまま握って押さえることができます。しかし、半音だと、乳袋に当たって、握り径が大きくなるのです!

 そこで、本土の三味線は、乳袋を半分のサイズにして、半音上がって押さえるときも、棹をそのまま握れるように改変してある、というわけなのです。

 なるほどなあ、昔の人はちゃんと考えて形状を工夫していたのですね。「三線も三味線も似たようなもんじゃん!」とも思いますが、しっかり、それぞれの地域の音楽性に合わせて変化していますね!

 ちなみに、シャミレレでは、ポジション間がせまいので、乳袋も沖縄三線のサイズでは長すぎます。このあたりは、自作では本州の三味線と同じにしたほうがよいですね。


2007年7月18日水曜日

【三線ism】  溶ける接着剤? 膠の不思議


 さてみなさんこんにちは

 先日より、「三昧線」「三味線三昧」の制作と平行して、古い細棹三味線の改造にいそしんでいる左大文字です。

 「三昧線」のほうは、serastarさまから新たな難問をいただきました!m(_ _)m

 ズバリ、「新幹線の中でも弾ける三線」ですか~。まあ、なんとかしましょう!(笑)勝算ありです!

 さて、その「電車内でも弾ける三線」名付けて


 「三幹線」


をどうやってつくるかは、次に回すとして、

 今回古い三味線をいじっている中で、不思議な現象に出くわしたので書いておきます。

三味線やバイオリンというのは基本的に膠(にかわ)で接着されているのですが(ちなみに、皮の部分はもち米でつくった糊で貼り付けます)どうもそれが溶けているのがあるのです。

溶ける、と書くと専門家の方なら「そりゃ膠は溶けるわな。もともと膠で接着するのは、ふだんは乾いて固まっているけれど、蒸気をあてたり、あたためると膠が溶けて修理できるというわけだから」とおっしゃるでしょうが、どうもちょっと違うのです。

 そんな状態になっているのは、今回ヤフオクで落した一棹の三味線なのですが、とにかく膠がとけてドロドロになっているのです。(接着箇所すべてドロドロ)

 はじめは何の気なしに、その上から木工ボンドで接着したのですが、なんと乾燥しても「木工ボンドが効かない」状態に!!!

 どうもこれはおかしいぞ、とその膠(だったらしい付着物)を結局サンダーで全部削り落すはめになりました。

 不思議なところは以下の点です。

① にかわは、ふつうはカチンコチンに固まっているが、温度と湿気により、溶ける。
② その「謎のにかわ」はシールの糊みたいにニチャニチャになっていて硬くない。
③ 木工ボンドと混じると、ボンドが乾燥してもすぐにはがれてしまう(接着力を奪う)
④ 乾燥した木工ボンドを見ると、『謎のにかわ』と反応してゲル状になっている。

 いったいどういう現象なのでしょうね。これは。もともと膠は正式に言えば「ゼラチン」ですから、なにかの加減で水分が多くなって反応してしまい、「にかわゼリー」になってたのでしょうか??



【三線ism】 新幹線でも三味線(三線)が弾ける?! 『三幹線』プロジェクト





 さてみなさんこんにちは

 前回、問題を頂きました「新幹線でも三線が弾けるか」という課題についてですが、こんな感じではいかがでしょうか?

 名付けて「三幹線」ですが、実はもともとこういう楽器のアイデアは、左大文字流の初期にありました。

 大学時代にエレキギター(の構造に)夢中になった関係で、

「ソリッド楽器の構造」

「エレクトリックピックアップについて」
は、そこそこ理解しているつもりです。

 なにを隠そうこの左大文字は、三味線という超アナログな楽器を扱っているわりには、電子回路にも造詣が深く、調弦用にC音を発音する電脳音叉を自作したりしていたのです。

(ふつうのギター音叉はA=440HZの音を出しますが、私の電脳音叉はC音を出します。電子音叉なら、水晶振動子などから発振させて音を出すのですが、『電脳』ですからなんと、マイクロコンピュータが超速でスピーカーのスイッチをオンオフさせて正確に発音します)


 そこで、当時のノートに書いていたのがこの「STICKER」(←勝手に名付けた)という三絃楽器です。

 とにかく完全ソリッドなので、反響部分がありません。(というより、棒1本)

 それでいて、ピエゾ(圧電)系のピックアップを内蔵し、パンチのある音を叩き出します。

 ヘッドホンアンプを仲介すれば、電車内でも迷惑をかけずに演奏できる三線ができあがります。

 もともとは1本ものでしたが、この度開発中の「三昧線」同様、折りたたみ機能をつければ、全長も小さく出来ます。まさにモバイル!!

 こんなのでも、いいですかね??

2007年7月16日月曜日

【三線ism】  久しぶりに三味線ざんまい



 さてみなさんこんにちは

 日曜日は久しぶりに、長唄三味線の整理をしておりました。うちにはすでに皮が破れたいろんな(普通の)三味線が十棹ちかくストックしてあるのですが、ヤフオクでまた数棹買ったので、整理です。

 京都時代に終い天神の露天で買った三味線やら、オークションで買ったものやら、もう何がなんだかわからないほど三味線が溢れているのですが、私の場合は高い三味線は持っていません。

 それでも紅木で象牙糸巻きのものも数本あるし、たぶん本来はそこそこの値がしただろう、と思われるものも少なくありません。ただし、実際に買ったときはもう数千円ですから安いものです。

 それで、紅木や紫檀の三味線が簡単に手に入るのですから、ものすごい時代です。(もちろん全部皮は破れていますよ)

 さて、そうして買ったものの中には値段相応のものもあります。花梨の三味線も二本くらいあるのですが、そこそこ丁寧に作ってあるので、それなりに愛着があるし・・・。眺めていると、ぜんぶ個性があってよいですね。

 で、そこは心を鬼にしてやろうとしているプロジェクトがあります。
 それは題して

 「左大文字流 三味線ビフォーアフター」

 まずは実験からスタートですが、とりあえず、ストックしてある三味線を「もうこれは材料だ!」と気合を入れてノコ入れします。中には明治大正の品もあるので、状態を見ながら手を加えて大改造です。

 そうして、最終的には

 ① 細棹三味線なんだけど、沖縄三線サイズに改造された「長唄(細棹)三線」

 ② 細棹三味線なんだけど、めっちゃ短く改造された「長唄(細棹)シャミレレ」

を作る予定です。

 気になるところは山ほどあります。

 ・・・紅木とか、ほとんど金属音がしてるけど、こんな堅い木まともに切れるのか?
 ・・・やっぱりさわり山はなくしたほうがいいかな(このあたり、コード弾きしか考えてない)
 ・・・胴、そのまま使ったらちょっとでかいよな。(とくにシャミレレ)

 さて、どうなることやら。

2007年7月14日土曜日

【三線ism】 あぶり餅の作り方 ~なんでも自分で作る悪い癖~



 さてみなさんこんにちは

 京都、今宮神社前の「あぶり餅」について紹介しましたが、そういえば、我が家はかなりの「あぶり餅」マニアで、

 「あぶり餅」を自宅で再現!

という無謀な挑戦をしたことがあります。もちろん、本家本元の「かざりや」さん「いち和」さん(二軒あるのです)にレシピを聞いたわけではありません。

 何度も通っているうちに、だいたい「こんな感じで味を再現できるのでは?」という境地にたどり着いたオリジナル復元です。

<左大文字流 レシピ>

○材料 生餅(スーパーでも売っている丸餅で乾燥していないやつ)
    白みそ
    きな粉
    砂糖
    みりん
    醤油
    竹串

①生餅を小さく親指大にちぎって、きな粉と砂糖をまぜたものをまぶし、竹串に刺す。
 本物のあぶり餅は先が二つに割れた竹をつかってからめてあるが、ここでは鮎を竹串に刺すように、先に固定します。
 この段階では、小さなきな粉餅を竹串にさした状態になります。

②そのまま、テーブルコンロ(ポータブルコンロ)の上に網をおいて焼くか、七輪に炭火を起こしてあぶる。
 本物は当然炭火ですが、コンロでもそこそこいけます。

③白みそをみりん(みりん風でもよい)でといた「タレ」をつくり、醤油を隠し味程度に入れて味を調える。
 
④かるく焦げ目があるかないか、くらいにあぶった「あぶり餅」にタレをかけてできあがり。



 これを家庭でもやるし、出張で親族や友達の家でも作りますが、「うん、あぶり餅の味がする」と好評です(笑)

 まあ、ほんものも江戸時代からの味ですから、たいてい使ってる材料はそんなもんでしょう。調合の度合いは多少違うかもしれませんが。

 あ、コレだけは守ってください。

「使うのは絶対に白みそ!!!」

 そこらへんにあるあわせみそだと「めっちゃ田舎臭い味」になります。(おいしいけどね)

「京都どすえ~」という気分にひたるなら、絶対白みそは外せません。
 


【三線ism】  三味線楽器の開発などなど






 さてみなさんこんにちは

 三味線に出会ってもう十数年、どんどん異端の方向に突き進んでいる左大文字です。たぶん、もう普通に三味線弾いても、平均以下くらいへたくそになっているのでは?と不安でいっぱいの今日このごろですが、みなさんはいかがお過ごしでしょうか。

 第一、細棹で言えば、「もうここしばらく撥を持っていない!」

 「おまえなんか三味線弾きじゃない!」とその方面の方には言われそうですね。

 次に、三線で言えば、「もうここしばらく琉球民謡なんて弾いてない!」

 「おまえなんか沖縄人じゃない!」と言われそうですね。まあ、もともと沖縄人ではないのですが。


 ではここ数年何をやっていたかというと。

 「三線とバイオリンでセッション」(わたしは三線でアルペジオ)
 とか
 「板張り三味線の作り方講座」
 とか
 「新しい三味線の開発」
 とか、そんなことばかりやっていました。

 わたしのノートには、そのつど思いついた三味線楽器のイラストとか設計図とかがずらーっと並んでいます。そうまるで、ダヴィンチの素描のような「三味線・三線の図」たちがいっぱい(笑)

 これらが次々に形になるわけですが、その第一弾が「シャミレレ」だったわけですね。

 そういえば、昔は「三味線がもっと身近になる名前とは?」みたいなことも考えていました(^^;

「三味線、って言うからダサいとかふるいと思われるんじゃん!もうちょっと今っぽい名前にしたらええやん」
と。

 そこで考えついたのが


「TRIAR」


という名前。TRIは3ですね。モノ・ジ・トリのTRI。トライアングルのTRIです。ARはギターから奪った後ろです。
「GUITAR」ですからARをとってくっつけました。

「三本弦のジャパニーズギター」という意味で

「Triar(トライアー・トライア)」です(笑)

「TRY(挑戦)+er(~するもの)」と語感が似ているので気に入っています。トライヤーでもいいですね。

 したがって、初期に作った手作り三線には「TRIAR since 1992」というロゴが入っています。最初に作り始めたのは1992年だったのですねえ。

 ここまでくると愛好家を通り越して、完全に「三味線マニア」ですね。あぶないあぶない。



2007年7月12日木曜日

【三線ism】 沖縄の思い出



さてみなさんこんにちは

 9月に友人が結婚することになり、沖縄のホテルでの挙式になりました。そこで、私と妻も一緒に沖縄へ遊びがてらついてゆくことになり・・・・。

 思い起こせば、高校3年生の卒業前に、弟と二人で沖縄に行ったのが最初でした。もちろん私は「三線を買いに!」、弟はなぜか「ギターを買いに!」(アメリカ経由で入ってくる珍しいエレキギターがほしかったらしい・・・。たしかに、あのとき買ったギターが今でもいちばん音がよかった)

 さて、今のようにネットでもすぐに三線が買える様な時代ではなかったため、「さて、三線を買うにしてもどこで売ってるんだろう」という状況でした。

 たまたま、あるFM雑誌で沖縄音楽の特集をしていて(まだ、知名定男さんやネーネ-ズ、照屋林助さんあたりが取り上げられていて、ザ・ブームの「島唄」前夜でしたね)その記事を頼りに楽器屋を探したものです。

 おまけに、地元の図書館にあった古い百科事典などから、三線の記事を探したりしたものですから、「伝統」「匠」の王道みたいなところに足を踏み入れてしまったのです。

 後から知ったのですが、三線づくりでは又吉真栄さんというすばらしい職人さんがいて、もうお亡くなりになられているのですが、わたしはその時、ふらっと一観光客ながら、その息子さんの三線屋へ行っているのです。

 ま~ったく何もしらないまま、最初に三線を買ったのは那覇の新栄堂さんで、その後二度目に沖縄に行ったときには、「他の三線屋も覗いてみよう」とこれまた那覇の「またよし」さんに行ったのですが、どちらも

「又吉真栄さん」

の息子さんなのですね(しらんかった^^;)

 以降、この店でしか三線買ってません。


2007年7月9日月曜日

【三線ism】 左大文字参り?! プチ京都・奈良旅行でゴー






さてみなさんこんにちは

 昨日は休みだったので、妻と妹を連れてふらっと古都の旅をしてきました。あまり、奈良は(遠いので)行かないのですが、急に行きたくなって修学旅行のお決まりのコース(東大寺・奈良公園)をめぐってきました。

 その後、古巣の京都へ上がって、今宮神社のあぶり餅を食べて帰るコースでした。

 北大路通りから、左大文字山のふもとを通ってきぬかけの路を抜けて帰りました。うーん、左大文字流の聖地ですね(笑)

 アパートの片隅で、騒音を出さないように、ほとんど小刀と彫刻刀だけで三味線を作っていたあの頃がなつかしい!
 今なら、荒削りは「ジグソー」でガーッ! 整形は「グラインダー」でガーッ! 研磨はサンダーで「シャー!」ですわ。

 さあて、シャミレレもあらかた目処がついてきたし、次の作品を考えようかなっ。
 

2007年7月7日土曜日

【三線ism】 シャミレレ デモできました~




さてみなさんこんにちは

 シャミレレの音、出していますので、どうぞご覧くださいませm(_ _ )m






 http://jp.youtube.com/watch?v=TYxui5N_Hmw

 今回からyoutubeです(笑)

 ヤフーのビデオキャストとどっちが性能がいいのだろうか・・・。


 さて、演奏についてですが、なにしろ出来たばっかりの楽器を弾いていますので、いまいちポジションがうまく押さえられず、けっこう音程ずれていますが、気になさらないでくださいませ。

 実際に弾いてみると、改良点が見えてきますね。次の作品は・・・・の部分を直さないと!!!
(きっと弾いた人にしかわからない)


【三線ism】 左大文字流 入門④ シャミレレ 映像解説~



さてみなさんこんにちは

 前回は、シャミレレ完成記念、ということで実際の演奏の様子を映像にて提供しました。

 まず、この「新製品」であるシャミレレを弾いたのが昨日の夜はじめてなものですから、なかなか思うように演奏できず、映像ではちょっと音程を外している部分もあります。見苦しくてごめんなさいね。


 ☆デモはこちら
 http://jp.youtube.com/watch?v=TYxui5N_Hmw


 しかし、「三味線のコード弾き」ってこんな感じなんだ!ということは、十分に伝わったかな、と思います。

 さて、解説をしてゆきましょう。

 弦長430㎜のシャミレレですから、勘所(ポジション)はかなりシビアです。数ミリ押さえ損ねると、もう音程が外れます(映像でもわかりますね(^^;)

 ウクレレだとフレットがあるので、どこを押さえても正確に音を出してくれますが、三味線はフレットレスですから違います。指で3本の弦を正確に押さえる(それも指の先でなく、指の腹を使う場合もある)のはちょっと慣れるまでは難しいかもしれませんね。

 でも、あれをふつうの沖縄三線でやると、ポジション間がだいぶん広くなるので、もう少し楽です。特に、映像でもやってますが、「セーハ」しやすく、ギターとほぼ同じ感覚で演奏できるのではないでしょうか。

 では映像解説です。

① 最初に開放弦を鳴らしています。種もしかけもない本調子だとわかるはずです。

② 次に軽くコードを鳴らしています。メジャー数種、マイナー数種と基本的なコードを適当に並べています。時折7thが入っていますが、これは3本しか弦がないので、基本のコードから1音抜いて7thを載せる形を採っています。

③ 中盤には大学時代夢中になって研究したクラプトンのtears in heavenのシャミレレ「アンプラグド」(笑)版を演奏しています。映像ではさらっと流しましたが、一曲三味線で十分弾けますね。
単音部分とコード部分のマッチした、いい教材です。
 クラプトンの「アンプラグド」といえば、CDのオープニング曲「signe」も左大文字流に移植ずみです。いずれ公開しますね。

④ 単音とコードを随時入れながら軽くジャミング。ほぼ即興です。

⑤ コードが確定するとあとはカッティングの技法だけですから、ギターと同じですね。ギター風にカッティングを入れてみました。


 まとめですが、シャミレレでの左大文字流は実は「ちょっと高度」です。音程がシビアなだけに、わたしもかなり戸惑いました。
 簡易版のシャミレレで弾いたほうがはるかに楽です!

 理由は

 ①簡易版シャミレレは棹の幅を24ミリ最初から最後まで確保しているが、本格シャミレレは糸巻き側が20㎜、胴付近で35ミリ以上と幅が変わってくるので、ローコードは狭い幅のあいだで押さえなくてはならない。

 ②簡易版シャミレレは「乳袋」がなく、ローコードが押さえやすいが、本格シャミレレは三線のデザインをそのまま踏襲したので、「乳袋」が大きく、ローコードが押さえにくい。

・・・・以上、実際にやってみてわかったことです。

 ちなみに、普通の沖縄三線で演奏する場合は、①も②もあまり気にならないと思います。今度は、三線バージョンでの左大文字流デモを作っておきます。


2007年7月6日金曜日

【三線ism】 カタログNo.1 左大文字謹製 「シャミレレ」(ウクレレ三線・ウクレレ三味線)



「シャミレレ」(ウクレレ三線・ウクレレ三味線)

 弦長430㎜前後 松材・SPF材・ラワン等南洋材・ラミン材など使用

 全長600㎜前後 合成うるし鏡面仕上げ

 ☆参考価格 8000円(頒布を前提にした価格)

 (写真はオリジナル仕様。※上コマがなく、さわり防止パーツ装着)

 
 三味線・三線の「コード弾き」(左大文字流)専用に制作した極小タイプの楽器で、ベースは沖縄三線のスタイルを採っている。

 もちろん、単音でも演奏可能だが、コードで演奏すると「ウクレレ」に良く似た音色を奏でる。

 板張りのため沖縄三線に比べて、柔らかく軽やかな音色。余韻が長くまろやかだが、沖縄三線よりアタック感は弱い。音量はやや小さめ。

 スケール(弦長)はテナーウクレレと同じであるため、ソプラノウクレレよりは演奏の幅が広い。


 ☆もし購入希望の方がいらっしゃいましたら、

sanshin_ism34@yahoo.co.jp

  までご連絡くださいませ。
手作りですので、納期には2週間以上かかりますが・・・(^^;






このタイプは、現在製作終了





2007年7月5日木曜日

【三線ism】 「シャミレレ」完成! (ウクレレ三線・ウクレレ三味線)







 さてみなさんこんにちは

 長々とひっぱってきた「シャミレレ」が完成いたしました。

 本日工房で最終調整を終え、自宅へ持ち帰って弦を張ってみました。

 はい、こーんな感じです。

 肝心の音ですが

 ① まだ塗装が完全に乾ききっていないので、ちょっと抜けが悪いものの、十分「ウクレレ」の音がします!
  これから数日ほっておくと、どんどん音量が大きくなり、切れのいいサウンドに変わります。

 ② 三線と同じ弦だとCFCではちょっとテンションが弱い感じがします。1音~2音以内くらいでチューニングを上げるとよさそうです。

 ③ 三味線弦だと音量は小さくなりますが、なかなかセンスのいい音がします。このあたりは研究を重ねます。

 次回は、いよいよ、音を出しますよ~。