2007年12月29日土曜日

【三線ism】  左大文字流ある意味完成!




さてみなさんこんにちは

 昨日、待ちに待ったあるものが我が家に到着しました。

 いままでやりたかったのだけれど、なぜかやろうとしなかったある挑戦。それを完成させるために必要なブツでございます。

 それは何かと申しますと・・・・


 


 マルチエフェクターあああああ!!!!

 


 激安で有名なZOOMのG1を送料込み5500円にてネットで購入したのです(^^


 これを聞いて「え?あんたエフェクターもってなかったの?」と思われる方もあるかもしれませんが、その昔作ったエフェクター類は、すべて弟にやってしまったので、ここしばらくは所有していなかったのです。もともと、エレキギター持ってた時も、クリーン系の音が好きだったし・・・。

 エフェクターはふっるーい guitar magazine に載ってたビンテージエフェクターの製作記事を読みあさりながら、京都の寺町通りにあったニノミヤの電子パーツ売り場に足しげく通ったものです。腐りかけのオールドトランジスタとかは、通販で探しまくってデッドストックを譲ってもらったり(^^;

 ああ、ニノミヤも廃業したし、マツヤデンキも一回潰れたし、今やジョーシンだけですな、関西系の電気屋さん。

 ♪にっのー、にっのみーやー♪
 ♪いいものたいせつ―に、まつやでーんきー♪
 ♪じょっ じょっ じょっ じょおっしーん きーぶんー じょおー じょおー♪

 全部歌える自分が好きです(^^

 (関西圏以外の方は素通りしてください)


 で、繋いでみました。板張り三線に手作りの圧電PU(スピーカーともいう)をとりあえず半田付けして繋ぎ、シールドもすでにないので、100円ショップの「耳元スピーカー4mコード」をコードをぶった切ってモノラルミニジャックを取り出して、標準ジャックへの変換かまして刺してみました。


 ・・・・これですよ!これですよ!!!!


 そこから出てきた音は、まさにエレキ!コードで弾くから、すでに三線の面影はまるでなく、ちょっと余韻の短めのエレキギターの音が炸裂するわけです!!!

 
 もう日本人にエレキギターはいらん!みんな三味線をエレキにして弾きなさい!といいたくなるような完全なエレキぶりに嫁さんも興奮気味です。

 2人して「すっげー!エレキじゃん!これ!」みたいな、16歳ではじめて通販で19800のエレキを買った少年のような気持ちになるわけです。

 お決まりのスモークインザウオーターなんぞを弾くと、きっとエレキギターなのか三線なのか見分けがつかないと思います(笑)・・・いや、音に厚みがないから(3本だから)きっとバレる。


 というわけで、いままでコード弾きでもどちらかというと、「70年代青春フォーク」よりだった左大文字流にも「80年代ハードロック」な趣が生まれたわけで。

 もう左大文字流はどうにも止まらないぜええええ!みたいな。
 そのうち音源アップしますので、夜露死苦!みたいな。(なんとなく古いな)


2007年12月27日木曜日

【三線ism】 上々颱風の思い出



さてみなさんこんにちは

 中部地方のとある映像コンテスト入賞の知らせが入り、今度はわたしも大会参加予定です(^^

 これで今年も終わりなので、結局今年は4本入賞といったところでしょうか。去年の6本には見劣りしますが、とりあえず継続は力なり、ということでほそぼそと・・・。

 まあ、ひとつは大林宣彦氏(映画監督)が審査員で、大御所のお目にとまっただけでもありがたいm(_ _)m

どちらかというと、私の作品はNHKがらみの人に受けがいいのですが(^^;ドキュメンタリーが多いからです。


 さて本題。いまでこそ普通のサラリーマンをしている私ですが、昔は小説家になりたくて、大学も文学部を選びました。それがいつのまにか、文字メディアにはあまり興味がなくなって、映像の方に傾いてしまっているのですが、基本的なところは同じです。

 文章の技巧に凝ろうが、映像に凝ろうが、筋書きを立てて、論理的に文章で構築して、見る人や読む人に伝達する、という意味では通じるところが大きいと思うのです。

 当然、ラジオドラマのようなものであっても、演劇であっても、基本は同じだと思います。


 そもそも私が三味線に興味を持ったのは「演劇」でした。木の実ナナさんの「阿国」というミュージカルがあって、その初演の頃にテレビで偶然見ていたのです。


 阿国というミュージカルは上々颱風が音楽を担当していて、(いまでもそうですが)紅龍氏がバンジョーに津軽三味線の弦を張って弾きまくる、という芸(笑)を披露するのです。


 それを見ていて、「これをやりたい!これはおもしろい」と思ったのが当時18歳の左大文字少年で、祖母の家の納屋から三味線を探し出し、文化祭の演劇で「三味線が弾ける内容の劇」を考え出して、クラスの全員を巻き込んでやってしまった、というのが原点なのです(^^


 阿国では、音楽は舞台上で生で弾いてしまう、という演出がなされていたので、もちろんそれも踏襲しました。(通常のミュージカルも生演奏ですが、演奏者はオーケストラピットの中に隠れています)


 和太鼓のでかいやつを借りてきてステージサイドに置き、三味線もキーボードも観客から見える状態で生で弾く、という荒業をよくもまあ、我ながらやったものです。

 
 で、物語の内容は、薩摩藩によって「島分け」された沖縄の若者の悲恋物語・・・で、とにかく資料をあさりまくって「琉球哀恋 LOVE&REVOLUTION」を不肖わたくしが書き上げたわけです。

(なんかパッチギみたいなタイトルですが、今から15年も前のことです)

 当時は、まだ管理教育の気配が残っていて、私たちも団塊jrなものですから、「権力(センセイ)は敵じゃ~!」みたいなオーラがムンムンなわけで。当然、物語も薩摩藩に抵抗して反乱を起こした島の若者達の話になるわけで。

 いやあ、若いですよ。自分。思い出すだけで、はずかしくなります。


2007年12月24日月曜日

【三線ism】 クリスマスプレゼント



さてみなさん、こんにちは

 今日はクリスマスイブ、ということで、今年一年お世話になった方々への感謝をこめて一曲弾いてみました。

 もちろん、左大文字流コードをバリバリにつかった演奏で「きよしこの夜」です。

 本年も残すところ少なくなりましたが、来年もまた頑張ります。






 今年は、三線コード弾きを世の中に送り出しましたので、来年はいっそう

「広める」

ほうに頑張りますので、よろしくお願いいたしますm(_ _ )m

2007年12月23日日曜日

【三線ism】 屋根裏の イタチごっこ



 さてみなさんこんにちは

 この間からお弟子さんのために板張り三線などを製作しているので、ちょくちょく工房へまた寄るようになったのですが、どうも、様子がおかしいのです。

 うちの工房はシャッターがあって、その中に壁をもうけて内扉があるのですが、シャッターと内扉の間は冬用タイヤとかがおけるようになっています。

 その微妙な空間に、どうやらなにかの生き物のものらしい糞が落ちていたのです。

「ネズミでもいるのかな」

と思っていたのですが、今日は休みを利用して徹底的に周辺を掃除してみました。

 不思議なことに、内扉から中の工房そのものには生き物の気配はないのですが、そのシャッターと内扉の間の空間は

「どうもやつらに占拠されたらしい」

のです。大量の糞が転がっていました。

 で、とりあえず大掃除をして、巣になりそうなガラクタ類を撤去して家に帰り、妻にその話をすると

「それイタチやで!!!」

とのこと。

 どうも妻のパート先でも一時期イタチが住み着いたらしく、被害を受けたことがあるらしいのです。

「あいつら頭ええから、またやってくるかもしれへんで!うちの店の場合は、明らかに人間に挑戦的なところに糞したり、人間と顔を合わせても平気やったで!」

とのこと。

 これはいかん!と一念発起して、イタチとのいたちごっこをはじめることにしました。

 「イタチは何カ所か住処を作るから、そのひとつに選ばれたのかもしれへんな」

と嫁がいうので、一緒に工房へ行って調べてもらったのですが、

「うーん、おしっことかしてなさそうやし、特有の匂いもあんまりないから、完全に占拠されたのではないかもしれへん」

との推察。ガラクタの中にあった古いぬいぐるみのようなものが、イタチの寝床になっていたのかもしれません。(でも、もう撤去してやった!!)


で、

「イタチは強い匂いが嫌い」

という妻の弁を信じて、あることをしてみました。強い匂いのする石けんを置いたりするのも効果有り、らしいので、

 なかなか強い匂いのするトイレ芳香剤

を投入してみたところです。さて、やつらはまた姿を現すのか?ドキドキわくわくです。

2007年12月21日金曜日

【三線ism】 エレキ三線について考える





さてみなさんこんにちは

 あれ以来すっかり左大文字流エレキバージョンにハマッてしまった左大文字です。


 (エレキバージョンについては↓をご覧下さい

  http://jp.youtube.com/watch?v=oMIxSfNBoUA   )

 

 で、マルチエフェクターに飽き足らず、アンプシュミレータなるものも購入し、アコギっぽくするにはどうしたらいいか、などを毎日実験しておりました。

 マルチでもシュミレータでも、空間系エフェクトを足せば、それなりにステージ上のアコースティックギターっぽい音を出すことは可能ですね。

 しかし、それが三線あるいは三味線ぽい音かと問われれば、

「違う」

のです。

 三線や三味線の音はエフェクターを通すと特徴が大きく失われてしまうようです。なかなか奥深いものがあります。


 でも、考えようによっては

「エレキギター」はアンプオンリーでもクラシックギターらしい音がしない!わけで

 アンプアグドはアンプラグドの魅力、と切り分けるべきなのかもしれませんね。



 私が大学生の時は、クラプトンの「アンプラグド」が流行しました。エレキとアコースティックはいかにせめぎあうか、という哲学的な意味合いもあったあの番組(アルバム)に、当時の私もかなり影響をされました。

 明らかなアコースティック楽器であった三味線をいじっていたせいか、当時私が作っていた楽器は、全部マイクアンプ内臓でした(笑) 
 よほどエレキにしたかったのでしょうね。でも、なぜかエフェクターを頑としてつなごうとせず、アンプだけで弾いていたのは、やっぱりクラプトンの「アンプラグド」の呪縛から抜けられなかったからでしょうか(笑)

 そのうち、ソリッド三線とかソリッド三味線を作ります(^^



2007年12月14日金曜日

【三線ism】 その三線、ポジションマーク、ついてますか?







 さてみなさんこんにちは

 今日の写真は今は売っていない「那覇王冠」製の板張り三線です。

 音量がやや押さえ気味なので、部屋で弾くときに使っている三線なのですが、ご覧のとおりポジションマークが全部ふってあります(^^

 18フレットまでふってあるので、ほぼギター並です。とはいえ、12フレットを越えるハイポジはかなりシビアになってきますが(フレットレス万歳!)

 左大文字流では、一度に3箇所の勘所を合わせなくてはいけないので、ポジションマークがあったほうがはるかに便利です。

 しかし、悩みもあります。

 地唄でも長唄でも、きっと沖縄民謡でもそうなのですが、


「ポジションマークを打たない方が、正統」


みたいなところがあります。

 勘所は「耳で覚える」みたいな気運があるので、ポジションマークは邪道みたいなイメージがどうしてもあるのです。

 もちろん、わたしも細棹三味線を弾くときは、ポジションマークなんてついていませんし、うちにある三線の大半には、ポジションはふってありません。

 しかし、youtubeの演奏で使っているような、日常弾きの(そこらへんに転がっている)三味線には、全部ポジションがふってあります。

 それも、ほとんどの楽器には

「地唄三絃の勘所」

がふってあるのです!!(笑)

(ちなみに、地唄は開放弦が「1」で一オクターブ上が「11」です。つまり2音どこかで抜けているということですね)


 ポジションがふってある三味線を見ると

「初心者なんだね」

と思ってしまう自分がいるのですが、最近はプロの演奏家の中でも、よく見るとポジションをちゃんとふっている棹を使っている人が意外にたくさんいるようですね。

 三線の場合、たいていは7フレットくらいまでしか使いません。しかし三味線は、ハイポジがバリバリ出てきます。

 左大文字流の場合は、ローコードだと、ほとんど三線の音域ですが、ハイコードを弾こうと思うと、だいぶスライドしてゆきます。

 ハイコードをポジションをふらずに、3音弾こうとすると、とんでもない音が出たりして、自分でもショックを受けるのですが・・・。

 みなさんの三味線には、ポジションはふってありますか?(笑)



2007年12月13日木曜日

【三線ism】 一五一会について思うこと



 さてみなさんこんにちは

 先日、ある楽器屋さんで一五一会の入門テキストというのを見つけ、ぱらぱらと立ち読みしていました。

 え?今頃一五一会かい!と思われる方もあるでしょう(^^

 もちろん、発売当初からあの楽器については知っているし、実物を手にとったこともあるのですが、実際の演奏法については、あまり詳しくみていなかったのです。

 一五一会の特徴は「指一本でコードが弾ける」というところです。指一本ということは、弦をすべて指一本でセーハするということなのですが、この一五一会は三線・三味線とおなじチューニング原理です。

 公式ページを見ると、オリジナルの一五一会だけが棹の長さの関係で「CFCF」というチューニングをするようですね。

 みじかい奏生とかは、その分だけ高音域に移動するようです。

 さて、この一五一会のコード演奏なのですが、セーハが基本ですから、押さえるフレットを移動させてゆけば、自由にコードが設定でき、たしかに簡単にコードが押さえられます。

 これは、エレキ三線のデモでもやっているような「スモークインザウォーター」の弾き方とまったく同一で、言い換えれば、あれは

「一五一会流コード弾き」

ということになるでしょう。

 
 一五一会が「簡単であること」を大きな目標に掲げている一方、左大文字流は「簡単であること」にそれほど重点をおいていません。

 これは、私なりの信念があってのことなのですが、

「楽器は複雑であればあるほど、面白い」

という事実に基づいています。

 わたしのモットーである「チープ&ポップ」とは一見矛盾するようでもありますが、でも、楽器というものは複雑なほうが楽しいのです。



 オルガンよりも、ピアノのほうが面白い。

 リコーダーよりも、フルートやサックスのほうが面白い。



 これは、楽器を演奏する人なら、みなすぐにわかることです。

 つまり、複雑な楽器は、それだけ、一つの音階の音でも多彩な表現ができるからです。 

 吹奏楽器であれば、アンブシュア(唇の形や当て方)ひとつで音色がたくさん変化させられます。

 弦楽器では、左手の押さえ方だけでなく、ピッキングの方法でいろんな表現が可能です。


 前にも紹介しましたが、「ザフーン」という楽器があって、これはリコーダーと同じ構造でありながら、発音体はサックスとおなじリードを使います。

 最初口を当てても、全く音が出せない楽器ですが、だからこそ、音が出始めると本当にいろんな表現が可能になるのです。

 だから、「簡単である」だけじゃないアプローチも面白い、と思います。

 複雑だから、広がる表現があるし、押さえにくいからこそ、それを押さえたときに、目の前がひらけたようなひらめきがあるのです。

 つまり、みんな「Fコード」を押さえられるようになって、成長するってことですね(笑)


2007年12月12日水曜日

【三線ism】 三線コード弾きと伝統音楽



さてみなさんこんにちは

 京都にいるころは、地唄をかじっていた左大文字ですが、実は大学での研究が近世文学(演劇)だったので、三味線音楽にはいろいろなジャンルに触れておりました。

 近世といえば、江戸時代です。それも演劇が隆盛を極めたのは、近松門左衛門以降つまり、元禄時代以降ということになります。

 そのころの演劇は、人形浄瑠璃が主体で、もちろん、歌舞伎もありましたが、どちらかというと歌舞伎のほうが人形浄瑠璃の影響を受けています。

 わたしが研究していたのは、江戸時代の演劇における「人形と人間の共演」みたいなもので、簡単にいえば、

「にゃんちゅう」



「いとうかずえ」

が同じ舞台上で共演しているような例をたくさん探しておりました(笑)

 これは研究的には重要なことで、「にゃんちゅう」も「おねいさん」も同じ人格として私たちが認識するのは、いつからだったのか?みたいな話しになるわけです。

 その研究の話はとりあえず専門的になるので、置いといて、そう言う関係で、大学時代は歌舞伎や文楽をよく見にいったりしていました。

 江戸歌舞伎は長唄が多く、文楽は浄瑠璃が多くなります。前者は細棹だし、後者は太棹です。地唄では中棹を使うし、自宅では三線を弾きます。

 身の回りに三味線音楽が溢れていたなあ、と今思えば驚きです。

 社会人になって、別の土地へ行ったりすると、三味線音楽からはどうしても遠のいてしまいます。
「自分から求めないと、三味線の音楽は捕まえられない」
というのが、伝統音楽の現状なのはちょっと寂しいですね。


2007年12月8日土曜日

【三線ism】 うるま 三線特集







 さてみなさんこんにちは

 とりよせしていた雑誌「うるま」の11月号が届きました。

 このあいだの沖縄行きの際、本屋さんの片隅でこの雑誌を見つけて「面白そうやなあ」とチェックしていたのです(^^

 ここ8年くらい行っていなかった沖縄ですが、いろいろと様変わりしています。その中でも、沖縄文化に対しての一般の人の関心が非常に高くなったことや、移住を希望する人が増えたことなどがあると思います。

 そうしたこともあって、この「うるま」のような沖縄文化・生活をとりあげたような雑誌などが増えているのが向こうへいったときの驚きでした。

 沖縄の本屋さんには当然「沖縄コーナー」みたいなところがあって、8年前は堅い民謡古典の本とか、ヤンバルクイナの生態とかマングローブがどうのみたいな自然科学書とかばっかりだったのですが、だいぶ垢抜けた感じです。ポップで軽めのミニ雑誌みたいなのを見かけるようになりました。


 で、今回の「うるま」ですが、最新号ではないけれど三線特集だったのをあとで知ったので、読みたくなったのです。重すぎず軽すぎず、それでいてかなり充実した記事内容で満足です(^^

 まだバックナンバーもありそうですので、ご興味のある方はこの号だけでもお勧めです。

 登川さんやら若手の三線弾きの方がたくさんとりあげられていて、個人的にはとても懐かしい感じがしました(^^

 なんで懐かしいかというと、その昔15年前にはじめて沖縄に行った時、私は「FMレコパル」の「沖縄音楽特集号」を買って、それを片手に那覇の町をうろついたからです。

 もちろん、その号のFMレコパルで取り上げられていたのは、林助さんやら、マルフクレコードの社長やら、喜納昌吉さんやらなので、今回の「うるま」とはだいぶ世代が違いますが(笑)

 「ああ、こういう雑誌を見ながら、自分は三線を買いに行ったのだ」と思うと、自然に懐かしい気持ちになります。

 面白いことに、15年前の雑誌にも、今回の「うるま」にも、那覇の「琉球楽器またよし」の又吉さんの記事があったりして、自分の中では、原点にタイムスリップしたような感じです。

 まさかあのとき持ち帰った三線から、京都での試行錯誤をへて「コード弾き」が生み出されるとは!!

 その時最初に買った三線は、皮が破けてしまいましたが、いまでも再生のチャンスをうかがいながら眠っています。



2007年12月4日火曜日

【三線ism】 エレキ三線 エレキ三味線 三味線ギター 解説




さてみなさんこんにちは

 エレキ三味線の動画を公開して、反響がたくさんあったので、ちょっと解説です。とにかく見てくれた方からは「衝撃をうけました!」的なコメントをいただき、感謝感激です。

 
 まだの方はどうぞ↓



(エレキ三線 エレキ三味線)
 http://jp.youtube.com/watch?v=oMIxSfNBoUA


 でも、三味線をエレキのように弾くのって吉田兄弟でもやっているのではないのだろうか?うーん、わたしは津軽系にとんと縁がないので、わかりません(^^;

 いわゆる邦楽の世界でも、エレキ三味線とか、エフェクター使用とかは、やってる人はやってるのではないかしら???

 誰か知っていたら教えてくださいm(_ _)m


 さて、例によって解説です。


 ① 今回の使用三線は板張りのオリジナルもの。弦は長唄用テトロン絃です。

 ②ピックアップは圧電素子をそのまま使ってます。コードに半田付けしただけ。

 ③エフェクターはZOOMのG1 電源入れたらすぐに立ち上がるバンクの歪み系。

 
サウンド的には

 ① とりあえず、三味線弾きには定番のディープな紫から。いわゆる人差し指全部押えるコードCFCセーハのスライドだけで弾くやつなんで、厳密には左大文字流のコードじゃないです。

 ② ソロっぽいフレーズを流してみました。これも左大文字流じゃなくてもできることです。

 ③ ①と同じ原理で、ロックっぽいフレーズを流してます。リフも単音だけのリフなんで音が薄いですが、意外に聴けたのでおもしろいです。

 ④ ようやく左大文字流のコードで弾いてみました。やはり厚みがでます。

 ⑤ 最後はどこかで聴いたようなフレーズを。彼はお亡くなりになったのですが、Xjapanも再結成されるそうで(^^


 さて、こうして書くとわかるのですが、三味線という楽器はとても素直なので、エフェクターをつけるだけで、実はエレキギターとほとんど同じことができるわけです。わたしが凄いのでもなんでもなく、みなさんのお手元の三味線や三線でも、エフェクターとピックアップさえあれば、全く同じことが今すぐにでもできるのです!!

 ところが、みんな「すごい!」とビックリしてしまいますよね。これは、みなさんがいかに自分の属していう流派とか伝統とかにしばられているか、ということの表れなんです(^^

 それぞれの流派・伝統の上では、あんなフレーズを弾いたり、あんな音を出したり、あんなメロディラインを弾こうと思いつかないだけなんです。

 三味線って「自由だああああ!!!(三味線のブルース)」(ちなみに、彼とは大学が一緒)と思っていただければ幸いです。

 あ、ちなみにわたしはエレキギターは弾けません。(コード+αくらいはできるけど。)エレキギターの理屈をちょっとかじったからあんなことができるだけです。

2007年12月2日日曜日

【三線ism】 エレキ三味線 エレキ三線のデモができました



 さてみなさんこんにちは

 先日も書きましたが、エフェクターを使っての左大文字流エレキバージョンのデモが一応できましたので、アップしておきます。

 とりあえず、こんなこともできるよ、と言う程度ですので、軽いことをいくつかやってます。

 見てもらえばわかりますので、どうぞご覧くださいませ。









エレキ三線・デモ

http://jp.youtube.com/watch?v=oMIxSfNBoUA



 もうちょっと複雑なことをやりたいのですが、スケールの問題とか、(となると弦が3本なのでいろいろとギターの移植には考えなきゃいけないことが生まれそう)あるので、今回は「ざっと」でお許しを(^^;

 コマのそばに写っているのが、圧電ブザーです。もとい、ピエゾピックアップです(笑)

 あんなもんでも、ちゃんと音を拾ってくれます。

 ただし、今回使った板張り三味線は、長唄など用のテトロン弦ですので、よくすべるし柔らかいし、エレキ向きです。


 通常の三線の沖縄三線弦でやると、もっとガサガサ・ガリガリすると思いますので注意!




2007年12月1日土曜日

【三線ism】 家元制度にふと思う



 さてみなさんこんにちは

 記事もすでに100を超え、たった一人ではじめてきた左大文字流も、いまや弟子3名を抱える大所帯です(どこが?)

 弟子入り志願された方と、ちゃんとお教えしますという約束を交わしたくらいで、まだきちんとした手順での手ほどきはできていませんが(だって、みんな関東とかなんだもん!!あと、約1名は「シャミレレじゃないと嫌だ」と言ってるし←某家元)

 とはいえ、私だって、い~っぱい伝えたいことがあるので、このインターネットなご時世を最大に生かして、なんとか教える方法を確立しようと日々研究しています。


 さて、みなさんいろんな意味で左大文字流に「衝撃」を受けて声をかけてくれているので、わたしも嬉しい限りです。伝統音楽にある意味反抗的な演奏法ですから、いろんな思いが聴く人にも私にも去来します。


 そんな伝統的三味線社会に背を向けた(笑)流派ですから、自分で言うのもなんですが「家元制度」にしっくりこない気がしています。

 ある技術を的確に伝えてゆく(ただしメンバーに対して)のが家元制度の最大のメリットですが、同時にそれゆえの閉鎖性もあるわけで・・・。

 わたしの目標は常に

 ポップ&チープ

 ですから、かしこまりたくない気持ちもたくさんあります。


 で、もうちょっと柔らかい言葉を考えました。

 私、本日より左大門時流宗家あらため「チーフディレクター」で(笑)

 映像関係では「ディレクター」という言葉に親しんでいるので、これも面白いかもしれません。左大門時流というアートを発信してゆく総監督をめざします!!


 私のイメージでは、旧来の「名取」「師範代」「師範」「宗家」みたいな完全縦型組織じゃなくて、もっと縦横広がりのあるシステムがいいな、と思うのです。


 例えば、指導者的なグループ「ディレクター」セクションが執行部役だとすると、実際に演奏法を指導するメンバーは「インストラクター」セクションになります。

 でも別に、インストラクターじゃなくても、コード弾きでいろんな演奏をする人がいても言い訳で、そうした人たちは「アーチスト」セクションでもあります。

 コード弾きを楽しみたい人にも、当然いろんなパターンがありますよね。

 弟子入りしたい!というありがたい人は当然私たちの「メンバー」です。でも、自分で弾いてみたいという気持ちも、大好きです。(だって私自身が、自分で勝手にやりたかった演奏法なのですから)

 そういう人が「僕は左大文字流をやってるんだ」と言ってもかまわないわけで、そうした人たちは「プレイヤー」セクションみたいな。

 別に流派の公認があろうがなかろうが、コードで弾ければそれでいいじゃん。それもポップだよね、というスタンス。


 こうした一連のイメージは、もちろん伝統音楽をやっている人たちの組織をベースにしつつ、現代の実態を踏まえて考えています。

 たとえば沖縄民謡をやっている人は、古典の人や民謡の人や、ポップスの人などいろいろいます。組織に属している人、ただ教室で習っている人、コンクールを目指す人、そうでない人、ひいては独学の人さまざまです。
 
 それらが渾然一体となって、沖縄三線の文化を支えているところが「私が三線が好きな理由」の大きな部分なのかもしれません。

 大きな意味でチャンプルーされている「三線文化」みたいなものを、三味線全部に置き換えたとき、左大文字流はひとつの媒体になれるのではないでしょうか?(がんばれば)

 「三味線文化そのものをチャンプルーして、長唄でも地唄でも民謡でも新内でも沖縄でもコードでも、なんでもいこうよ!!」みたいな文化ができれば、このすばらしい日本の楽器は、もっともっと輝くはずです。

 今日はちょっと語ってしまいましたm(_ _)m