2007年7月20日金曜日

【三線ism】 昔の人はえらいなあ! 三線と三味線の違い~音楽性からの分析~






 さてみなさんこんにちは

 本格的なシャミレレが完成して試しに弾いている時に気付いたことですが、沖縄三線のデザインを踏襲したシャミレレでは、あるコードが弾きづらいことがある、ということをちょっとだけ書きました。

 それは、沖縄三線の乳袋が長く(大きく)左人差し指で特定コードをセーハするときに力をかけづらい、という問題点なのですが、今回ふつうの長唄三味線を分解したりしているうちに、

「なるほど、三味線の進化はすごいなあ、形状の違いには意味があるんだなあ」

と実感することがありましたのでお知らせしたいと思います。

 図でも描きましたが、沖縄三線にくらべて、長唄(ほかのもですが)三味線の乳袋は半分ほどしかありません。これはデザインだけの問題ではなくて、きちんと演奏上の意味があると思われます。

 沖縄三線では開放弦である「工」から、音階的に次の音は「五」なのですが、ここは1音上がっているのです。しかし、本土の三味線では、和音階的に、開放弦の次の音は、半音上がっているのです。

 地唄の譜でいえば、開放弦が「1」で、次の音は半音上がった「2」ですね。

 このポジションを人差し指で押さえるのですが、沖縄三線では1音幅がありますから、細い棹をそのまま握って押さえることができます。しかし、半音だと、乳袋に当たって、握り径が大きくなるのです!

 そこで、本土の三味線は、乳袋を半分のサイズにして、半音上がって押さえるときも、棹をそのまま握れるように改変してある、というわけなのです。

 なるほどなあ、昔の人はちゃんと考えて形状を工夫していたのですね。「三線も三味線も似たようなもんじゃん!」とも思いますが、しっかり、それぞれの地域の音楽性に合わせて変化していますね!

 ちなみに、シャミレレでは、ポジション間がせまいので、乳袋も沖縄三線のサイズでは長すぎます。このあたりは、自作では本州の三味線と同じにしたほうがよいですね。


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