2007年12月13日木曜日

【三線ism】 一五一会について思うこと



 さてみなさんこんにちは

 先日、ある楽器屋さんで一五一会の入門テキストというのを見つけ、ぱらぱらと立ち読みしていました。

 え?今頃一五一会かい!と思われる方もあるでしょう(^^

 もちろん、発売当初からあの楽器については知っているし、実物を手にとったこともあるのですが、実際の演奏法については、あまり詳しくみていなかったのです。

 一五一会の特徴は「指一本でコードが弾ける」というところです。指一本ということは、弦をすべて指一本でセーハするということなのですが、この一五一会は三線・三味線とおなじチューニング原理です。

 公式ページを見ると、オリジナルの一五一会だけが棹の長さの関係で「CFCF」というチューニングをするようですね。

 みじかい奏生とかは、その分だけ高音域に移動するようです。

 さて、この一五一会のコード演奏なのですが、セーハが基本ですから、押さえるフレットを移動させてゆけば、自由にコードが設定でき、たしかに簡単にコードが押さえられます。

 これは、エレキ三線のデモでもやっているような「スモークインザウォーター」の弾き方とまったく同一で、言い換えれば、あれは

「一五一会流コード弾き」

ということになるでしょう。

 
 一五一会が「簡単であること」を大きな目標に掲げている一方、左大文字流は「簡単であること」にそれほど重点をおいていません。

 これは、私なりの信念があってのことなのですが、

「楽器は複雑であればあるほど、面白い」

という事実に基づいています。

 わたしのモットーである「チープ&ポップ」とは一見矛盾するようでもありますが、でも、楽器というものは複雑なほうが楽しいのです。



 オルガンよりも、ピアノのほうが面白い。

 リコーダーよりも、フルートやサックスのほうが面白い。



 これは、楽器を演奏する人なら、みなすぐにわかることです。

 つまり、複雑な楽器は、それだけ、一つの音階の音でも多彩な表現ができるからです。 

 吹奏楽器であれば、アンブシュア(唇の形や当て方)ひとつで音色がたくさん変化させられます。

 弦楽器では、左手の押さえ方だけでなく、ピッキングの方法でいろんな表現が可能です。


 前にも紹介しましたが、「ザフーン」という楽器があって、これはリコーダーと同じ構造でありながら、発音体はサックスとおなじリードを使います。

 最初口を当てても、全く音が出せない楽器ですが、だからこそ、音が出始めると本当にいろんな表現が可能になるのです。

 だから、「簡単である」だけじゃないアプローチも面白い、と思います。

 複雑だから、広がる表現があるし、押さえにくいからこそ、それを押さえたときに、目の前がひらけたようなひらめきがあるのです。

 つまり、みんな「Fコード」を押さえられるようになって、成長するってことですね(笑)


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