2015年12月29日火曜日

追悼 国本武春さま  ~三味線コード弾きの大先輩の死を悼む~

 さてみなさんこんにちは。


 私も訃報を先ほど知ったのですが、浪曲師の国本武春さんが、12月24日、55歳で永眠されたそうです。


(写真は、CD 国本武春 古典浪曲傑作集 より)



 浪曲、というジャンルは一般的ではないかもしれませんが、恐らくみなさんも、NHKの「にほんごであそぼ」に出演されていた時の、


「うなりやベベン」


のキャラクターは、ご存知、あるいは記憶にあるのではないかと思います。



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 さて、実はこの国本武春さん、私はお会いしたことはついになかったのですが、「三味線コード弾き」の大先輩でもありました。


 三味線でブルースを弾いたり、ロックを奏でたりする和洋折衷の演奏を早くから取り入れておられて、その中で「三味線でコードを弾く」という演奏も実践しておられた方でした。


 面白いのは、一般の方向けに「誰でもシャミーマン!」というワークショップを何度か開催されていて、バレーコードを中心とした三味線でのコード奏法を簡単に弾けるように伝授する、という活動もなさっていたことです。



 最近数年は、そうしたワークショップ活動も減っていましたから、ご体調の関係もあったのかもしれません。



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 国本武春さんの活動は、わたくし左大文字の活動にも多大な影響を与えています。


 まず、彼が実践なさった三味線コードは、基本的にはバレーコードの変形が多かったため、


おなじものでは彼のアイデアに失礼に当たると考え、私は国本流に迷惑がかからないように、全く新しいコードを一から書き出すことにした


のです。


 それが、現在の左大文字流のコード体系です。



 また、三味線という一般的には難解と思われる楽器を、ワークショップ活動を通じて、初心者の方にも楽しんでもらおう、ということができるんだと知ったのは、国本武春さんのおかげでした。



 いずれどこかでお会いしたいと思っていた方でしたので、とても残念で、また斬新な三味線弾きが1人亡くなった、ということがかなりショックです。



 国本さんのブルース三味線は、本当にカッコよかったし、音楽的にも新しい楽器の未来を切り開くものだったと思います。


 心からお悔やみを申し上げるとともに、ご冥福をお祈り申し上げます。












2015年12月2日水曜日

”ギターマダガスカル”と生活に根ざした楽器 カボシが欲しい?!

さてみなさんこんにちは。


 「ギターマダガスカル」
 http://www.guitarmadagascar.com/


という映画が現在金沢で上映中だそうなのですが、気になって仕方ありません!

(ていうか、大阪だと七藝でやってるようなマニアック映画です)


 どんなお話かというと、基本ドキュメンタリーで、アフリカのマダガスカルで暮らすミュージシャンの日常というか、生活というか、なんせ


 暮らしとともにある音楽


みたいなのを密着して取材した映画だそうです。



(写真は ギターマダガスカル 公式ページからの引用です)



 写真に写っている箱型ギターみたいな楽器、これはマダガスカル地方独自の楽器らしく


カボシ・カボサ


という不思議なギター! こういうのを手作りで作りながら、暮らしの中で音楽を弾くというのは素晴らしいなあ、と思います。



 民謡、という土着の音楽が土地に根ざしているのとはまたちょっと違った感覚ですね。


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 さて、このカボシとかカボサという楽器、調べてみると面白い!


 アフリカの楽器 さんのサイトより
 http://www.african-sq.co.jp/detail/gakki/index_gen.html



 もちろん形状から察するに、ギターからインスピレーションを得ていることは間違いなさそうですが、なんとフレットが途中で切ってあったり、コードが独自だったり、要するに現地の民俗音楽のテイストに合わせて西洋楽器が完全に改造されているもののようです。


 我らの三味線などは、フレットレスなので独自で自在なスケールが組めるのですが、西洋音楽とアフリカ音楽を接触させようとすると、こうしたアプローチができるんだ、と感嘆しますね。


↑リンク先に、詳しい説明があります。驚きです!



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 生活に根ざした音楽、手作りの楽器、誰もやっていない独自の演奏・・・。こうした要素は、実は、私の終生のテーマです。


 沖縄のカンカラ三線や薩摩地方のゴッタン、アメリカのシガーボックスギターなんかは、まさにその実例だし、そうした楽器から「シャミレレ」やら「どんぶらこ」やら「PocketRock」を作ってきたのは、自分なりの具現化でした。


 でもまだまだやれそうなこと、やってないことはたくさんあるなあ、と感じる今日この頃。


 精進いたします。