2007年7月24日火曜日

【三線ism】 左大文字流 入門⑤ 補足



 前回の補足です。

 きちんと理論を学びたい方はよく読んでくださいね!

 まず、前回便宜的に、三つのコードを紹介してそれぞれ C・G・Fと書きましたが、厳密には、違います。

 ギターやウクレレは、調弦の際、それぞれの弦をどの音にチューニングするかが決まっていますが、(これをいちおう「絶対チューニング」と呼ぶとします)三味線や三線は歌い手の音程に合わせて基本となる音をずらしてゆきます。その上で、決まった音程の調弦を施してゆくので(これを「相対チューニング」と呼びましょう)、ギターのように「これがCコード」というものは簡単には決められないのです。


 ですから、わたしが前回紹介したC・G・Fは一弦の基音を「G」にしたときの場合であって、基音が違えば、当然コード名も変わるわけです。


 さて、三線・三味線で基音がGというチューニングは、かなり変わったチューニングですよね。ふつうは長唄でも沖縄三線でも、「C」を基音に取る場合がほとんどではないでしょうか。

 実は、私も手持ちの三味線の大半が「C」を基音に「CFC」の本調子で調弦しています。

 すると、前回の押さえ方では、コードは実はそれぞれ「F C A#」だったということになるわけです。


 さて、ちょっと頭のいい方なら

「じゃあ、あんなややこしいことをしなくても、CFC本調子の場合での「C・G・F」のコードを書けばいいじゃないか」と思うかもしれません。

 しかし、このあたりから「左大文字流」の神髄に近くなってくるのですが、基音CでのC・G・Fコードを勉強するより、はるかにF・C・A#の先の3つのほうが使い勝手がいいのです。

 それは、沖縄民謡の勘所が、前回紹介した図でもわかるとおり、ほとんどあの範囲(棹の上のほう四分の1くらい)に収まっていることと関係があります。

 F・C・A#を中心に演奏すると、ものすごく旧来の三線音楽と親和性がよいことから、わたしはC・G・FをF・C・A#に移調して捉えているのです。(逆に、正しいC・G・Fを押さえると、三味線の棹の上のほうから下のほうまで、ダイナミックに大きく移動させなくてはならないのです)

 なぜ、そうなるのかは、いろんな曲を演奏していくとわかるのですが、この段階ではとりあえず、

「F・C・A#」

の押さえ方を、ギターやウクレレでの

「C・G・F」

の基本コードのように覚えておくとよいでしょう。


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