2007年6月15日金曜日

【三線ism】 手作り楽器 板張り三線(三味線)









さてみなさんこんにちは

 私が楽器を作るときは、ちょっとしたこだわりがあります。今回はそのお話をちょっと、ちょっと、ちょっと。

 写真は、沖縄三線サイズの板張り三味線と、シャミレレサイズのものなんですが、お気づきになりますでしょうか?

 そう、不思議な穴があいていますね。

(拡大のものは10年くらい前に作ったものなので、彫刻刀で開けられており、汚いですね・・・)

 これはギターでいうところのサウンドホールなのですが、大きな役割があります。

 まず、三味線を板張りにしているのは、皮張りの楽器は、太鼓などもそうですが、アタックが強く、余韻が伸びない傾向があります。猫皮三味線などはその典型で、「ペンペン」と表記されるように、最初の「ペン」の音だけ響いて、余韻が残らない音色なのです。

 そこで、張るのを板にしてやると、ギターなどでもわかるとおり、かなり余韻が残るようになります。
ところが、よく自分で板張り三味線を作っている人は、サウンドホールを開けないままにしているのですが、それでは胴の内部で音圧が逃げてくれないのです。

 せっかく響いた音を外に効率よく出してやるために、サウンドホールは必需品なのです。

 つぎに、この穴の位置ですが、ギターやウクレレと同じ位置では、三味線の場合問題があります。
 三味線弾きなら誰でもわかることですが、このネックと胴の付け根の部分は、撥を使うときに「たたく」位置なのです。つまり、打楽器としての性格を持つ三味線の場合は、このスペースに穴をあけることは、ちょっとまずい、そこで、サウンドホールを後ろにもってきている、ということです。


 このサウンドホールの形は、オリジナルですから、わたくし左大文字が作成した楽器には、かならずこの形が開いています。

 コメリのコンテストで、このデザインはとてもほめられて、うれしい限りです。

 いちおう名前がついており、

「フレアフラワー」

とわたしは呼んでいます。フレアは「太陽のフレア」などの炎がゆらめくようす、また、この形が花びらのようにも見えるので、フラワーなのです。

 左大文字山のかがり火に由来する、というのはこじつけで、本当は

 オベーションのアコギ(アコースティックギター)

を大学の時にはじめて衝撃を受け、「これを三味線のためになんとかデザインできないか」というところからデザインされたものです。

 オベーションのデザイナーも、すばらしいですね!



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