2007年6月22日金曜日

【三線ism】  左大文字流 入門② 弦長について理解しましょう



 さてみなさんこんにちは

 左大文字流 三味線演奏法 入門編の第2回は、この演奏法が生まれた最初のポイントについてまとめてみます。

 そもそも、私が習っていたのは地歌の三味線ですから、全長で1メートル以上あります。中国で生まれた三線はそれほど大きなサイズではないのですが、沖縄を経て本土に入るとかなり長いサイズになりました。

 棹が長くなると、左手の動きは大きくなりますが実はメリットも大きくなります。

 まず、ポジションが押さえやすくなり、多少押さえる位置がずれても音程が狂いにくくなります。

 次に、音そのものの余韻が長くなり、音がやわらかで美しくなります。
(ウクレレの音と、ギターの音の違いとまったくおなじですね)

 共鳴する木の大きさが物理的に大きくなるので、音量が上がります。

 しかし、現在の三味線のサイズで困ることがひとつだけあるのです。

 それは、コード演奏をしようと思っても、物理的にフレット間が(ポジション間が)長いので、近い音程しか押さえられない、ということです。

 ですから、三味線音楽は、ずっと単音中心で発展してきたのです。


 では、物理的に人がコードを押さえられる範囲はどれくらいなのでしょうか。

 コード演奏の雄、ギターでは

 レギュラースケールの弦長 647.7ミリ(ストラトキャスター)
 ミディアムスケールの弦長 628.65ミリ(レスポール)
 ショートスケールの弦長  609ミリ

 などとなっています。

 この600~650ミリが、左手がコードを押さえるのに広げられる限界なのでしょう。

(参考 一五一会は630ミリ 短い「奏生」は475ミリ)

 この弦長、短いのはウクレレやチャランゴなどいろいろあるのですが、私のシャミレレは、テナーウクレレの430ミリを採用しています。

 フレットのある楽器では、もっと短いスケールでも押さえられるのですが、フレットレスの楽器は、自分の指で正確にポジションを押さえないといけないので、あまり短いと音程がシビアになってしまうのです。

 さて、沖縄三線ではウマの位置によっても前後しますが、基本的に630ミリ前後を想定してもらえればよいです。つまり、ギターで言うとレスポールとおなじスケールなのです。

 「630ミリならば、コードで押さえられる!」

 これが左大文字流の原点なのです。

 従って、長唄などのいわゆるふつうの三味線を使っている人は、左大文字流で演奏する場合は

「カポタスト」

を使ってもらうことになります。三味線では正式には「枷紐(かせひも)」と言うそうです。
 
 枷紐については↓
 http://www.otowaya.com/q%20&%20a.html

 逆に言えば、左大文字流は、カポさえつければどんな三味線でも演奏可能な奏法なのです。


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