2009年5月31日日曜日

【三線ism】 中国人と日本人の発想の違い



さてみなさんこんにちは


 我が家に溢れる自作楽器たちを父親に「ガラクタ」とみなされた左大文字です(^^;


 先日よりハマっている秦琴にからんで、今日はこんな話題を。

 
 ある中国の楽器を復元なさっている製作者の方が、中国の現地の担当者と復元について打ち合わせをしていたときのことですが、壊れてしまっている楽器をみて、中国の方は

「これはここをこうしたほうが大きい音が出ていい」とか「こっちをこういじったほうがいいのでは?」
と言ったそうです。

 日本のその製作者の方は「ええ?それじゃもとの楽器の復元じゃないじゃん」と思われたそうなのですが、日本人は「とにかくもとの形に戻すこと」を第一に考えるそうですね。


 この逸話(うろ覚えなので、ニュアンスが違っていたらごめんなさいね)を読むと「復元」ということに対する両国の姿勢が違うんだなあ、ということが見えてきます。


 日本人はやっぱり「原型」とか「伝統」とか「昔の」とか、そういうベクトルが好きで、中国は逆のベクトルなのかもしれません。


 そんな中国の楽器に対する姿勢がよくわかる動画を、ピックアップしてみました。


 登場するのは秦琴の親戚である「阮」という楽器。中国では4、5種類のサイズの阮が作られていますが、主流は「中阮」です。





中阮

 中国っぽいと思わせて、・・・だんだん中東からアンダルシアっぽくなるのはなぜ?


 中阮協奏曲《雲南回憶》第三樂章:機械的快板

 これは完全に欧米か?! ・・・中国人にとって中阮=ギターみたいです(^^




彩虹(中阮 & 吉他)Cai Hong (Zhong Ruan & Guitar)


 ここまでいくと、ゴンチチをめざしてるとしか・・・(^^;



 つまり、中国人にとって、民族楽器を奏でるということは、伝統という後ろ向きのベクトルではなく、「現代」との融合という前向きのベクトルなんだということがよくわかります。

 日本人は、ギターには目がいくけれど、「三味線や琵琶」でギターの代用になるような改良は思いつかないわけです。

 中国人は「うちにはこの楽器があるじゃん!」と必要であれば阮をでっかくしたりできるわけで、見習うべきところがあるのかもしれませんねええ!



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