さてみなさんこんにちは。
ゴッタンの語源については、左大文字なりに「解決した」はずでしたが、なんということでしょう。悪魔の証明のように「古弾の存在がない、ことは証明しようがない」ということでしたが、
なななんと、その悪魔が復活したのでございます!!!
まさに謎が謎を呼ぶ展開ですが、真実はいつもひとつ!じっちゃんの名にかけて!が合言葉ですから、どんどん深みにハマってゆきましょう。
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/306305/
鳥集忠男さんが「ゴッタンは古弾である」説を唱えたのは、1987年のことだと西日本新聞は書いています。
ついでにウィキペディアでは
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B4%E3%83%83%E3%82%BF%E3%83%B3
「花和尚訪中記」での記述についても触れています。この文章が発表されたのが1987年なので、「古弾(グータン)」説はここから始まったと言ってよいでしょう。
(季刊南九州文化第31−33号に収録)
ところが、いつものように古い文献を調べていると、とんでもない記述が見つかりました。
それは、「東郷町郷土史」という鹿児島県東郷町で1969年に刊行された資料にかかれているのです。
(いまの薩摩川内市)
まずは、その生写真をみてみましょう。
■ ごふたん 板三味線 ごふたんさんせん 語源は南方系
いままでの発音では「ごくたん」「ごきたん」「こつた」などが登場しました。ゴッタンは、促音便形でしたが、「ごふたん」は、ウ音便に近い発音です。
旧かなづかいなので、発音を現代に直せば「ゴータン」ということになるでしょう。
恐ろしいのは、添え書きに「語源は南方系」とあることです。
南方が即、雲南省を示すわけでもないし、「ゴータン」が「グータンという同形状の楽器」を示すとは限りませんが
何かある、そこになんかある?
のは、じわじわと伝わってくるのではないでしょうか。
興味深いのは「ごふたんさんせん」とも書かれていることです。これだと、何度も検討してきた中国の少数民族の楽器が「三弦」であることと矛盾はしません。
サンセン系の楽器があり、その中で「ゴータン」な「サンセン」がある、というニュアンスで理解することができます。
ただし、これだけでは
■ 分類上「ゴータン」な「サンセン」が存在する
のか
■ 「ゴータン」という形容詞がつけられるような「サンセン」が存在する
のか
それ以外なのか、よくわからないことです。
しかし、鳥集説に遡ること18年前に「ごふたんは南方系のことば」と書いている辞書があることは注目に値します。
(もちろんそれが楽器を示すかどうかも、現段階ではわからないのですが、なにせ、ある三弦がゴータンなことは伝わります。なにがどうゴータンなのかはわかりませんが)
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さて、不思議なことに東郷町の方言辞書では、「ごくろし」系のコトバや「ごく」系の単語は収録されていませんでした。
また「たん」「たんこ」系の言葉もありません。
一点気になるのは
■ くいたん 背板・製材の際に出る用材にならぬ部分
という語があったことです。ネットでは
https://kagoshimaben-kentei.com/jaddo/%E3%81%8F%E3%81%84%E3%81%9F%E3%82%93/
「刳(く)り端(たん)」の転訛か?
とあり、端の意味が強めですが、「たんこ」系の言葉と関係があるのか、気になるところですね。
さて、何はともあれ、「南のほうに、ゴータン」があるらしいことがわかりました。
まるで西の方である天竺を目指す西遊記のようになってきましたが、南の方に一体何があるのか!ゴータンとは何なのか?
謎はまだまだ続くようです。
(つづく)
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