2008年5月6日火曜日

トンコリンの音


 今日は下コマをとりつけ、弦を張ってみました。全長が75センチ前後なので、三線弦を試しに張っています。北海道のトンコリは、もうすこし全長がながく1mくらいはあるので、おそらく三味線弦を張っていることだと思いますが、ボディが大きいので、弦もやや太目のものが合うと思います。

 さて、実際の音ですが、なかなか面白いことがわかりました。

 ボディは幅が狭いもののそこそこの長さがあるので、容積はけっこうあると思うのですが「鳴り」があまりよくありません。

 つまり、容積があれば箱共鳴が起こるわけではなく、音が大きくなりやすい形というものがあるわけです。予想からあまり大きな音がでない気がしていましたが、やはり音は小さめです。

 その代わり、ボディと棹の共振がとても大きく、楽器全体で音が共鳴しているようすがわかります。

 三線などでは、あまり棹まで振動を感じることはないのですが、このトンコリンは全体が振動します。
トンコリも構造上同じ演奏感だと思います。

 トンコリはもともとシャーマンの道具だったといいますが、そのころの名残を十分に感じることのできる楽器です。弦の振動は胴というより楽器全体を共鳴させるので、右手も左手も、触れている部分の体も全体で音を感じることができます。

 (その分エネルギーが分散しているので、音量が小さくなるわけですね)

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