私も訃報を先ほど知ったのですが、浪曲師の国本武春さんが、12月24日、55歳で永眠されたそうです。
(写真は、CD 国本武春 古典浪曲傑作集 より)
浪曲、というジャンルは一般的ではないかもしれませんが、恐らくみなさんも、NHKの「にほんごであそぼ」に出演されていた時の、
「うなりやベベン」
のキャラクターは、ご存知、あるいは記憶にあるのではないかと思います。
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さて、実はこの国本武春さん、私はお会いしたことはついになかったのですが、「三味線コード弾き」の大先輩でもありました。
三味線でブルースを弾いたり、ロックを奏でたりする和洋折衷の演奏を早くから取り入れておられて、その中で「三味線でコードを弾く」という演奏も実践しておられた方でした。
面白いのは、一般の方向けに「誰でもシャミーマン!」というワークショップを何度か開催されていて、バレーコードを中心とした三味線でのコード奏法を簡単に弾けるように伝授する、という活動もなさっていたことです。
最近数年は、そうしたワークショップ活動も減っていましたから、ご体調の関係もあったのかもしれません。
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国本武春さんの活動は、わたくし左大文字の活動にも多大な影響を与えています。
まず、彼が実践なさった三味線コードは、基本的にはバレーコードの変形が多かったため、
おなじものでは彼のアイデアに失礼に当たると考え、私は国本流に迷惑がかからないように、全く新しいコードを一から書き出すことにした
のです。
それが、現在の左大文字流のコード体系です。
また、三味線という一般的には難解と思われる楽器を、ワークショップ活動を通じて、初心者の方にも楽しんでもらおう、ということができるんだと知ったのは、国本武春さんのおかげでした。
いずれどこかでお会いしたいと思っていた方でしたので、とても残念で、また斬新な三味線弾きが1人亡くなった、ということがかなりショックです。
国本さんのブルース三味線は、本当にカッコよかったし、音楽的にも新しい楽器の未来を切り開くものだったと思います。
心からお悔やみを申し上げるとともに、ご冥福をお祈り申し上げます。