2013年12月25日水曜日

<プロジェクト>楽器をコンピュータに見立ててみる

さてみなさんこんにちは

私は常々、三線・三味線コード弾きの活動を通じて、楽器をコンピュータのように見立てながら考えるようにしています。

楽器というものは面白いもので、そのハードウエアに対して、「どのように演奏するか・何を演奏するか」というソフトウエアの部分を自由自在に設定することができます。

たとえばギターなんかだと、オーソドックスなチューニングからオープンチューニングなどの変則的なチューニングまで、いろいろな調弦の仕方ができます。

そして、その調弦の仕方によって、演奏できる曲のジャンルが大きく変わってしまったりするのです。

これは、おなじコンピュータに別のOSを載せて走らせることにとても似ています。



また、ギター、ウクレレ、バイオリン、ピアノなどまったく別構造の楽器で、「おなじ曲・おなじメロディ」を弾けたりするんだけれども、その演奏方法は全く違う、ということも起こります。

こちらは、コンピュータで言うところの同じタイトル・内容のソフトウエアを移植することに似ています。


そういうわけで、おなじ三線や三味線という楽器を使ってはいるものの、片や伝統的な民謡や、古典的な音楽を演奏したり、片や現代的なポップスを演奏したり、と使い分けができるのです。

三線コード奏法は、いわば、おなじ三線・三味線というハードウエアを使いながら、中で走らせているOSが全く異なる、という作業をやっていると思えばわかりやすいでしょうか?


コンピュータの世界においては、windowsが使い易いとかandroidがいいとか、iosが最高とか、いろんな評価がなされ、またたくさんのosが登場してきました。

三味線を演奏なさっている方はよく知っておられることですが、実は三味線というのはジャンルによって楽譜も勘所の表記も弾き方も全く異なり、意外に互換性がありません。

僕は地唄三味線からスタートしたので、津軽三味線の弾き方はできませんし、当然長唄や義太夫も弾けません。

共通項があるので、見よう見まねで真似事くらいはできるかもしれませんが、それは「おなじキーボードがついているので、パソコンをやっている人が、タイプライタをなんとなく打てる」くらいのものです。

もちろん、左大文字流の三線・三味線コード奏法は伝統的な演奏法とは全く異なりますから、三味線や三線のプロでもすぐには弾けません。

いわば、異なるOSが走っている状態である、ということができます。


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さて、Forestarという新しい楽器を作るときに、どんなOSを走らせるか、ということには頭を悩ませました。

わかり易く言えば、新しい弦楽器が生まれたとして「ギターとおんなじチューニングだよ」とか「ウクレレとおなじ調弦だよ」と仮に設定すれば、それはギターやウクレレのOSを載せていることになりますね。

ヤイリさんの「一五一会」という楽器は、このチューニングの問題を「三線の本調子」の応用で設定しました。三線がCFCの調弦だとすれば、四弦になってもCFCFという三線のチューニングを変形させて使ったわけです。


Forestarは、またのちほど詳しく説明しますが、2弦の楽器です。そこで2弦のチューニングとして最適なものを模索することになるわけですが、結果として私も「三線・三味線の本調子」に準じたチューニングを採用することになりました。

このあたりの経緯は、別にお話することにします。





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