2013年12月23日月曜日

<プロジェクト>誰にでも弾ける弦楽器って?!

さてみなさんこんにちは


前回までは新楽器Forestarに至る「製造上のポイント」を中心に書いてきましたが、今回は演奏サイドから考えます。


これまで兵庫県内の公的施設や公園で、合計300棹近くの「楽器製作イベント・企画」を実施してきたわけですが、ほんとうに小さい小学校低学年の方から、80歳近いおじいちゃんまで、多様な方に「製作」そして「演奏」を楽しんでもらったわけです。

そんな中で、やはり三味線経験者やギター経験者の方は、楽器を作って「いざ演奏」の段になっても、かなり上達や飲み込みが早いのですが、まったく弦楽器に触れたことがない、という人にとっては、いろんなハードルがあるんだなあ、ということが実感できるようになってきました。


たとえば、

「糸巻きの巻く方向がわからない」とか、「チューニングの仕方がわからない」とか、「指で弦をはじくコツがわからない」とか、「構え方がすぐに乱れてしまう」とか・・・。

それはもう、いろんなポイントが「わからない」わけです。


もちろん、誰でも最初は初心者ですから、私だって「わからなかった」時代があるわけで、そこは講座では、しっかり丁寧一から順番にレクチャーするわけなんだけれど、

「あれ?まてよ?」

と思うことも多いのです。


「みんながわからなかったり、困ったりしていることは、実は『楽器のハードウエアに問題があるから』ってことも多いのではないかな」


ふと、そんな風に思うと、なるほど確かに楽器に起因するトラブルもたくさんあることに気付きました。


私は三味線・三線プレイヤーですから、いちおう曲がりなりにも「伝統的楽器」を扱っていたわけで、基本的には古来より受け継がれてきたことを尊重しながら楽器を取り扱ってきています。


たとえばハードウエアにおいては、いくら手作り三味線・三線が簡略化されているとはいえ、


①糸蔵と摩擦式糸巻きを備えた構造

②上コマと可動式下コマ

③本物同様の弦の結び方をする根緒


など、基本的な作りは伝統的なものを踏襲しているわけで、逆に言えばまったく知らない人に、伝統的奏法を押し付けていることにもなるわけです。


そこで、ここらで一旦、「三味線なるもの」の意識から離れて、真の意味で

「弾く人にとっても、誰にでもわかりやすい楽器とは何か?!」

という問いを自分に投げかけてみることにしたわけです。



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