新楽器、と銘打っていますが、PocketRockは当「左大文字工房」ではおなじみの楽器たちとおなじ演奏システムを採用しています。
そう。元をただせば、「どんぶらこ」という子供用2弦楽器がルーツで、名前の由来からわかるとおり、楽器の構造は
ドンブラ
というカザフスタンの2弦楽器が元になっています。
ところが、このドンブラの演奏方法は、日本にはほとんど入ってきていません。モンゴル出身の方で、ドンブラを演奏なさる方が若干国内にもいらっしゃるそうですが、それはモンゴルの音楽をモンゴルの方が奏でる、ということなので、日本でのドンブラ普及率は完全にゼロといっても過言ではないと思います。
というわけで、「どんぶらこ」という子供用2弦楽器が出来上がったものの、その演奏方法は、どうしてもオリジナルになりました。
つまり、調弦から弾き方に至るまで、完全に自由に決めることができた、というわけです。
そこで、どんぶらこで採用したのは「左大文字流三線・三味線コード奏法」のシステムでした。
そう!三味線の調弦と、三味線・三線の弾き方をベースに設定したわけです。どんぶらこの調弦は、三味線や三線の本調子に準じています。
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という流れもあって、PocketRockはそのアメリカンなネーミングとは裏腹に、実は三味線のシステムが内臓されています(笑)
それは全て、設計者が三味線弾きだからに他なりません。(まあ、ギターもウクレレもキーボードも弾くんだけど)
調弦は、太いほうの弦がド 細いほうの弦がソになっています。
以下は、楽器の棹部分の写真です。
まず、楽器のノーマルな状態は、下のほうだと思ってください。
PocketRockはノンフレットで、ポジションの印も何もないスラっとした棹だけが伸びています。
バイオリニスト、三味線ニストの方は、この状態ですぐ演奏できると思います。
バイオリンも三味線・三線もノンフレットで、かつポジションをつけない楽器です。体に音階が叩き込まれているはずなので、この状態ですぐ弾けます。
ギタリストとウクレレリストの人は、フレットなし・かつポジションシールなしだと極度に弾けなくなるかもしれません。
あるいは、小さなお子さんが弾く場合にも、なんらかのポジションのしるしが必要になるでしょう。
その場合は、付属のポジション位置を示した紙を貼ってください。
細い弦 ソラシドレミファソ
太い弦 ドレミファソ
というポジションがわかる譜尺になっています。該当の音階のところを押さえれば、ほぼ正確な音が鳴ります。
演奏者の習熟度やお好みで、どちらの状態で弾いてもらってもかまいません。まあ、でも最初は楽器になれるためにも譜尺を張ったほうがわかりやすいかな?
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☆譜尺シール方式になっているのには理由があります。ポジションを書くだけで実際にフレットを打たないと
① 半音を無視した、ドレミファ音階だけで弾こうとする場合
② 半音も入れて、全12半音階で弾こうとする場合
のどちらにも対応することができるので、こどもから大人まで楽しむことができます。
市販の入門系弦楽器の中には、ドレミファ音階に沿ったフレットが打ってあるものがありますが、それだと半音が使いたい時にまったく使えなくなってしまいます。
フレットなしのほうが一見不親切のように見えますが、徐々にそのよさがわかってくるはずです。
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