2008年6月30日月曜日

【三線ism】 邦楽ジャーナル7月号&左大文字流1周年!








さてみなさんこんにちは。

 明日付けで発売の「邦楽ジャーナル7月号」ですが、定期購読の方はすでにお手元に届いているようですね(^^

 すでに何度かブログでも書いていますが、当左大文字流(コード弾き)&手作り三味線講座の記事が載ってますのでまずはご紹介!

 「アマチュアが変える三味線の世界」という特集のトップバッターで載せていただき、ほんとうに嬉しい気持ちです!

 記事の内容は、兵庫県立丹波並木道中央公園での三味線講座の話や、シャミレレ、コード弾きなど私の活動についてみっちりと!

 権威ある雑誌で紹介されて、心より喜んでおります(^^

 邦楽人口が少ないので、どこの本屋さんでも売っているわけではありませんが、全国で取り扱い店がたくさんありますので、ぜひこれを機会にご一読ください。

 邦楽ジャーナル7月号 目次
 http://www.hogaku.com/bn/index0807.html
 
 取扱店舗一覧
 http://www.hogaku.com/shop.html


 さて、話は変わって、実は左大文字流は6月で公開1周年を迎えました!(^0^

 このブログの最初の記事が去年の6月ですから、あっという間ですね。自分でも「こんなもんが受け入れられるのだろうか」と半信半疑で公開したコード弾きですが、意外なことにたくさんの人に渇望されて現在に至っています。というより、これからもどんどん広まりそうな勢いです(^^

 テキストもいろんなところへお嫁に行っていますので、ちょっとでも興味のある方は乗り遅れないうちに、お早めにどうぞ!(笑)


 というわけで、雑誌掲載記念&1周年記念でなんかちょっとした企画を考えようと思っています。

 今後とも左大文字流をよろしくお願いします!


2008年6月29日日曜日

【三線ism】 琉球ワールドに行ってきました









さてみなさんこんにちは

 今日は神戸の新長田にある「琉球ワールド」さんへいってきました(^^
特に何かがほしいわけではなかったのですが、お出かけがてらに・・・。


 「琉球ワールド」
  http://www.kobe-town.com/review/kb135094

  http://www.okinawa-takarajima.com/shop/world.html

 お店は、沖縄の物産が(特に食べ物なんかは)かなりの数が揃っていて、「これは沖縄でお土産買わんでもすむのではないか?!」くらいの勢いでした(笑)
 今日は三線関係のイベントをやっていたらしく、サークルのみなさんがステージで三線の発表会みたいなことをやってました’(^^

 お土産がわりに「タコライス」の素とかいろいろ買ったのですが、わたしのお気に入りはもちろん、

「ルートビア」

です(^^

沖縄に行ったらA&Wに行くのを欠かさない左大文字としては、絶対に外せない沖縄ドリンクがルートビアなのです。ちまたでは「飲むサロンパス」だのいろいろ言われているマ●ジュースの王様ですが、私にとっては最高のドリンクです。

 沖縄では地元のスーパーにまで寄って買ってしまうルートビアですから、神戸で買えるのはうれしい限りです。



2008年6月28日土曜日

【三線キットマニアックス】  屋良三線屋さんのウッド三線










 今回は屋良三線さんのウッド三線です。沖縄で「ウッド三線」という名前で売られている楽器は、多くが沖学さんの改良・改造版なのですが、ここのはオリジナルみたいです。


屋良三線さん(画像は屋良三線さんのページから)
http://www.k3.dion.ne.jp/~yara34ya/index2f1.html
http://www.k3.dion.ne.jp/~yara34ya/index1f1.html#uddosanshintokutyou

 構造的な特徴は裏板がついていて、裏にサウンドホールが開いていることですね。また、胴がかなり丸っこい形をしています。

 裏板のあるなしのどちらがいいのかは議論があります。たとえば民謡酒場などでの三線は皮張りであっても裏皮を切り取ってしまったりします。これはエレキピックアップをつけた際のハウリング防止であったり、こちらのほうが音の抜けがいいという意見もあります。

 板張りだと、皮よりも振動が少なくなりますから、音の減衰を考えたときに裏板があったほうがいいのかないほうがいいのか難しいところです。

 サウンドホールをうしろに持ってくるのもアイデアとしては面白いと思います


2008年6月27日金曜日

【三線ism】 かわいい三線できました(^^










 さてみなさんこんにちは

 今日は、公園で軽く打ち合わせをしたのですが、シャミレレサイズの三線キット(組み立て済み)ができていたので紹介しておきます!

 丹波並木道中央公園の講座用の楽器は、私が図面を描いて公園にお渡ししており、それと現物を参考にしながら公園スタッフのI瀬さんという方がお一人で製作なさっています。

 参加する人がなるべく作り易いように、という配慮で板材からキット化まで仕上げておられるので、私の作品とはちょっと違う部分も出てくるのですが、基本的には改良や改変の場合には私も確認しながら準備をしています。

 というわけで7月21日と8月24日に実施するワークショップでの「シャミレレ」を初公開!
 ・・・といっても、わたしも今日はじめて見たのですが(笑)

 いつもどおり、ひのきの一枚板を贅沢に使った仕様です。I瀬さんデザインの月と太陽のサウンドホールがとてもかわいらしい一品です(^^

 まだ弦を張っていませんが、そのうち公園に出向いて弦張ります(笑)

 いつものように次回のポスターも貼っておきます。



2008年6月26日木曜日

【三線ism】 再発見された沖縄 宮沢和史と上々颱風を通して




 さてみなさんこんにちは

 今日は、仕事中に車で流していて、FMラジオを珍しくつけていたのですが、「宮沢和史」さんのインタビューをやっていました。宮沢さんといえば、あの「THE BOOM」の宮沢さんですね(^^

 われわれ三線ニストには、いろんな意味で「島唄」という楽曲は外せないのですが、宮沢さんは、沖縄音楽にインスパイアされたいろんな音楽を製作なさっています。最近はブラジル音楽にも興味をもっておられるようで、GANGA ZUMBAというバンドで活躍されています。

 島唄のヒットで、BOOMと宮沢さんは沖縄出身者との誤解のようなものも多々あるらしいのですが、本人は山梨県出身です(^^;

 沖縄音楽について考えるとき、「島唄」はいろんな問題を提起している楽曲でもあります。
 ひとつは、沖縄県人ではない作曲者から発信された沖縄音楽のあり方についての議論でした。沖縄音楽は懐が深いので、「島唄」はけして排斥されることなく、むしろ歓迎をもって受け入れられたのですが、それでも、島唄のヒットは、「沖縄音楽のアイデンティティ」について、いろんな議論を生んだことは確かです。
 もうひとつは、「島唄」という名詞が、実は奄美民謡に対しての呼称だったのに、BOOMの楽曲によって、沖縄民謡全体を「島唄」と呼ぶような誤解が生じてしまった点です。この問題については、実は解決しておらず、いまだに私たちは一般名詞としての「島唄=沖縄地方の民謡」というイメージを持ってしまっているのです。奄美の人は、いろんな想いがあると思いますが、基本的に沖縄の人も奄美の人も、心が豊かなので、そのことをもって目くじらをたてて「糾弾」しようとするようなことはまったくないです。
 両者に通じることですが、やっぱり沖縄・奄美の人々のおおらかさや心の豊かさを感じずにはいられないエピソードですね。

 
 さて、上記のように「島唄」は、ある時期沖縄音楽ブームの中心となったのですが、このころもう一組、沖縄音楽を再発見したバンドがありました。それが「上々颱風」です。


 ちなみに私は、本州サイドからみた沖縄音楽史を大きく3つに分けて概観しています。

 第一次沖縄音楽ブームは、喜納昌吉さんや知名定男さん・ネーネーズなどの本土復帰を中心とした時代です。
 第二次沖縄音楽ブームは、1991ごろからの「THE BOOM」「上々颱風」をはじめとした県外者による「沖縄音楽の発見」の時代だと思います。
 そして、第三次沖縄音楽ブームは、BIGINや夏川りみさんなどの近年ですね。

 第一次を沖縄民謡を源流とした「沖縄歌謡」の時代と見ることもできます。第二次は、「沖縄音楽を外部から再発見した時代」でもあります。そして、第三次は、「沖縄発の音楽と全日本的規模なポップスが完全に融合した時代」ともいえるでしょう。



 さて、話を上々颱風に戻しましょう。コード弾きの問い合わせで「上々颱風をやりたいんです!」というメッセージがあり、すごく懐かしい気持ちがしました。「そういえば上々颱風よかったなあ」というそれこそ高校時代の思い出です(^^

 上々颱風はまだまだ今でも活躍なされているのですが、航空会社のCMタイアップ曲「愛よりも青い海」が大ヒットしたので、どうしてもその頃の印象が強いバンドです。

 「愛よりも青い海」は、全然沖縄音楽ではないのですが、航空会社の沖縄キャンペーン曲だったために強烈に「沖縄的」な印象がついてしまった楽曲でもあります。もちろん、そうなるには当然の下地というものがあります。

 まず、上々颱風は、バンジョーに三味線弦を張った紅龍さんの「三弦」という楽器を中心に構成されたバンドであること。そして、上々颱風の楽曲は沖縄やアジアをはじめとした「民族音楽」というベースをしっかりともって製作されていることがあるでしょう。

 その意味では、THE BOOM同様、民族的な要素を大切にしたバンドで、そうした人たちがまっさきに、もっとも身近な外界(外国ではないけれど、きっと異文化であるには違いない場所)である「沖縄」を問い直そうとしたのは当然のことだったかもしれません。

 第一次沖縄音楽ブームでは、沖縄側からの文化の発信でしたが、第二次沖縄音楽ブームは本州側からの返信だったのかもしれません。

 第三次以降、音楽を通しての沖縄と本州の交流はずいぶんと深まったような気がします。もう、民謡もロックもポップスもバラードも、すべていい意味で「チャンプルー」されてしまい、沖縄県人からの発信でもいいし、県外の人がそれをやってもおかしくない機運になっていると思います。
 なんといっても、黒人の人が演歌を歌っても大丈夫な時代なのですから(^^まさしく音楽はボーダーレスであると思います。

 左大文字流は、そういう時代だからこそ、みなさんに興味をもってもらえているのではないでしょうか。まったく同じコトを15年前に発表しても、これほどまでに反響はなかったと思います。
 時代が、文化が新しい音楽を作ってゆく一助となれば、うれしい限りです。


2008年6月24日火曜日

【三線ism】 ニ胡も作ります(^^









 さてみなさんこんにちは

 ちまたでは三線・三味線マニアだと思われている左大文字ですが、ほんとは違います。弦楽器マニアなのです(笑)

 というわけで、ずいぶん昔に作った「二胡」を公開。これも三味線たちに囲まれて転がっています。製作したのは、もう7、8年昔になるかもしれませんが、いまでも立派に鳴りまくります。

 当時は、まだラワン材がたくさん入りましたので、棹と胴はラワン製です。皮はそこらへんにあった壊れた三味線の皮から移植しましたので、「犬皮」だと思います。蛇皮は堅いのでジャッキがないと扱いにくいのですが、犬とか猫の皮は、簡単な装置でもかなりちゃんと張れます。

 弓も自作したのですが、馬の毛が手にはいらないので、極細のテグス(つり糸)をものすごい数で束にして張っています。

 弦はスチールなので、ギター弦の径を吟味して選びました。

 残念ながら二胡は、ちょっとかじっただけであまり上達していませんが、面白い楽器です。



2008年6月23日月曜日

【三線伊sm】 いつものごとくyoutubeで ハナミズキ



さてみなさんこんばんは



 ハナミズキ 三線弾き語り



 よく聞けばわかりますが、チューニングを変えてます。いろんな曲をやろうとするとだんだん声のキーと三線の音が合わなくなってきて、いろんな高さで調弦してやらないといけなくなるのですが、こういうときに

「相対コード」

は便利です(^^

 調弦変えるだけで、弾き方はまったく同じですから(笑)

 ギターならカポですけどね。

2008年6月20日金曜日

【三線ism】 「沖縄三線で楽しむコード弾き入門」テキスト





 さてみなさんこんにちは

 好評をいただいている「三線・三味線コード弾きテキスト」の内容をかなりいじくった新版「沖縄三線で楽しむコード弾き入門」というテキスト第2弾を書き上げました。

 前のテキストは三味線を触ったことがなく、コード弾きから入りたいという人を想定して書いていたのですが、今回のは「ふだん三線を弾いている」人向けに書き直したものです。

 ですから、三味線楽器の入門編みたいなところはすっとばして、いきなり三線でコードを弾けるようになっています。単音弾きの演習は全編カットになってます(笑)

 付録部分が豪華になっていて、相対コードの表と絶対コードの表が両方ともついています。ドレミとの対応表とか細かな部分でも手助けになるようなデータを載せましたので、「三線弾き」さんには便利かと・・・。

 逆に、超初心者さんには、不向きな内容になってますので、「三味線弾き」の方と「初心者の方」は旧来のテキストをご利用ください。

 お願いしている手数料は、前とおなじ1000円です。PDF配布を基本にしていますが、実物の郵送にも引き続き対応します。





2008年6月19日木曜日

【三線ism】 ウクレレマガジン2 出ましたね!



 さてみなさんこんにちは

 リットー・ミュージックさんから「ウクレレマガジンvol.2」が発売されました。前回も紹介したのですが、vol.1から1年経っての「2」の発売です(^^

 このブログではほとんどウクレレについては触れる機会がないのですが、シャミレレの設計などウクレレにもかなり影響を受けている左大文字です。

 特に、民族楽器としての側面や、ワールドワイドな展開などは三線にも通じるところがたくさんあるので、ウクレレの勉強は楽しいです!

 ギターの世界では、すでにオーソドックスなデザインの楽器が飽きられており、いろんな新しいバリエーションが出てきていますが、ウクレレも同様ですね。
 今回のウクレレマガジン2では「ソリッドボディ」のウクレレとかオールエレキのウクレレなども紹介されています。

 三線や三味線も「ソリッド三線」とか出てきたらきっと買ってしまうと思います。その前に作ってしまうかも(笑)

 とりあえず、夢はジェイク・シマブクロさんにシャミレレを弾いてもらうこと!なんて(笑)

2008年6月18日水曜日

【三線キットマニアックス】  カンカラ三線製作体験








 沖縄の「むら咲むら」さんではカンカラ三線の製作体験をやっているそうです。価格は4000円。ほとんどカンカラ三線本体だけの価格ですね(^^

 むら咲むらでのカンカラ三線体験案内 
 http://www.oka-ch.com/hotel/index.php?optour_code=OK183

 上のリンクでは動画での案内も載っています。あ~これならできそう!とか参考になさるとよいと思います!

 (画像は、沖縄旅行Chさんからです)

 三線キットを買うだけでは、組み付け方のコツや弾きかたの最初の部分などがわかりませんので、こうした体験講座を利用するのもよいと思います。

 一度なじんだら、あとは独学でもけっこう弾けるようになるのが三線のよいところです(^^



2008年6月16日月曜日

【三線ism】 ヤバフォが!難波で!



 さてみなさんこんにちは

 昨日の日曜日は大阪方面へいろいろと足を運んでおりました。

 まず最初は、うちの奥さんが服を見たいというので、天王寺の某しょこたんがよく着てるブランドのショップへつれていかれました。奥さんの場合は、店頭に並ぶ前にだいたいカタログをチェックしたり先行予約をしているらしいので、店に行っても「まあ、こんなもんやな」と納得して帰るだけだったりします(^^;

 で、昼食は難波にあるエル・トリートというメキシコ料理店へ!ついこのあいだまで、系列店が神戸北にもあったのですが、なくなってしまったので、泣く泣くなんばまで行った次第です。(あとは関東にしかありません)

 スパイシーでめちゃくちゃおいしいのですが、なぜかあまり有名でないので残念なお店です。難波店は、あの

「ヤバフォ」

で有名ななんばヒップスの9階にあります。

 そのヤバフォなんですが、私と奥さんがナンバについて

「おーヤバフォうごいとるやんけ」

と見上げつつ、「キャー!!」みたいな絶叫とともに上空から落ちてきてたのですが・・・。

 そのままなんばヒップスに入って食事している間に大事故があったらしく(☆_☆;

エル・トリートのある9階から降りてくる間に運行停止になったようです!

 なんでも、ヤバフォ本体のカバーが落下してビル内や下の御堂筋に破片が散乱したとかで、のんびり見上げている場合じゃなかったようです。

 ケガ人などは出なかったそうで、よかったです。


 さて、そんな事故のことはよくわからんまま「なんか止まったらしいな~」といいながら、JR野田方面へ。

 ここには前から覗いてみたかった大阪では有名な三線店「佐々忠」さんがあるのです。店のおばちゃんとなんか知らんけどうちの奥さんが打ち解けて、私はそっちのけで三線撥(つめ)を選んでおりました。

 奥さんはめっちゃ手に合う撥を見つけて大満足でした(笑)

 佐々忠さんには面白い三線がいくつかありました。ポリカーボネート三線とか、邦楽の三味線と三線が合体したような「紅木三線」とか。

 また覗きに行きたい店です(^^


2008年6月12日木曜日

【三線ism】 三味線をめぐる雑学



さてみなさんこんにちは

 とりあえず、こと三味線や三線にかかわることなら貪欲に吸収してしまいたい左大文字ですが、今日は三味線にまつわるいろんな雑学を。

<三味線と琵琶のちがい>

 世界の楽器というのは、共通の祖先をもつことが多いのですが、私たちの三味線や三線も「和楽器」とはいいながら世界の楽器とつながっています。
 直接的には、三味線は三線がお兄さんで、三線は中国の三弦(サムシェン)という楽器がお兄さんにあたります。

 きっとシルクロードなんかを通ってアジア・ヨーロッパの楽器はどこかで繋がってゆくのでしょうが、国際的には三味線類は「リュート属」に属することになっています。
 
 日本には、三味線のほかにもリュート属に属する楽器があって、それは「琵琶」です。この琵琶は、ヨーロッパでギターなんかのご先祖になった「リュート」の派生楽器です。サウンドホールがギターみたいに真ん中に開いてると「リュート」っぽくなり、バイオリンみたいに両サイドにあいてると「琵琶」っぽくなりますが、構造はとても似た楽器です。中国にも琵琶はあります(^^

 で、遠いご先祖はおんなじかもしれない三味線と琵琶なのですが、構造的には、琵琶はネックと胴が近くて繋がっている、三味線はネックと胴が離れている(棹が長い)という違いがあるそうです。

 この分類をもとにすると、ギターはネックと胴が離れているので「三味線」と親類になるそうです。
馬頭琴なんかも、ネックと胴が離れてますなあ。


<インドのシタールと三味線のそこはかとない関係>

 インド音楽といえば、どこからともなく聞こえてくるあの「シタール」の音色ですね。びよよん、を多重録音したみたいな不思議な音のシタールですが、あの楽器は三味線と深い関係があるそうです。

 現代のシタールは19弦とがかなりたくさんの弦を張ります。おまけにその中には弾かない弦(副弦・共鳴弦)なんかもありますので、複雑な楽器なのですが、その語源は、なんと三絃だそうです。

 もともとシタールの語源は「セタール」というペルシャがどっかの楽器なのだそうですが、このセタールの意味はセ(3)・タール(弦)なのだそうです。

 ペルシャのセタール、中国の三弦(サムシェン)、琉球の三線、日本の三味線、とシルクロードがつながった感じですね。

 ちなみに、シルクロードの終着点というのは日本なのだとか(^^ 正倉院にペルシャからのものと思われる琵琶が収められているのは有名なお話。


<工工四の正体>

 三線弾きなら言わずと知れた「工工四」ですが、実は大半の人はその正体をよく知らないまま、そんなもんかと思いながら弾いていると思います。
 「琉球王国だから中国の楽譜なんだろう」ぐらいに思ってしまうのですが、実は

 『江戸時代のそこらへんのアマチュアミュージシャンは、みんな工工四が読めた』
とか
『工工四が演歌を生んだ』
とか
聞くとびっくり仰天してしまうのではないでしょうか(おおげさですが(^^;)

 工工四は沖縄で体系が完成されたものですが、もともとは「工尺譜(こうせきふ)」という中国の楽譜です。明治期に西洋音楽が入ってきて、抹殺されてしまいましたが、それまでは日本国内どこでもこの「工尺譜」がメジャーでしたから、おおげさながら日本人はみんな「工工四が読めた」と言えるわけです。

 これも裏事情がたくさんあって、江戸時代は身分制度ですから、身分によって演奏できる音楽とかできない音楽とか縛りがたくさんあるわけです。ところが、中国から明楽とか清楽という新しい音楽が入ってきて、身分にしばられず誰もが楽しめるようになったとのこと。

 つまりは、現代風に言えば、洋楽とかロックが入ってきて、庶民が夢中になったというわけです。

 この明清楽の楽譜が「工尺譜」でしたから、月琴とか三絃とかチャルメラとか胡弓なんかをみなさん「工尺譜」で楽しんだというわけ。

 おまけに、明治に入って自由民権運動の活動家たちが演説しながら月琴を弾きまくるという「演(説)歌」をはじめますから、あなどれません。
 
 しっかし、明治の音楽教育はいきなり「西洋音階ばんざい!」だし、君が代のメロディを外国の人に依頼したりするし(実際には日本人が作曲しましたが)、よほどの西洋かぶれだったのですね。

 現代の邦楽の衰退も、実は明治政府のしわざといえるかもしれませんね。


2008年6月11日水曜日

【三線ism】 ひのきはグーッ!!




 さてみなさんこんにちは

 しばらく鳴りをひそめていた間に、作っていました(^^、ひのき三味線の三線バージョン。

 公園の講座では、午前中2時間ぐらいで作る内容なのですが、私の場合は、仕事帰りに工房でちょこちょこ作るので時間がかかりました。

 っていうか、ほとんどおなじヒノキの素材で実はもう一本作っていたので、倍時間がかかったというのもあるのですが(笑)

 さて、ひのき三線をあらためてレビューです。
 公園で作るときは、参加者のみなさんと手取り足とりで製作するのですが、実は公園バージョンのひのき三線を一本も持っていなかったのです。実際、じっくり触ってみると


・・・すごいいいじゃん!

という感想です(^^

 三線とも三味線とも違う、ここちよい甲高さと余韻が含まれていて、これは他の三線や三味線にはない味わいですね。三味線と三線とギターを足して3で割ったような感じです。

 もう一本作っていたのは、比較のためで、棹や胴はおなじひのきなのですが、表板・裏板だけをシナベニヤにしたタイプです。これもたいへんいい音なのですが、比較するとシナベニヤバージョンは若干音がこもったように聞こえます。

 音の抜けは、ひのきの一枚板のほうがはるかにいいようです。

 先日、邦楽ジャーナルの田中編集長に試しに爪弾いてもらったときに、音のよさをほめてもらったのですが、こうしてじっくりチェックすると確かにいい音です。


 残念なことにこの「ひのき一枚板三味線」は売ってません!売れません!

 ・・・シナベニヤバージョンは売れます・作れます!(爆)

 ひのき一枚板バージョンがほしい方は、公園の講座へご来場ください、としか言えません。

 私もあまり材料をわけてもらえないのです(^^;希少価値希少価値!

2008年6月8日日曜日

【三線キットマニアックス】 三線キットに魅せられた人々⑧  AI-factoryさんの沖学三線キット



 今回は女性のレポートです(^^

 沖学三線は、工作レベルが簡単なので、誰でも手軽に挑戦することができるのがいいところ

 

 <AI-factoryさんのブログより>
 http://blogs.yahoo.co.jp/aiai41412006/16317513.html


 ばっちり塗装なさってますね。黒なのか茶なのか写真ではよくわかりませんが、本物の三線に影響されてしまうので、多くの人は、棹を黒に塗りたくなるようです(笑)

 私も、棹と胴を真っ黒に塗った沖学三線キットを持っていましたが、これは改造されてしまいました(^^;

 あと、父親と一緒に木材から三線の形に削りだしたこともあるのですが、最初珍しいだろうと「青」に塗ったのですが、結局なんとなくしっくりこなくて黒に塗り替えたことがあります。

 三線は黒が落ち着く、という結論です(笑)


2008年6月7日土曜日

【三線ism】 演習曲① 故郷(ふるさと)



 さてみなさんこんにちは

 新しいコーナーをもうけました。題して「コード弾き演習」!!

 いちおう著作権関係でJASRACにあまり文句を言われない曲を使って、三線コード弾きを練習してもらおうという企画です(^^

 第1回の今回は、簡単ながらそこそこ弾きがいのある「故郷」でいかがでしょうか?

 では、練習開始です。


 使うコード体系は、相対コードでいきましょう。(テキストでは最初の5つのコードのことです。ブログで勉強している人は、「理論編」で示したコードですね。)

 このコーナーでは、とっさにコードがわかりやすいようにこんな方式も併用します↓

 相対コードのCは<0・4・5>もっと簡単に<045>と示します。これは、太い弦から開放弦0(ゼロ)、真ん中の弦は4、細い弦は5を押さえるよ、ということです。



 故郷

 C  G  C C
 うさぎ追いしかの山

 F C  G C
 小鮒つりしかの川

 G C  F C
 夢はいまもめぐりて 

 C Am F  GC
 忘れがたきふるさと


 C<045>
 G<024>
 F<255>
 Am<245>

 ストローク弾きよりもアルペジオのほうがしっとりとした味わいがある曲です。練習してみてくださいね。


2008年6月5日木曜日

【三線ism】  手作り三味線キット











 さてみなさんこんにちは

 今日は丹波並木道公園で実施している「手作り三味線講座(シャミレレ講座)」から、実際にみなさんに製作していただいている素材を紹介します(^^

 完成品の写真は何度か掲載しているのですが、よく問い合わせがあるのが「どんな加工を実際にするのですか?」とか「対象年齢はどれくらいですか?」といったものです。

 まあ、今回の写真を見ていただければ概略がイメージできるのではないでしょうか?

 さて、このキット化された三味線の材料ですが、公園スタッフであるIさんが一人で加工なさっています。もともとは、公園の裏山で伐採された丸太ですから、そこから荒割りをして、乾燥させて、製材・加工といった手を経てみなさんのお手元に届きます(^^

 材料はすべてひのきですから、とてもいい香りがただよってきますよ!

 一枚目の写真は、キットの全体です。棹材、胴にする4枚の板材、表と裏板になるひのきの薄い板、糸巻きなどがわかると思います。


 素人には難しい糸巻き部分は、加工済みですので安心です(二枚目)


 三枚目・四枚目の写真はこの講座・キットで最大の見せ場である表板と裏板です!!
 この板はひのきの一枚ものなのですが、3ミリという薄さに仕上げてあり、ホームセンターでは手に入らない貴重品です!!
 公園のスタッフさんの間では、「この加工ができるかできないかで、キット化できるかどうかも決まる」というほどこだわったパーツです。
 

 三線のキットといえば沖縄県学校用品さんの三線キットが有名ですが、あそこまで三線っぽい形を追求するのはやっぱりコストがかかります(^^;

 ただ、こっちはオール国産で「ひのき」材!というところがアドバンテージでしょうかね?!

 ちなみに音に関して言えば、沖学さんの三線キットより三味線らしいいい音がします(^^ 音の価値観は難しいのですが、裏板があることとサウンドホールがあるので抜けがいいことなど、メリットがたくさんあると思います。
 そこらへんは、私がこだわって設計してますのでご安心ください!


【三線キットマニアックス】 三線キットに魅せられた人々⑦ おじゅっさんのカンカラ三線キット




 こちらはカンカラ三線キットの製作記です。2棹お買い上げ(^^

 「おじゅっさんの日々 より」
 http://ameblo.jp/daido22/entry-10062489371.html

 製作者さまはなんとお寺の副住職さんだそうです!お坊さんの日々についても記事が興味深いですね!

 音についての感想が「ぱっこんぱっこんと薄い金属板を鳴らしているよう」とのことですが、かなり的確な表現ではないでしょうか。

 三線の音のよさについては

 ↓本皮
  本皮と人工皮の二重張り
 ↓人工皮
  板張り(木製)
 ↓カンカラ

 の順に悪くなります。

 ただ、音には味わいというものがあるので、上の順番で「素朴な音になる」と言い換えてもいいかもしれませんね。

 

【三線キットマニアックス】  三線キットに魅せられた人々④ がめら屋さんの沖学三線キット



こちらはがめら屋さんの製作記です。


 「がめら屋ブログ」より
 http://gameraya.jugem.cc/?cid=4

 キットの到着から下地づくり・塗装までじっくりと製作されています。黒と赤の色分けも面白いですね!

 2005年の記事なので、三線キットの価格が2500円になっています。現在は3000円に値上げされていますが、それでも安い!

 いろいろと役にたつリンクも紹介なさっていますので、参考になさってください。

【三線キットマニアックス】 三線キットを作ってみよう! 












 沖学さんの三線キットは、基本的には作るのがとても簡単です。細かく紙やすりをかけたり、細部を丁寧に作れば時間がかかりますが、ほとんどの加工がすでに終わっているので、組み立てるだけでそれなりに三線の形になってくれます。

 写真は、単に組み付けをした状態での三線キットの状態です(^^

 ざっくりと作り方を紹介すると

 1 胴に棹を差し込む。胴の穴は大きいあなと小さい穴がすでに開いています。
 2 棹に唄口をとりつける(上駒のことです)
 3 糸巻きを棹に差し込む
 4 糸を張る。根緒を使い、糸巻きでまいてゆく
 5 唄口に糸が通る切込みを入れたり、ウマ(下駒)を載せる

 ということになります。

 最低限の加工で済ませた場合は、1時間以内で完成するはずですよ(^^



 






【三線キットマニアックス】  三線キットに魅せられた人々⑥ だーしゃさんの沖学三線キット




こちらも沖学三線キット製作記です。どんどん増えます(笑)

 だーしゃさんの「ヨッシャ・モブログ」より
 http://blog.goo.ne.jp/daxiazzz/e/75b82eede909927fa6ba83b370bf7880

 だーしゃさんはクリアニス仕上げですね。二度塗り以上されているようなので、しっかり仕上げておられると思います。

 いわゆる工作用の水性ニスだと、乾燥後もにちゃにちゃする場合がありますので、油性のニスかラッカーでしっかり乾燥させながら工程を進めていくのがお勧めです。

 私が一番おすすめなのはワシンの合成うるしのクリアか淡黄です。ただし、扱い方にいろんなコツがありますので、また紹介してゆきます。

 そして、この記事の一番ユニークなところはなんと

「三線キットを直接店で買う」

という方法を教えてくれるところです!!!

 沖縄で三線キットをゲットしようと思っているマニアの方は必見です。


【三線キットマニアックス】  三線キットに魅せられた人々⑤ おーりとーりさんの沖学三線キット



尽きることのない沖学三線キットの製作記ですが、この方はまじめにノーマルスタイルでくみ上げておられます。

 「おーりとーりさんのブログ」
 http://plaza.rakuten.co.jp/papahakase/diary/200805250000/

 唄口の仕上げがとても上手ですね。「低すぎたのでときどきビビる」との言葉がありましたが、調整は難しいものです。でも仕上げがとても綺麗ですばらしいと思いますよ!

 細かいパーツの写真がよくわかるので購入なさったのは「後期型」だとわかります(笑)


 沖学さんの三線キットは、塗装はしたくなるわ、絵は描きたくなるわの潜在的な魅力があるのですが、あえて「どノーマル」で製作するのも味なものです。

 木の良さみたいなものがにじみでるキットですから!

2008年6月2日月曜日

【三線ism】 あらためまして ボラーレ! volare!



さてみなさんこんにちは

 知らなかったのですが、どうやら最近はヤフーブログにもyoutubeの動画を貼り付けることができるようになったようですね。

 昔から出来たのかもしれませんが、やりかたがよくわかりませんでした(^^;

 というわけで、早速昨日アップした動画を貼り付けてみます。


volare! ボラーレ! 三線でフラメンコ 芋洗坂係長ではありません


 めずらしく外での収録ですが、鳥さんの声などが入っています。丹波並木道中央公園の奥のほうで録画しました(^^

 このボラーレ!はビールのCMでも有名な曲ですね。最近は芋洗坂係長さんの

「ボ~ら~れた!」のネタでも有名です。



【三線ism】  邦楽ジャーナルの取材を受けました!!



さてみなさんこんにちは

 今日はかの有名な邦楽の専門誌「邦楽ジャーナル」の編集長兼社長さんの田中隆文さんにお会いすることができました!

 邦楽ジャーナルは、私が京都の大学生で邦楽部で三味線を弾いていたころからの愛読誌で、和楽器・邦楽器・和音楽の専門雑誌です。

 三味線・筝・尺八などをやっている方で、この雑誌を知らないのはモグリだ!!といっても過言ではありません(^^

 田中編集長は大阪でお仕事だったのですが、時間を見つけて私の住む町まで訪問してくださいました。

 というわけで、さっそく手作り三味線講座の会場である「丹波並木道中央公園」へと同行していただいて、管理棟に展示してある手作り三味線や、シャミレレの紹介など取材を受けた次第です。

 小一時間ほど、邦楽界の状況をお伺いしたり、手作り三味線の講座の様子や楽器の構造などいろんな話をすることができました。

 私が学生だった頃からはや15年ほど経ちますが、やはり邦楽人口は減少の一途だそうです。特に、「舞踊」系の方々の減り具合がはなはだしいそうで、これはやっぱり左大文字流も邪道ながらがんばって邦楽をプッシュしてゆかないと、と思ったところです。

 さて、まず田中編集長が目をつけたのは

「すごいいい香りがしますね!」

というひのき製の良さ!

「思っていたよりも、とてもいい音です!」

と手作り三味線の音のほうもお墨付きをいただきました。値段やつくりを考えたら、設計者である私も十二分に「いい音」だと思います(笑)

 それから、コード弾きの理論をお話して、実際に演奏してみると

「これもとても面白いです!私はギターをやるので、目からうろこが落ちる思いです!」

と大喜びしていただきました。

 田中編集長は、尺八がご専門だそうですが、邦楽界の第一人者から「面白い!」と言っていただいて、こちらが恐縮する気持ちでした。とてもうれしかったです!(^^

 邦楽ジャーナル誌に、記事が載るそうですので、全国の左大文字流フリークの方も、邦楽奏者の方も、皆様なにとぞよろしくお願いもうしあげます。


2008年6月1日日曜日

【三線ism】 ボラーレ! volare! 三線 コード弾きデモが仕上がりました! 芋洗坂係長ではありません



さてみなさんこんにちは

 先ほどは携帯からアップしましたが、本日の手作り三線講座がなくなったのでそのままデモ動画の撮影をしておりました(^^

 今回は、前々からずっとやりたかった


「三線でフラメンコ!!!」


です。

youtubeへ↓




ボラーレ!

http://jp.youtube.com/watch?v=21DF098VvzU



 左大文字流の究極的な目標は、これをやること!といっても過言ではない究極の三線コード弾きといえば、

 「三線でジプシー・キングス!」

を演奏することです。

 実は左大文字は、ものすごくルンバフラメンカが大好きで、ジプキンをはじめ、そこから分かれた「チコ&ジプシーズ」とかジプキンのバックバンドをしてた人たちとか、いろんな派生版のこの手の音楽を聞きまくっています。

 もちろん、彼らの音楽は、早くてすごくて一人では弾けないのが多いのですが、一人でもやれるとこまでやりたいわけで(笑)

 左大文字流メンバーが5人くらい集まったら、みんなで弾きたい曲のひとつですね!!