「学校では、弦楽器をどうして教えないんだろうねえ」
という話になりました。
実は、この方だけでなく、私の周りではよくこの話題が出ます。というのも、手作り楽器をいろいろ作成していると
「ごったんを授業で使いたい」
という依頼など、どこかしらで「先生」をしている人と知り合いになることが多いからです。
そういう場合、まあゴッタンやら三線やらに興味を持っておられる人が中心になるからか、そうした人は「ギタリスト」である確率も高く、
「どうして学校ではギターを教えないんだ?」
みたいな話にもなります(^^
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世の中のギタリストさんたちの中には、実はけっこう「心配の種」に思っていることがあります。
それは、
「自分たちの頃は、バンドを組んだり、モテたくてギターをはじめるヤツがいたけれど、最近の若いモンはギターに興味を持つことも少なく、このままではギター少年文化が途絶えてしまう!」
という危機感(笑)です。
僕らの父親、母親世代だと「フォーク文化」というのがあって、たいていの若者は3畳一間の下宿でギターを悲しげにつまびく、という体験をしてきました。
僕らの世代はバンドブームもあったので、かっこつけの若者はたいていエレキギターを弾いていました。
それが、いよいよ途絶えそうなので、「そういえば学校で弦楽器って教えないよね」という話になるわけです。
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思い出してみれば、学校で教わった楽器といえば
「鍵盤ハーモニカ」(昔の人は、ただのハーモニカ)
と
「リコーダー」
が全員強制参加(笑)でした。
それぞれ、鍵盤楽器と管楽器で、言い換えれば「日本国民は鍵盤楽器と管楽器は全員触ったことがある」くらいの勢いだということです。
・・・・弦楽器は?!
と言いたくなるのも、まあムリはありませんね(^^;
もう少し突っ込むと、小学校の音楽の時間といえば「トライアングル」とか「タンバリン」とか「ウッドペッカー」とか、そういうのも大活躍します。
打楽器です。
鍵盤楽器も、管楽器も打楽器も触っているのに、これはもう確実に弦楽器はのけ者扱いだというわけです。
幸いにして、高校の音楽の選択では「ギター」という項目があったりするそうですので、音楽の授業で弦楽器を「いじめの対象」にしているわけではなさそうですが、それにしても扱いがひどいと思いませんか?
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なぜ、そんなことが起こるのか。理由は簡単です。いや、むしろ理由は一つしかありません。
それは、弦楽器は「調弦・チューニング」をしなければならないからです。
私も、手作り三味線講座などを通して、ある意味での「音楽教育」に長年携わってきましたが、とにかく弦楽器は
「”さあ、弾くぞ”の前にチューニングに時間がかかる」
のです。
鍵盤ハーモニカも、リコーダーも、手に持てばすぐ「正しい調律の綺麗な音」が出ます。
ところが、弦楽器は必ず、どこかの弦の状態が狂っていたりしますので、「調弦」をしてやらなくてはいけません。
これを35人とか、40人分するのはとても時間がかかる作業で、たいへんな手間だということになります。
だから、弦楽器を音楽教育に取り入れることは、少なくとも小学校・中学校レベルでは
絶対にやりたくないだろう
ということは想像に難くないわけです。
(つづく)
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