2009年1月11日日曜日

【三線ism】 楽器製作中 「宮崎のごったん」のレプリカ






 さてみなさんこんにちは

 最近、木三味線のごったんにハマッている左大文字です。

 ごったんは鹿児島や宮崎地方の民俗楽器なのですが、家を建てたとき大工さんが施主にプレゼントするという習慣があったくらいなので、三味線属のなかでもかなり簡素な作りです。

 というわけで、こういうものを見ると自分でも作ってみないと気がおさまらない性分なので、さっそく製作しております。

 うちの工房にはいろんな木材が転がっているのですが、私は基本的に安価でチープなものが大好きです。高価で希少な材を使って高級な何かを作ったり、そういう高価なものを買ったりするよりも、いまにも捨てられそうなカワイそうなものたちを使って何かをつくるほうが大好きなもので。

 というわけで、今回も廃材利用です。

 写真でもわかると思いますが、このごったんの胴は木チップの圧縮整形材のそれも切れ端でできています。棹も、棒材2本の張りあわせです。

 伝統的なごったんも杉製ですので、木の中では一番といっていいほど安価な材料でできた楽器ですね。それに負けないくらい、安くてチープな材料で製作中です(笑)

 これまでにレポートしたとおり、ゴッタンはサウンドホールがないので音がつまり気味です。そこで、今回製作している楽器にはサウンドホールを空けてあります。

表板はひのきの一枚板なのですが、節があったので節が抜けたところにおなじひのき材で補修したものを使っています。見た目よりも「もったいない」重視で!

 裏板はシナベニアです(笑)

 材料こそめちゃくちゃですが、これで十分「鳴る!」という計算になっています。何十本も板三味線を作ってきた長年の経験からですが、必要なところに必要な材を使ってやれば、十分面白い音を出してくれるのが自作楽器のいいところです。

 たとえば本物の三味線や三線でも、表の皮よりも裏の皮はかならず薄くなっています。つまり皮としては表よりランクが下がるものが裏では使われているわけです。

 これを両面とも表皮を使ってやれば音がよくなるか、といえばそういうものではありません。共鳴板として作用する表と、ドロンコーンとして作用する裏では役割が違いますから、「あえてランク下の材を使う」ほうがいいわけです(^^

 板張り三味線の設計も同じで、裏板はベニア(それもやわらかいシナベニア)でOKという理論です。 


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