2008年3月2日日曜日

【三線ism】 三味線の謎・ナゾ ~三味線をめぐる不思議な事実~







 さてみなさんこんにちは

 今日はちょっと、面白いお話を書きます。ちょっと不思議なこの事実なのですが、これは何を意味するのでしょうか?

 わたしは邦楽理論の専門家ではないので、もしかしたらこの説は誤りかもしれませんが、みなさんも三線や三味線を手にとって考えてみてください(^^

 仮説、というのはこういうことです。

「特に古典的な日本の音階やメロディは、実は三味線という楽器と深いかかわりがあり、三味線という楽器の特性を元に、音階やメロディラインが発明されたのではないか?」

 たとえば、ギターの場合、ギターのチューニングやスケールを元にして楽曲が生み出されるということがあります。ピアノだからこそこの曲ができたとか、ギターだからこそこのメロディラインができたとか、そういうことが往々にしてあると思いますが、三味線においても、実は「三味線があったからこそ、こういうメロディラインができた」ということがあるのではないかと思うのです。

「メロディラインが先にあって、三味線でたまたまそのメロディを弾いた」と「三味線が先にあって、その楽器の特性に合わせて音階やメロディラインが創作された」という二つの考え方、どちらが真実はどうかわかりませんが、ちょっと考えるには面白いテーマですね。



 というのも、そもそも私がこんなことを考え始めたのは、沖縄の三線も本州の三味線も、おなじチューニングで演奏する、ということが不思議に思えたからです。

 三線の場合は「本調子」「二揚」「三下げ」、三味線は「本調子」「二上り」「三下り」、どちらもまったく同じチューニングです。

 沖縄音階と日本の音階は違うのに、おなじチューニングで演奏するということが何百年も続けられてきた、というのはちょっと変な感じがします。沖縄音階に合わせたチューニングや、日本音階に合わせたチューニングが「違って」いてもおかしくないはずなのに!


 さて、そんなところから本題ですが、4つの画像を挙げていますので見てください。4つの画像は左大文字風の半音ずつのフレットを三味線にふったものです。(本調子で、0が開放弦)

 「1のライン」から「4のライン」までありますが、たとえば「1のライン」は

『開放弦の音、1のフレット上の音、そして5のフレット上の音』のセットを表しています。青い丸がついている音はどちらも同じ音です。

 1から4まで音のセットはあるのですが、これはある種の音階になっています。

 ちょっと話がややこしそうですが、実際に三味線や三線を持っている人は、実際に弾いてみると面白いことがわかります。

「1のライン」で示した「開放弦・1のフレット上の音・5のフレット上の音」を下の音から順に弾いてみると、「地唄」などの順邦楽の音階になります。

「2のライン」で示した音を下から順に弾いてみると、「民謡」で使われる音階になります。

「3のライン」は「津軽民謡」音階になります。

そして、「4のライン」は「沖縄民謡」音階になるのです。

 これはどういう偶然なのかよくわかりません。でも、それぞれのラインのセットで、古代からの日本で使われているほとんどすべてのメロディラインや音階を網羅してしまっていることが不思議なのです。

 もしかしたら、古代人たちは、「1のライン」で作曲してみようとか「2のライン」で作曲してみようみたいなことを歴史的にやっていたのかもしれません。(1のラインが飽きられたので、次のラインに移行して、それが目新しくなった、とか)

 ちなみに、この「ライン」という考え方でいくと、西洋音階は「2・4のライン」になります。
つまり、開放弦と2のフレット、4のフレット、5のフレット上の音」ですね。

 こういう風にみてゆくと、ますます三味線と日本の音階の関係が、「三味線という楽器上」でギターのスケールみたいな形になってきて、面白いと思いませんか?




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