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2010年7月30日金曜日
【三線ism】 市川海老蔵ご結婚 成田屋! 伝統と「今」の接点
さてみなさんこんにちは
昨日今日あたりは、市川海老蔵氏の結婚式の話題でもちきりだったようですが(^^;
海老さまといえば、次の団十郎となるべき人でもありますから、いずれ日本の歌舞伎界を背負ってたたざるをえない立場でもあります。
実は、わたしの大学時代の専門は近世演劇だったので、歌舞伎・浄瑠璃あたりはいちおうカジカジかじっているわけで・・・。
そんなこんなで、今回の雑感は「伝統」というものについて考えます。
さて、歌舞伎は伝統芸能か?と問われれば、おそらく大半の方は「そりゃ日本の伝統文化でしょう!」と答えると思います。たしかに、伝統芸能として保護の対象になっていますので、「伝統として守るべきもの」であるという考えはあながち間違いではないと思います。
ところで、もう一方で日本の歌舞伎のほとんどの興行は「松竹株式会社」という「いち企業」によって運営されている、という事実もあります。
松竹は、芸能プロダクションですから、吉本とかエイベックスみたいなもんです(笑)。その一企業が運営の大半を握っているわけですから、「伝統」とはいいながら「今まさに流行の一端を担っている現代の芸能」でもあるわけで。
私は、芸能も文化も「伝統」になってしまえば、それはもう衰退の一途で、お上によって保護されないと生き残れないなんて、まさに死に体の文化であることの裏返し、であるとも思っています。
ですから、歌舞伎が「株式会社」の営業努力で「現代に生き続けていること」はある意味、すごいことで、また「ああ、まだこの文化は、リアルな世界に「今を」生きているんだなあ!」とも思うわけです。
海老さまが歌舞伎の舞台に立つだけでなく、映画にもドラマにもバラエティにもどんどん出る、ということは、「今を生きている文化」であることの証で、それは中村勘三郎さんがいろんなメディアに出ることもそうだし、一昔前の時代劇スターが、みんな実は歌舞伎界出身であることなどとも密接に関係あると思うのです。
これが人形浄瑠璃になると、そうはいかない!テレビに出るといってもNHKしか出してもらえない。国からの補助金がないとやっていけない、という絶滅危惧種状態。
こっちはどうも「伝統」になってしまっている感があふれていますね(苦笑)
翻って、三味線はどうでしょう。絶滅危惧種として、お上に守ってもらえないとやっていけないような文化になっていいでしょうか?もちろん、三線だっておなじです。
「現代を、今を、リアルに生きている文化である」ためには、「われわれは伝統ですよ」という姿勢をとっていてはいけない気がしませんか?
海老さまが映画に出たら、「歌舞伎役者」として失格ですか?
勘三郎さんが現代ドラマに出たら「伝統芸能」失格ですか?
むしろ、そうした歌舞伎外の活動で、どれだけ多くの人が本来の伝統たるものに興味関心を持ってくれていることか!
左大文字流のアプローチは、そういうことだと思っています。古いものと新しいものは、「現代を。今を。リアルに生きている」んだ!って証明するためにも、三味線をコードで弾いてもいいのじゃないかなあ!と。
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