さてみなさんこんにちは
先日より、当左大文字流三線・三味線コード弾きの新企画「SCS(サンシン・コード・システム)の整備のために、コード表やらポジション表とにらめっこしているのですが、おもしろいことに気づきました。
というのも、私が使っている沖縄三線の勘所(ポジション)表のほかに、いくつか表記の違う
パターン違いの勘所図
がネットにいろいろ転がっているようなのです。
ふだん、みなさんが良く使う基本的な勘所の表記は、ほとんど一緒なのですが、特にハイポジションになると表記の乱れがすごいので、ここはいっちょ解説しておこう、ということになりました。
意外と誰も知らない話かもしれませんよ!
まずは私が使っている勘所図と、ネットにあった勘所図を比較してみましょう。
尺1・尺2という書き方は左大文字流。尺と尺一という書き方は元ネタのサイトの方の表記です。一般的にはどちらも「尺」で書くこともあります。
とりあえず「尺はふたつあるよ〜」と言ったりもします。
その理由については別途解説しています。
(なぜ工工四には2つの尺があるのか)
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さて、もとの比較に戻りましょう。上の図では「下八」のところが、下の図では「九」になっていたり、上の図では「イ乙」が、下の図では「ロ上」になっていたり、ぱっとみると
ハテナがいっぱい!
になると思います。 え?人によって勘所の表記が違うの?音が違ったりするの?と思ってしまうかもしれませんが、実は
この隠されたルールは、意外と簡単
だったりします。ご安心くださいね!
では、三線マニアの左大文字が解説してゆきます。
1) ”ロ”の関係を読み解く。
・・・まずは”ロ”のついたところだけ見ましょう。
左大文字式では、上の図でブルーになったところが「ロ」の登場する箇所です。下の図では、それに加えてピンクとオレンジの箇所にもあります。
これ、よーく見るとシンプルで、「ロ上」は「上」の一オクターブ低い音、「ロ五」は「五」の一オクターブ低い音なんですね。「ロ尺」は「尺(今回は尺一)」の一オクターブ低い音です。
だから簡単。「ロ」がついたら、「低い同じ音」と覚えましょう!
2) ”イ”の関係も読み解く。
・・・”ロ”が何者かわかれば、”イ”の方も簡単です。図では「乙」と「イ乙」の関係のみ、グリーンで示していますが、これは要するに「一オクターブ高い音」なんですね。
色分けはしていませんが、その他登場する「イ」がついた音も、おなじ関係性になっています。
これも簡単。 「イ」がついたら、「高い同じ音」と覚えます。
3) 「イ」「ロ」は漢字ではない。
・・・一見すると人偏と口偏に見えてしまいますが、「イロハ」の「イとロ」と覚えたほうが楽です。
さらに
「高い (ハイ) のイ」
「低い (ロー) のロ」
と覚えたら、絶対間違えません!
4) 「ロ五」と「イ乙」は、おなじ音。
・・・上記のような説明によって、「ロ五」と「イ乙」は書き方は違うけれど、同じ音とわかります。男弦を見て考えるか、女弦を見て考えるかの違いで、どちらも「レ」に変わりありません。
5) ”下”の使い方を読み解こう。
・・・今度は「下」の文字の使い方を見てゆきます。一般的に有名なのは「下老」ですね。この下は「音が下、つまりロー」という意味ではありません。実際には「下老」は「老よりも高い音」なので、西洋音階の考え方では5線譜で書くと「上」になってしまいます。
これはシンプルに「ある音の次の音を下と表現している」と理解してください。
ただ、ちょっと難しいのは「半音階」なのか「全音階」なのかという点で、図面の上ではわかりにくくなっていることがあります。
老と下老の音階の間は「半音」しかありません。西洋音階でも「ミとファ」の間は半音ですから、「老の次の音は下老」ということになるわけです。
一方「尺」のほうは1なのか2なのかはややこしいものの「シとド」の意味で「尺と下尺」が設定されているように思えます。
「八と下八」は最近ではあまり表記しないようです。古いスタイルかもしれません。現状では「九」を使うことが多いと思います。
ルールとしては「下がついたら次の音」ということですね。
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「イ」「ロ」「下」の使い方がわかると、工工四の勘所表や勘所図が、サイトの著者によってちょっとずつ違っても困らないと思います。
書き方がバラバラのようで、実は「同じ意味」ということなんです。
ただそれでも「尺」はどっちの尺を意図しているかという問題がちょこっとだけ残るので、それだけは記述した人の考え方を優先してくださいね!
以上、解説でした。
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