2021年12月9日木曜日

本格カリンバを作る 自作・手作りカリンバの作り方 その2 ボディを完成させよう!

  

 さてみなさんこんにちは

 

 楽しいカリンバづくりの続きです。

 

 いよいよ本体デザインの要となる「表板」周辺に取り掛かりましょう。

 

 

 トレモロホールを開けて、フレームに接着すると、 ↑ の状態になっているはず。

 


  枠(フレーム)と板がぴったり合うように、やすりがけなどもしておきます。

 

 




 

 さて、ここから、表板を取り付けるにあたって「ネジの受け」となるパーツを取り付けます。

 

 この板は、表からキーをとりつけるための金属バーをネジ止めした時に、楽器の内側から受ける板になります。

 これから17本もの金属キーのテンションが表板にかかってくるので、この「受け材」がないと表板が破壊されてしまうのです。

 

 上部から約5センチ(〜6センチ)をカバーすればいいのですが、現物あわせで10㎜~15㎜厚くらいの板を加工してボンド接着で取り付けてください。

 (ねじが止まればOK)

 

  定規をあてているのは、材がぴったり「面(つら)いち」に揃っているか確認するためです。ここはベッタリ表板に接着するので、表板とズレがないほうがよいのです。

 

(仮にわずかにズレたとしても、ネジが強力に締まってゆくので、実害はないのでご安心を)

 

 

 さて、表板です。3㎜か4㎜の板を糸ノコで穴あけします。丸い穴でよいのであれば、ホールソーなどで穴をあけてもOKです。

 

 穴のサイズと、穴の数は、意外と音の差として現れないので、好きなように開けて大丈夫です。

 

(概ねコイン1~1.5枚くらいの面積がめやす。小さい穴なら複数あけてもよい)

 


 

  裏と同様に、表板も貼り付けます。先ほど作ったネジ受けの板材にもベッタリとボンドを塗って貼り付けてください。

 

 





 ↑ やすりがけなどをして、形を整えたら、ボディはいちおう完成です。


 



  Amazonなどでは、グリップ部分を削ってある商品も多数あります。これも単純に削ればOKです。

   削ったほうが、ホールド感がよくなりますが、音にはあまり影響がありません。

 

 完成後は、しっかり紙やすりをかけておいてください。120番~240番くらいをお好みで。

 

 

  そして、いよいよ塗装です。木工品への塗装はいろんな手段があるのですが、

 

「簡単で綺麗に仕上がる」

 

方法として、私は次のやり方をオススメしています。間違っても「木工用水性ニス」「工作用ニス」などは使わないこと!

 

◆ 水性ニスは2種類あり、安価な「ただの水性ニス」と「水性ウレタンニス」があります。前者は艶は出ますが硬度がなく、塗膜がふにゃふにゃなので×

◆ 油性ニスにはよいものがいろいろあるのですが、取り扱いの簡単さと仕上がりのバランスを考えると「ラッカースプレー・クリア」が一番お手軽。

 

 というわけで、オススメの方法は、


◆ まず、木部着色剤・水性ステインで色をつける

◆ 透明のラッカースプレーを振る


です。

  



  まず、ステインはお好きな色を刷毛で塗ります。水性なので、わずかに水で薄めながら塗ってください。原液はけっこう濃い目なので、水で調整の上塗ります。

 ただし、乾くと塗ったときより色が薄めになるので、それも念頭に置くとよいでしょう。


 (一回塗り状態)

 

 一回目を塗って、乾燥させたら、ラッカースプレーを軽く振ります。

 

 ラッカーはすぐ乾くので、15分ほど置いておけば次の作業に取り掛かれます。

 

 ここからは、どこにも載っていない秘密の方法です!

 

 ステインが1回、ラッカースプレーが1回の状態で、表面が毛羽立ちます。これは木目が水分などを含んで、寝ていた繊維が起き上がるからです。

 

 下地に関しては、すでに紙やすりがかかっていると思うのですが、それでもけっこう表面がざらつきます。

 これを完全に落とします。

 

 500番~1000番くらいの細かい紙やすりで、表面を全部やすりがけします。

 

  拭うように、けっこう丁寧にヤスリをかけておきましょう。この工程が大事です。実はこのあと、水性ステインをもう一度刷毛塗りするのですが、


「油性の塗膜を吹き付けているのに、その上に水性でもう一度塗る」


というのは、本来はありえないことです。水をはじいてしまうからね!

 

 でも、あえてそれをします!! ←これがミソ。

 

 なので、細かい目の紙やすりで、水を弾く塗膜層をざらざらにしておくのです。

 

 そして、2回目のステイン着色をします。それから、乾燥後2回目のラッカースプレーです。

 

 簡単に済ませたい場合は、この2工程でOK。

 

 



 ↑が2工程を終えた状態です。下はシナベニアなので、あまり色が乗っていませんが、上のラワンベニアのほうはしっかり色が乗っています。

 ちゃんと深みがある塗装に仕上がっていると思います。


もっと美しく仕上げる場合は「3回おなじ工程を繰り返す」のがオススメ。

 

 要するに、ステインを乗せて、そこにラッカーを振り、かつ研磨するという工程を繰り返すことで、

「色のついた樹脂層を塗り重ねていっている」のです。層の中には、どの位置にも着色料と樹脂が満遍なく詰まっているので、表からみると美しく見えるのです。

 また、最終塗膜がラッカーなので、べとつきません。



 2工程で、↑くらいの光り方になります。色もしっかり乗っていますね。



 次回はいよいよ最終仕上げです。



 



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