突然ですが、「ふんばれ、がんばれ、ギランバレー」という漫画が、高い評価を受けているということで、ご紹介がてらお話を。
ふんばれ、がんばれ、ギランバレー (たむらあやこ 作)
http://www.moae.jp/comic/funbareganbareguillainbarre/1
(講談社刊 画像は引用です)
実は、この漫画、作者のたむらあやこさんが、2年もの間寝たきりになり、そこから復帰して再び漫画が描けるようになる、という感動のお話なのですが、彼女が患った病気は
ギラン・バレー症候群
という難病で、 前身の神経がやられてしまうというとても大変な病気なのです。
で、なぜ、この話をここでするかといえば、
「わたくし、左大文字もギラン・バレー症候群を発症し、昨年末はほぼ死んでた」
からです。
あまり、このブログでは書いていませんでしたし、親しい人間にしか話していませんでしたが、
「楽器を弾くどころの状態ではない」
ことになっていたので、 今、こうして再び三線や三味線のコード弾きをみなさんにお伝えできることを心からお喜び申し上げます。(ん?なんか日本語おかしいぞ)
ギラン・バレー症候群、というのがどんな病気かといえば、たむらさんの漫画がWEBでも公開されているのでぜひそちらを読んでほしいのですが、かるーく言えば
① 10万人に一人が発症するという難病
② 前身の神経がやられて、最悪の場合呼吸が出来ず死に至る。
という病気です。
・・・全然!軽くない!!!!
ええ、とっても大変な病気でした。
左大文字は、結果的には「最も軽い症状」で済んだのですが、罹患の最中は、
「立てない、歩けない、喋れない、眼球が動かない、思考できない」
のオンパレードでございました。
たむらさんのように、長い年月倒れたままの状態でなかったことが、本当に幸いでしたが、もしかすると
「二度と三味線は弾けない。二度と三線は弾けない」
ところまで行っていたかもしれないと思うと、今の回復を本当に感謝する次第です。
ギラン・バレー症候群は、自己免疫がおかしくなる病気で、再び間単に言えば、
「自分の免疫機能が、勘違いして自分をやつけはじめる病気」
ということになります。
なので、最初に自分の神経細胞に向かって「お前は誰やねん!」と間違って攻撃をはじめるので、薬で治すとか、何かを鎮めるということができません。
要するに、自分の免疫機能の誤解を解かなくてはいけないわけです。
その方法は、漫画にも出てきますが2つしかありません。
① 免疫グロブリン大量投与
② 血漿交換
この2つだけ。
一つ目の方法は、一つのビンに1000人分の血液から作った免疫グロブリンというなんだかよくわからない成分が入ったやつ、を50本以上ぶちこむ方法です。
わたしの担当医(かもめんたる似)の偉大なる先生は、
「ようするに、いっぱい免疫機能に関する何かをぶちこんで、リセットしようというわけです」
と言ってました。
二つ目の方法は、誤解している免疫機能が入ってる血液中の何かを、「全部ろ過して取ってしまう」ということのようです。
そして、この2つの方法の有効度はあんまり変わらないらしいので、血液を全部ろ過するよりは、ぶちこむほうが安いので、
50ビン×1000人=50000人分のなにか
をぶち込まれてしまいました。
というわけで、私は今、50001人ぐらいの何かで出来ています!!
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それはさておき、無事回復して現在楽器も弾けるし作れるようになっているのは、もちろん、お医者さんのおかげです。
といっても、神経内科のかもめんたる似の先生と、オードリー若林似の二人の先生のおかげより、もっと凄いセンセイがいたのです。
それは、最初に別の病院で頭や頚椎や脊髄に異常がないか調べてくれた「整形外科」の先生のすばらしき判断でした。
彼は、レントゲンやCTを撮った写真を見るや否や、こう言い放ったのです。
「むむむ・・・これは!!!!」
「これは!、俺の範疇をすでに超えてる!!!」
「俺の領域での知識をすべて総動員した結果、出てきた答えは!」
「答えは!俺の診療科じゃないということだ!」
どっかーん!!!
この、すばらしい決断が良かった!!!(←マジでほめてますから)
そのセンセイは、「自分の知識の範囲内では、いわゆる骨や脊髄や神経がどうにかなったり、脳梗塞や脳卒中やらそんなんじゃないので、全て『違う』と言っている。ということは、後はたったひとつ、神経細胞そのものがおかしいということだ!つまり、神経内科がある病院へ一刻も早く行ったほうがいい!」とおっしゃったのです。
「考えられるとすれば、とても稀な病気ですが、ギランバレーが思い当たります。なので、今から救急受け入れしてくれる病院を探しまくります!」
と診療時間が終わっているのに、何件も問い合わせをしてくれたのでありました。
医師というものは、ともすれば、いろんな原因に行き当たるまで、つぎつぎ検査をしがちですが、このセンセイは、最小の検査と最短の判断で、的確な診療科へと私を送り届けてくれたのです。
こうして最速で治療に入ることができたので、今の左大文字があるのでした。
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というわけで、10万人に1人の男になってしまった左大文字は、今日も元気に三味線を弾いております。
ちなみに、私が入院していた病棟には、3人ぐらいギランバレーの人がいました。
な、難病のわりには、けっこういるよね?!
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