2015年3月3日火曜日

【三線ism】 胴がない弦楽器の音をアップしました ポケットロック・エア



 PocketRockの新型試作 PocketRock AIR が出来上がったばかりなので、さっそくサウンドのほうを紹介してみよう、というわけで動画をアップしました。





 この実験動画では、


 ① 2010年発表の「紙三線」(紙のように薄い三線)

 ② 新作「PocketRock AIR」(紙三線とおなじ構造)

 ③ オリジナルのPocketRock(箱型胴を持つ楽器)


の3つの楽器のサウンドを実例でアップしています。

 ここでいうところの「胴がない」楽器というのは、サイレントバイオリンやサイレント三線のように、


一切音がでないように設計された楽器


という意味ではありません。そうではなく、音が出るための反響板が一枚板で、胴としての容積がほとんどないものを意味しています。


 つまり、簡単に言えば、楽器の胴が箱になっておらず、ほぼむき出しの板だということです。


 そういう状態の楽器というのは、実は世界でもあまり例がなく、ほとんどの場合はなんらかの意味で箱になっているのが普通です。



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では、箱になっていないのとなっているのでは、どのように音が違うのでしょうか?

 その実例が今回の動画で、みなさんも参考までにご覧になってくだされば、


へえ、意外に胴がなくても大丈夫なんだ!


ということに気付いていただけると思います(^^



 具体的には、胴がないことでの変化は2点あります。



①弦そのものの響き、最初の打弦音が最も強くなるため、アタック感のある音になる。

②余韻が少なく、箱の内部での共鳴が無い分低音部分がカットされる。



というふたつです。


 この二つは、実はスピーカー設計とまったくおなじ理屈で、胴のないほうの楽器は、「平面バッフル方式」スピーカー、胴があるほうの楽器は「バスレフ型」スピーカーに相当し、いずれも該当のスピーカーボックスと良く似た動きをします。



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 ギターやウクレレを弾く人にとって、楽器に大きな穴があいているため


「あの孔(サウンドホール)から音が出てくるんだ」


とつい思いがちですが、実はそうではありません。あの穴から出てくる音は、楽器の音のうち、特に低音部分だけが共鳴して出てきているだけで、本来の音は表板全体や楽器全体から発音しているということです。


 なので、紙三線やポケットロックAIRは、サウンドホールがないのに十分な音量が出るわけです。





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