2025年12月11日木曜日

失われた「幻の楽器 ゾボー」を求めて サウンド編

 

 さてみなさんこんにちは。


 前回は「ロングトーンカズー」が属すると思われる「カズーのでっかい版」な楽器「Zobo(ゾボー)」について紹介しました。今回はその続きです。



 1800年代から1900年代のはじめにかけて流行した楽器なので、失われた謎の楽器といっても過言ではありませんが、では


「その音、サウンドはどんなものだったのか?」


が大変気になります。


 ゾボーはカズーの「きょうだい」みたいな楽器なので、カズーの金管部分が拡大されたもの、と考えればおおよそのサウンドの想像はできるのですが、やはり音を聴いてみたい!というのは誰もが思うところですね。


 というわけで、現代に残る「ゾボー」の痕跡を調べてみました。


 当時物ではなさそうですが、現代でもわずかに「ゾボー」の痕跡を残した楽器が販売されたりしています。おそらく当時のゾボーも、似たような感じだったのではないでしょうか?



1)Kazobo カズーボー


 「カズービー?」「カズーボー?」みたいなふざけた名前がついていますが、Zoboらしさを残した現代版の「カズー・ゾボー」だと思います。


 カズー構造にラッパがついているので、ちゃんと「Zobo」として成り立っています。


 こちらのモデルはT型になっていて、レゾネーター(膜)が2つ搭載されているのが特徴です。



 ちなみにこちらも同じモデル。カラーバリエーションがたくさんあるようです。いちおうアマゾンでも買えますが、けっこう高いです。(1万円弱)



2)トランペットカズー


 


 さて、つぎは「トランペット型カズー」です。これはZoboの雰囲気をまとっていますが、どちらかというと玩具性が強く、まさに「トランペットの形に似せたカズー」です。おなじ会社が「トロンボーン型」も販売しているようです。


 構造的にZoboとして洗練されているわけではありませんが、ラッパがちゃんとついているので、通常のカズーよりはZoboとしての遺伝子がわずかに感じられます。



3) Kazoobie Wazoo (カズービー ワズー)



 「カズービー」とか「ワズー」とか、いろいろ違った名前がついていますが、雰囲気だけで「わかる」のが面白いですねww


 こちらはカズーのレゾネーターからラッパが伸びているパターンです。



 この動画では「カズー」と「ワズー(レゾネーターラッパ)」と「カズーボー」の音色の比較が紹介されています。



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 これらの動画を検証すると現代版のZoboは「Zobo(ゾボー)」という名では残っておらず、カズーと合体して「Kazobo(カズーボー)」という名前でわずかに知られているように思えます。


 また、サウンド的にも、ラッパが長くて大きければ、ホーンの効果が増大しているようには聞こえますが、


 根本的なサウンドはカズーのまま(笑)


であるようにも聞こえます。


 まあ、このへんが、Zoboが現代にきちんと残ったり広まったりしていない根本原因ではないでしょうか?


「あまり、カズーと変わらんww」


というのがオチになっているようです。


 ただし、このオチには左大文字さん的にはかなり異論があって、


「ロングトーン奏法を取り入れていなかったから、Zoboは廃れた」


のではないか?と疑っています。


 それがどういうことなのかは、まだまだ今後も説明してゆきますね!





 

2025年12月10日水曜日

失われた「幻の楽器 ゾボー」を求めて Zobo 

 

 さてみなさんこんにちは。


 最近は連日「ロングトーンカズー」の開発に勤しんでいる最中ですが、試作品はかなりよい音(好成績)を残しているので、いよいよ頒布用の製品を作っていこうかな、と思案しているところです。


 これまで木製の弦楽器(三味線やポケットロックなど)はたくさん作ってきましたが、管楽器は初めてなので、やはり


「口をつける」


という点には気配りしようと思います。


 幸い「食品衛生法対応の接着剤や、塗料」などもあるので、それらを使って組み上げれば、口が触れても安全なものをつくることができます。


 また合板を使うと、そこに使われている接着剤の素性もわからないので、木材は無垢板を使用する予定です。


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 さて、今回はこの「ロングトーンカズー」をめぐる不思議なお話!!


 実はこの楽器「めちゃくちゃ性能がよくて、良く鳴る」のですが、なぜか元になった楽器である「カズー」は、おもちゃのままであまりパッとしません。




 カズーの原理は十分能力が高いのに、「カズー」そのものは、玩具ジャンルから大きく発展することはなく、いまに至ります。


 で、ロングトーンカズーを作っているうちに


「この楽器は、ある意味わたしの発明のようなものなんだけれど、はてさてこれまでにこんな楽器を誰も思いつかなかったのだろうか?」


という疑問が生じてきたのです。


 カズーがおもちゃのままでずっと存在するということは、大変に不思議です。

 ちょっと改良すれば「ロングトーンカズー」のように、とてつもなく能力が跳ね上がるのに、どうして誰もそこに手をつけてこなかったのでしょうか?


 それを調べていると、なんとすごいことがわかりました。


 それは、


「実はカズー(KAZOO)にはゾボー(ZOBO)という兄弟のような楽器があって、それが1800年代から1900年代初頭にかけて、アメリカで大流行した」


というお話でした。


 カズーのほうは、なんとなく多くの人が聞いたことがあると思いますが、ゾボーのほうは、誰も知らないと思います。


 そしてなんと、当時ZOBOは、50万台以上も売れて普及していたらしいのです。


(それはロングトーンカズーの性能を知っていると、よくわかります。この楽器は、それくらい普及してもおかしくない性能を持っているからです)


 ゾボーというのは、カズーがもともと金属板でできていることを発展させて、金管楽器に仕上げたものです。




 形状はいろいろありますが、簡単に言えば「カズーにラッパがついたもの」ということになります。

 そしてごくわずかに「音程を調整できる機構」がついたものもありますが、大半はそのままの直管です。


 ゾボーが1800年代にどんな感じで吹かれていたのか、AIに描かせてみましたが



↑イメージはこんな感じ(笑) ただしこの画像は生成AIによるものなので、多少の誇張はあります。


 実際のゾボーがどういう楽器だったかは、海外のサイトに詳細がありますので、興味がある方は覗いてみてください。


https://brasspedia.com/index.php?title=Zobo_and_Songophone


https://marge.home.xs4all.nl/Zobo.htm#.U9JAiOnlqUk

 

いずれも、マニアックなサイトで、実際にはこの楽器は「アメリカにおいてもすでにほとんど失われた、幻の楽器」であることがよくわかると思います。



なかには、このゾボーを復活させようとしているナイスなアメリカ野郎もいるようで(笑)


https://fabacademy.org/2022/labs/aalto/students/arthur-tollet/projects/Zobo.html


こちらは3Dプリンタでの作例ですね。左大文字みたいなおっさんが海外にもいるということで、心強いです。


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 さてゾボーとはなんぞや?


ということをまとめると、上の海外サイトにもありますが


「ホーンカズー」「ソングフォン」


ということになるでしょう。まさにホーンがついたカズーで、なおかつ歌で演奏するフォンです。


 ところが私が作っているのは、金管ブラスではなく「木管」です。もともと左大文字は木工系しかやっていないので、金管は未経験。


 そのため、ロングトーンカズーは「ゾボーの一種」とも言えますが、実はゾボーには木管系のものもわずかに存在したようです。



 それはこういう感じのもので、今で言う「ウッドカズー」と「リコーダーやクラリネットなどの木管楽器」との中間仕様みたいな感じになっています。


 というわけで


「ロングトーンカズーは、ゾボーの2025年版」


と言っても過言ではないでしょう(笑)



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*専門的な注釈*


 ゾボーやホーンカズーは、構造を見る限り「カズーにホーンをつけたもの」です。ということは、当然「人間の声の成分をそのまま発する」仕様であることは変わりません。


 なので、カズーのように「人間の声っぽさ」は残ったままで音が出てくるので、多少の「おかしさ」は残っていたかもしれません。


 しかし、ホーンがついていることで、拡大・拡散されるため、(実際の音がどんな感じだったかは想像するしかないですが、)「意外と楽器らしく聞こえた?」可能性もあります。


 現在のカズーでは本体があまりにも短いため、管楽器としての性能が発揮できていない可能性もありますね。


 それに対してロングトーンカズーでは、「人間の声らしさを減衰させる」ことに主眼を置いていますから、「木管ゾボー」と似た音がするものの、わずかに雰囲気は異なると思っています。


 もちろん、このあたりの音のニュアンスの違いは、「ロングトーン奏法」を用いるか否かで大きく変わってくるため、とても興味深いナゾと言えるかもしれません。


 あるいは本来の昔のゾボーを持ってきて、ロングトーン奏法で吹けば、さらに金管楽器らしさがアップすると思います。




 

2025年12月9日火曜日

「普通のカズー」でサックスの音を出す方法

 

 さてみなさんこんにちは。


 先日からずっと「ロングトーンカズー」のお話を書いていますが、今回はそれに関連して


 普通のカズーでサックスの音を出す方法


というのをご紹介します。


 


 ロングトーンカズーでは、「人間の声の成分」を減衰させて


 「音程」と「ビリビリ音」


のみを発してゆくのですが、普通のカズーでも、吹き方を工夫すればおなじようなことができるのです。


 そのコツは、「吹き込む空気の流量を調整する」という技!


 詳しくは動画を参照くださいね!


 今回は


 ■ 唇の使い方を工夫する方法=ロングトーン奏法



 ■ とある道具を使って簡単に実現する方法


の二種類を紹介しています!


 みてね!






2025年12月8日月曜日

新楽器 ロングトーンカズー と 普通のカズーの音の違いをアップしました。

 

 さてみなさんこんにちは。

 

 ロングトーンカズーに夢中な左大文字ですが、今日は、「普通のカズーと音がどう違うのか」という点を動画でアップしました。


 


 音の雰囲気の違いは、動画をみていただければわかるのですが、その最大の違いは


『ロングトーンカズーでは、人間の声っぽさを減衰させて、純粋に音程だけを取り出すような構造になっている』


ということです。


 従って、普通のカズーでは「人間の声っぽさ」が残っているがゆえに、最終的に出てきたカズーの音が「おかしな音、面白い音」に聞こえるのですが、ロングトーンカズーでは、


「おもちゃよりも、楽器に近い音質になる」


ということなのです!


 もちろん、おもちゃとしてのカズーの良さもあるのですが、本物の「木管楽器」などにより近づいたサウンドになっているロングトーンカズーは、楽曲づくりの上で、かなり有能な相棒になってくれるはずです(^^


 なんといっても、ほとんど練習しなくても「サックスの音」や「クラリネットの音」が出るのが、すごいのです!



 さて、二本めの動画では、ロングトーンカズーの演奏方法のバリエーションで


「3タイプの音」


が出せることを示しています。



 ■ ノーマルの音

 ■ ハイキーでピーキーな「ビリビリマックス」なサウンド

 ■ 木管楽器のような「マイルドサウンド」


の3つのニュアンスが選べるので、演奏の幅が広がりますね!






2025年12月7日日曜日

新楽器 「ロングトーン・カズー」の音を出しました!

 

 さてみなさんこんにちは。


 前回から情報を小出しにしている「ロングトーン・カズー」ですが、いよいよ正式に音出ししました。


 



 まずは、ショート版の「ロングトーンカズー」デモです。 特に決まった曲ではないものの、「サウンドの雰囲気」はわかると思います。


 それから短い動画を2本アップしました。


 



 



 「マイ・ウェイ」と「名探偵コナン」の一部です。


 こちらも、さらっと吹いただけなので、簡便なデモですが、この楽器のサウンドをまず聴いてもらおうと録音しました。



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 端的に言えば、ロングトーンカズーとは「サックスのような音が出せるカズー」です。


 ふつうのカズーは、玩具性が高く、「人間の声の成分」がかなり残っているので、「人間の声の成分」+「膜のビリビリ音」が合わさって出てくることで


 おかしな音、ファニーな音、面白い音


に聞こえるのですが、ロングトーンカズーの場合は「人間の声の成分」をできるだけ減衰させて、


「音程だけを限りなく残す」+「膜のビリビリ音」


を出力するようになっています。


 そのために


何度も何度も試作を繰り返しながら


■ 管内を通る空気の流量を調整している

■ 管の長さを調整している


わけですね。


 膜に対して息として入ってくる空気の流量や速度と、ある程度の管の長さのバランスで


「人間の声として聞こえる成分」


が抑えられるようになっています。


 そう思いながら、もう一度デモを聴いてもらうと、「いかにもカズーを歌っているなあ」という「声の成分っぽさ」が隠れているのがわかると思います。


 この効果によって、「おもちゃのカズー」が、より「楽器」としてレベルアップした音に変わる、という仕掛けです(^^


 楽器の特徴としては、もともとカズーの場合「高い声で歌うと、綺麗に通る」という能力があるのですが、ロングトーンカズーでは、「ある程度低い声でも響く」という長所もあります。

 もちろん、高音も伸びやかに通ります。


 実際に手にとって頂いて、吹いてもらえれば、このロングトーンカズーのポテンシャルに気づいてもらえると思いますが、これまでの楽器同様、頒布体制を整えてゆきますので、お楽しみに!






2025年12月5日金曜日

新楽器「ロングトーン・カズー」を発表します!!

 

 さてみなさんこんにちは!


 2025年もあと少しですが、来年は「新しいプロジェクト」をゴリゴリに推してゆきます!


  これまで左大文字流は「弦楽器(とくに三味線・三線)」を推しておりましたが、はじめての「管楽器」でございます(^^)


 まだ、今日の記事では「プレ発表」段階なので、詳しいことは今後のお楽しみですが、


■ ロングトーン・カズー


という名前だけでも覚えて帰ってくださいね。


 そのビジュアルは、



 ↑こんな感じ!!!

 まだ試作・調整段階なので、最終版は予告なく改良する場合がありますので、ご了解ください。

 ただ、おおむね全体的には「この形状」はかなり計算して練られていますので、大きく変動することはないと思います。


 さて、カズーというのは、



 こういう楽器、というか「おもちゃ」です。


 


 全長が10センチとか12センチくらいで、うすい膜が張ってある箇所があり、そこがビリビリ振動することで、「へんてこな音」がする玩具ですね。


 上のようなデザインは「潜水艦型」と呼ばれたりしますが、基本的にむかーしから、こういう形はあまり変化していません。


 カズーはアフリカ発祥のようですが謎が多い楽器です。


■ アメリカ・ジョージア州メイコンのアフリカ系アメリカ人アラバマ・ベストが1840年に発明した


という説があるようですが、裏付ける資料がないそうです。


(カズーの演奏集団が後付で作った話かも?という説があります)


■ 現代カズーの特許は1902年に出願され、また1916年にはニューヨーク州イーデンで、金属カズーの量産が始まった


とのこと。


 さて、このカズーですが、最低でも100年とか150年とか、あまり進化していません(笑)


 進化していないのは、原理が簡単であることと、なおかつこの楽器が「玩具」の範疇をあまり出ていないからだと思います。


 カズーは人間が発する声に「ビリビリ音(膜の振動音)」を付加するものですが、「変な音」「おかしな音」「笑ってしまう音」「チープでふざけた音」のにように聞こえるために、どうしても玩具性が高くなってしまうようです。


 もちろん、プロの「ジャグ・バンド」や「フォーク」などの分野で用いられることもありますが、「貧乏人のサックス」なんてあだ名がつくくらいには、「本格的ではないもの」というイメージがあるわけですね。



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 そうした「カズー」への評価を、大きく一変させる可能性があるのが、今回発明した新楽器


「ロングトーン・カズー」


です! ヤバい!ガチでヤバい(笑)


 はい。そこで「ロングトーン」のお話。


 ロングトーンというのは、「一定の音程で長く息を吐きながら音を出す」という歌唱スキルですが、カズーは「歌いながら音程を出す」楽器なので、このロングトーンを使いこなすと



 化けます!!! カズーがサックスに化けるのです!!


 もちろん、カズーはロングトーンを使わなくても普通に音が出るため、このことに気づいている人はとても少なかったように思います。


 なおかつ、「ロングトーン専用のカズー」を開発した人も、いなかったのではないでしょうか?


 というわけで、左大文字工房が2026年にむけて激推しする「ロングトーンカズー」は、あと少しで正式発表ですので、



 お楽しみに!!!



 


 

 

2025年12月3日水曜日

サイレント三線SP3を製作しました!

 

 さてみなさんこんにちは。

 

 おそらく今年最後になるだろう楽器は「サイレント三線SP3」でした。


 いろいろ3棹同時製作していたので、たいへんでしたがなんとか完成です。



 サイレント三線シリーズは、このブログの読者の方には、もうおなじみですね!




 このあと、年末から来年にかけては、ちょっと別のプロジェクトもあるので、しばらくそっちのほうにかかりっきりになるかもしれません。


 また近い内に記事に上げますね。