さてみなさんこんにちは。
今年最後の楽器製作は、「ポケットロック(PocketRock)三味線モデル」です。
(実際には二味線です)
ありそうでなかった形状ですが、ポケットロックの基本構造はそのままに、三味線のラウンドボディを組み合わせています。
今回は特注モデルなので、サウンドホールは無しですが、(いわゆるゴッタン状態)とても良い音がします。
今回のモデル、実は用途がかなり狭いというか、これを弾く方の事情にあわせているので、こんな形になりました!
そもそも三味線を弾きたい、ゴッタンを弾きたいのであれば、ふつうに三本弦の楽器を作るわけですが、あえての2弦にしていることや、ポケットロック互換の小さなサイズにしていることは意味があるわけです。
ではどういう目的があるのか説明しますね!
========
まず、とある方から「こどもが沖縄の三線に興味を持っているのだけれど、まだ5歳とかなので、そもそも興味が続くかもわからない」という相談を受けました。
お子さん的には沖縄にゆかりがあって三線を弾きたいとは思っているけれど、当然ちっちゃな子なので、すぐ飽きてしまうかもしれない、というわけです。
そこで、本格的な三線、あるいはそのようなものを与えるのはどうなんだろう、とか、ウクレレのおもちゃとかを渡しておけばいいのだろうか、とかそういう悩みになったわけですね。
そこで、左大文字さんとしては、「ではこんな楽器はいかが?」と今回の提案になりました。
これまで「手作り三味線イベント」などで小さな子の楽器製作や練習などに、のべ百人以上接してきた中で気づいたことがあって、
■ いわゆる糸巻き方式は、こどもにはとてもつらい。合わせにくく、すぐズレてしまう
■ 3本弦の楽器は、とたんに習得が難しくなる。大人でも実はハードルがある。
という事実があるのです。
そこで、まず2弦にした「どんぶらこ」が登場し、そこからペグ式に変えた「森のギター」に移行し、最終形態が「ポケットロック」になったわけですが、小さなこどもでも
■ ペグ式だと、チューニングがあまり狂わないし、調整しやすい
■ サイズが小さく、なおかつ2弦のポケットロック方式はわかりやすい
という結論になりました。
おまけに今回は「三線に興味がある」ということなので、形状を三線に寄せていった、ということなんです。
実は2弦のポケットロックも、三線や三味線のチューニングに準拠しているので、ほぼおなじメロディが弾けます。
実際に三線を持っている方は、意味が伝わると思いますが、三線でも男弦はベース音を出しているだけで、中弦と女弦だけで、メロディの大部分は弾けてしまうのです。
なおかつ本調子の場合は、男弦と女弦はおなじ音のため、最小の工夫で代替が可能です。なので、お子さんの最初の練習楽器としては2弦のポケットロックはそれほど外してはいません。
むしろスムーズに三線や三味線楽器に移行できる、とても初学に適した楽器だと考えています。
というわけで今回はポケットロックの「三味線モデル」ができたので、もしほしい!という方がおられましたら、いつも通りご連絡くださいませ。
0 件のコメント:
コメントを投稿