2018年12月25日火曜日

特注 サイレント三線SP3を製作しました。




 さてみなさんこんにちは


 今回製作したのは、依頼があって特注仕様になっているサイレント三線SP3です。


 


 いわゆる胴付きのタイプですね。


 エレキになっている部分の構造は、通常のサイレント三線とおなじシステムですが、胴がついているので姿勢をとりやすくなっています。(持ちやすい)







 ついでに、ヘッドはペグ仕様です。


 


 胴部分は枠のみ存在します。胴の空間自体は無意味です。



 サイレント三線なので、普通に弾こうとしてもほとんど、まったくと言っていいほど音が出ません。アンプに繋いで使う楽器です。



 

2018年12月24日月曜日

ポケットロックを製作しました。


  
 さてみなさんこんにちは。

 年末が迫っておりますが、なんとか楽器製作を頑張っております。年内ギリギリになってしまいましたが、今回はポケットロックが2棹。


 


 いちおう、ポケットロックのオリジナルとエコモデルなのですが、今回は両方とも塗装しているので、写真では違いがよくわかりませんね。


エコモデルはギアペグ仕様特別版。



 オリジナルは基本は、クリア塗装でお届けすることが多いのですが、そのときの木材の状況によっては塗りを入れる場合があります。

 材木の状況によって、少しずつ造りが変わる場合もあります。ご了承ください。

  ペグも、ある程度規格をそろえてはいますが、これもそのとき入荷する部材によって違いがあります。


 ポケットロックは、全作品「一点もの手作り」ですので、ご理解賜るとうれしいです。

2018年12月14日金曜日

ポケットロック3兄弟を作成しました。




 さてみなさんこんにちは




 順次依頼を受けて楽器を作っていますが、今回はたまたま3件依頼が重なったので、



 ポケットロック3兄弟



が完成。いずれもプレミアムモデルです。



 


 いちおうまったく同じ仕様のものが3つそろっています。





 これから、梱包やら発送の準備に取り掛かります。


 楽器製作依頼は、まだあるので年内頑張ってある程度製作しようと思っています。




2018年12月7日金曜日

小じゃみチントン サウンドデモを作成しました。



 さてみなさんこんにちは


 前回紹介した三絃司「きくおか」さんの”小じゃみチントン”ですが、今回はサウンドデモを公開しました。




 この楽器、最大の特徴は「ユポ紙」という合成紙を表皮に張っているところです。

 三線の人工皮をご存知の方は、あの表皮は「ナイロン」ベースなのですが、三線の人工皮はあまり「伸び縮み」がない材料だと言えます。

 ナイロンそのものは、ある程度収縮があるのですが、繊維一本一本が太いものを選んで表皮としているので三線の皮として使われているものは、ほとんど収縮しません。

 それがあの独特の「カンカン音」を生み出しているわけです。


 それに対してユポ紙を張った「チントン」は、張力もある程度弱めに張られていることもあるし、ユポ紙自身が薄いこともあって、ある程度伸びます。

 なので、弦を張るときの調弦、チューニングのキーによって、ユポ紙の表皮そのものもある程度伸びたり縮んだりすることになるのです。


 これが、チントンの一風変わった音の風合いと関係してきます。


 CFCのキーでは、ユポ紙の張力に対して弦の圧力が緩めなので、ぼわんぼわんした「まろやかな音・ぼやけた音」がします。

 それが、キーが上がってくるに連れて本来の性能を発揮するというか、楽器の人格が変わったように

「はっきりした、エッジの聞いた音」

へと風合いが変わってゆきます。


 チントンの同封マニュアルでは二上がり調弦での例が書かれていますが、当方では本調子でチューニングすることが大半なのでGCGで試してみました。


 楽器の性能的には、Gベースはやや高すぎるような気もしますが、このあたりは難しいところですね。


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 実際に弾いてみた感触は、


1) 棹が薄いので、持った感じはギターを持ったような雰囲気になる。

2) 胴も薄いので、抱え方がエレキギターを持ったような感じになる。

3) 木材加工の精度がかなり高いので、構造は全体的に「カッチリ」している。

4) 糸巻きの密着具合はこのクラスの簡易楽器としてはとてもよく出来ている。


といったところでしょうか。



 まだまだ、研究してみますね。

2018年12月2日日曜日

小じゃみチントンを作ってみる ~簡単手作り三味線キット~



 さてみなさん、こんにちは。


 簡易三味線のようなものを作り続けてはや25年以上、これまで作った楽器総数はおそらく500棹以上にはなっている左大文字ですが、ずっと気になっていた「三絃司きくおか」さんの


小じゃみチントン


をようやく製作することができました。


☆三絃司きくおかさんのサイト
http://www.syamisenya.jp/index.html




 では、レビューです。




 到着したパッケージはこんな感じ。棹を分割することでコンパクトにまとまっています。


 中身は「棹」「棹下部」「胴」「糸・駒・譜尺・紙やすり・木工ボンド」「製作マニュアル・さくらさくら楽譜」です。



 基本的に何かを「作る」部分は↑ここだけ。棹の上部と下部を同封の木工ボンドで接着します。

 固定時間は1時間が目安。ほんとうに1時間弱あればちゃんとくっつきます。

 


 棹がくっついたら、胴にさしこむだけ。

 




 奥まで→差込み。




 こうなります。


 

 糸巻きも工夫されていて、弦とおなじ色に3色に塗りわけられています。

 




 音緒部分は糸を穴に通すだけなので簡単。あとは糸巻きをまくだけ。


 全体像。



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 ボディは薄くて、軽く、棹も薄めでかなり持ちやすいです。反面、ふだん三味線を弾いている人からすれば、「演奏感覚」がかなり異なり、ギター寄りです。



 実際のサイズは、こんな感じ。

 左から、ポケットロック チントン 三線サイズ板張り ゴッタンレプリカ です。


 ポケットロックの弦長が430 チントンは520 三線は600ですから、だいたいの感じがわかってもらえると思います。


 面白いことに、チントンの推奨チューニングはGDGで、いわゆるポケットロックやシャミレレの430ミリクラスのものと同じです。


 かなりハイトーンの高いキーでチューニングするように設計されているのは、弦長が短いからですね。


 ユポ紙が張ってあるのですが、キーが低いと本来の音色を発してくれず「ぼよんぼよん」としたやや弱いたるんだ感じの音が出ます。

 ところが、キーが上がってくると、人が変わったみたいに突然「三味線らしいいい音」を発してくるようになります。

 その意味では、このチントンをはじめユポ紙を張った楽器は「弦のテンション、皮のテンションの領域がシビア」であるとも言えるでしょう。



 実際のサウンドについては近日レポートします!おたのしみに!