さてみなさんこんにちは。
先日からエアガン(エアソフトガン)をいじっており、エアガンと「競技」「ゲーム」の関係について考えております。
基本的にエアガンというのは「銃」を模倣したものなので、「銃を使ったゲームや競技」の影響を多分に受けやすいわけですが、その遊び方を純粋に考えると
■ できるだけ遠くの的に当てる
■ できるだけ正確に的に当てる
■ できるだけ早く的に当てる
くらいしかないわけで、実銃のライフル狙撃でも「できるだけ遠くの的に当てる、スコープ動画」とか、「できるだけ正確に的の中心に当てる射撃競技」「できるだけ早く当てるスチールチャレンジ」とかが実在することがわかります。
的に当てる競技、というのは以上のようにシンプルなので、「正確に中心に寄せてゆく」ということがどうしても基本になってしまいます。
その意味では「ライフル射撃(ビームやエア含む)」と「弓道・アーチェリー」「ダーツ」などは、用いる道具は違うけれど、「やることは一緒」という範疇におさまってくるわけですね。
で、「ただ的に当てる」ということがすべてのベースなのだけれど、それでは面白くないので、複雑系が少し増えます。
■ 的のほうが動く(クレー射撃)
■ 射手のほうが動く(流鏑馬)
などのように「動くシステム」が加算されると、ゲームの難易度が少し上がるわけですね。
========
このようにして考えると「え?エアソフトガンの遊び方って、それくらいなの?」となってしまいます。
ブルズアイの「的」を買ってきて、その中心に当てるとか、空き缶に当てるとか、そういうことを一通りやってしまうと、そりゃあ面白くなくなってきます。やることが少ないからですね。
その意味では、エアガンを使う「サバイバルゲーム」というのは、一種の大発明だとわかります。敵味方に分かれて、それなりの装備を身にまとい、相手を実際に狙撃するわけですから「的も動くし、自分も動く」という意味においても、射撃系ゲームの完成形こそが「サバイバルゲームである」と言っても過言ではないかもしれません。
おまけに「弓やアーチェリーを使ったサバイバルゲーム」は想像するだけでヤバそう(笑)なため、けが人が続出しそうなので実現は難しいでしょう。さすがに突起物を投げ合うのは、厳しいものがあるため、ジュール計算がなされたBB弾を打ち合うエアソフトガンでのサバイバルゲームは、安全性の上でも「ギリギリのよくできたゲームである」と言えるかもしれません。
=======
しかし一方で、サバイバルゲームは、生身の人間がもろに射撃体験を模して行うため、競技性という意味では課題も多く生じています。
たとえば「撃たれた人間は自己申告で手を挙げて退場する」といったルールは、意外にもアナログであったり、また審判判定性を欠くため、競技性が低いことにも繋がるでしょう。
仮にオリンピックにサバイバルゲームが正式採用されたとして、どのように審判してゆくのか、などが「決めづらい」のであれば、それは「ゲームの競技性にそもそも難がある」ということになるでしょう。
そこで、もう一度「的に当ててゆく」競技にどんなものがあるかを思い起こしてみると
■ すべらせて的に当ててゆくカーリング
■ 鉄玉を的に当ててゆくペタンク
■ お手玉のような玉を的にあててゆくボッチャ
■ ペタンクやボッチャの原点であるローンボウルズ
などが考えられます。
これらは銃や弓・矢系の標的競技と異なり、「当たった側の相手の玉が動いて、複雑系が形成される」という特徴があります。
相手(的)に寄せて、終わりなのではなく、そのあとに「目標が動くので、ゲームがさらに展開する」というシステムが、ゲーム性を増加させているわけですね。
■ ビリヤード
などもおなじく、投擲後の二次・三次展開がゲーム性を増加させていると言えます。
ところがこのシステム、「弾・矢」などでは、ちょっと採用が厳しいのです。BB弾同士を当てて動かすとか、ダーツの矢をどんどん弾き飛ばすというのは、物理的に、構造的に厳しいので、カーリング/ボッチャ/ペタンクのようなゲームシステムは取り入れにくいことになるでしょう。
そこで「的同士ではない」ものを想起すると
■ ボーリング
などが考えられます。ボーリングであれば、「アクションを起こしてからの二次展開」はピンがどのように倒れるかで実現されることになります。
似たようなスポーツとしては
■ モルック
が挙げられます。モルックはカーリングなどのようでもあり、倒れたスキットルの動きで二次展開以降が動きますから、「的に当てる」だけではなく、その後の展開が大きいスポーツだと言えるでしょう。
実は、
■ 射的
という競技も、すこしこうした要素を含んでいます。射的は「的に当てたらお菓子や景品がもらえるわけではない」からです。「的に当てる、なおかつ、的を倒す」ことが必要で、重心が存在することが複雑系としてゲーム性を高めているわけですね。
========
こうして考えると「エアソフトガン」の面白いところは「的に当てるけれど破壊するわけではない」という点かもしれません。ちょっと射的要素がある可能性も。
ダーツや弓などもそうですが、「的に当てる=かなりしっかりしたもので受け止めないと、相手が破壊されてしまう」ということが起きます。
ボーリングやカーリングなども「お互いガチンコで硬いものでできており、ぶつかりあっても大丈夫」という構造になっている場合もあるでしょう。
そうするとエアソフトガンでの新しいゲームを生み出すには、「BB弾は当てるけれど、相手を破壊しない」ということがイメージされます。
あるいは射的などのように「相手を重心的に狙って倒す」という要素を盛り込めば、ボーリングのようなゲームは創作できます。
このあたりを絞り込んでゆくと
「エアソフトガンで、モルック的なことをする」
というのが、新しいゲームの創出に繋がると言えるでしょう。
■ いくつかの的を
■ エアソフトガンで当てる・倒す
■ 当たった的が倒れることで二次展開、三次展開が生じる
■ 正確に的に当てることと、的を倒すことの2通りの意味付けを与える
というのは、かなりモルック的であるということです。
モルックは倒れた本数でカウントされる場合と、そのスキットルに書かれた数字でカウントされる場合があります。
エアソフトガンのBB弾は小さいので、「正確に当てる」ことと「ある程度の本数を倒す」ことが両立でき、ゲーム性が高まります。
あとは、「BB弾が与えることのできるジュール数」と、「スキットル的なものの本数や重量、形態」を絞り込んでゆくことが必要で、ゲームとして成立する形態へとシステム化してゆくのが面白いと思います。
ゲームの名前は「Snike」(スナイク)
としたいですね。