2014年5月27日火曜日

【三線ism】 「森のギター」製作イベントのおしらせ



 さてみなさんおひさしぶりです。

 毎年恒例で実施しておりました「手作り三味線」「シャミレレ」講座ですが、今年はいろいろと事情で開催しない方向が大です。


 その代わりといってはなんですが、今年は「森のギター」なる新楽器の製作イベントが行われる予定!

 もちろん、設計監修は左大文字が行っております。

 どんな楽器かというと、これまでもうひとつのブログの方で「オープンソース志向弦楽器Forestar」として開発してきたもので、これを「森のギター」なる愛称をつけ、一般に公開するものです。


 Forestarはこんな楽器


 イベント実施日は2014年8月24日(日)、10名程度の人数制限がつくかもしれません。実施会場は兵庫県立丹波並木道中央公園さんです。

 現在予定を立てている途中ですので、変更あるかも。




<おしらせ>手作り三味線・シャミレレ講座の今年の開催状況について

 左大文字流よりのおしらせです。




 毎年、多くの方に親しんでいただいております。



 「手作り三味線」「シャミレレ」の製作講座



ですが、今年度2014年春~秋期については開催できないことが濃厚になっています。




 理由は、材料キットの不足で、これまで「かなり作りやすいオリジナルの楽器キット」を作ってもらっていたのですが、今年はそれらを人数分揃えることができません。



(ちょっと標準的なキットの作りが高度すぎて、今の製作担当の方には作れないようです)




 来年度以降の開催についても、調整中となっておりますので、当ブログをご覧の方にはご理解賜りますようお願い申し上げます。




 これまで累計300棹近くみなさんに親しんでもらっておりますが、また再開できるように頑張ります!

 あるいは、「やってくれー」と圧力をかけてみてください(笑)


 声が大きければ、なんとかなるかも。ならないかも。

2014年5月25日日曜日

<プロジェクト>オープンソース志向弦楽器Forestarの製作イベント実施予定

 こんにちは

 しばらく「Forestar」関係のお話はご無沙汰でしたが、いよいよみなさんの前に現物をお披露目できる機会が作れそうです。


 以前のブログ記事にも書いた通り、この楽器は

「森のギター」

として公開することになりそうですので、そちらも合わせておしらせ。


  まだ予定ですが2014年8月24日の日曜日に、兵庫県にて「森のギター製作体験イベント」を実施する方向で調整しています。

 楽器を作って、弾くところまでレクチャーする内容の講座になると思います。本日は、その打ち合わせをしてきました。


 現在、楽器のキット化の準備最中!


 最初のイベントですので、人数も制限あると思います。


 オープンソース志向弦楽器「Forestar」にご興味のある方は、当ブログの告知を気にかけておいてくださいね!


2014年5月8日木曜日

<研究>アナと雪の女王 ”Let It Go"はなぜヒットするのか?!

 みなさんおひさしぶりです。

 三線コード弾きのほうは、楽器づくりの依頼が入っているため、やや停止中ですが、今回は今最もホットな話題を。

 ディズニー映画「アナと雪の女王(FROZEN)」の主題歌『Let It Go』がやたらめったらヒットしており、私のyoutubeの動画でも人気があるようです。


 先日、GWの旅行をしていて車でFMラジオをかけていましたが、おおむね2時間に1~2回くらいは、なんやかんやで流れているという「ヘビロテ」ぶりにビックリしました(^^;


 おまけに、店に入っても今度は有線でLet It Goが流れてくるものですから、頭の中は、日本語版英語版織り交ぜて


「れりごー れりごー (ありのー ままのー)♪」


のオンパレードです(笑)


 さて、この曲がヒット曲たる理由を、あまたの「POPS」曲をコード譜にしてきた左大文字が、解析してみよう!というのが今回のネタ。ズバリ、


 なぜ、Let It Goがヒットするのか?!


がテーマです。


==========

 まず、この曲の場合、歌詞は除外してOKです。というのも、Let It Goのヒットは国内だけでなく、全世界へ広がっていますから、日本語詞が突出して良いというような理由ではないと思います。


 そもそも、余談ですがLet It Goとは「ありのままで」というよりかは

『ほっとこう』

『あきらめろ』

『忘れろ・気にするな』

的なニュアンスの言葉ですから、日本語歌詞のいわゆる「良い子ちゃん」なポジティブ前向き感だけで捉えることができない歌です。

 従って「歌詞がいいから魅かれる」というわけではなく、楽曲そのものの力でヒットが生まれていると、仮定できると考えます。


==========

 当左大文字流では、これまで数百曲に渡るポップスコードを解析し単純化してきましたが、(そのうち100曲近くを『沖縄三線コード弾き実践レッスン』『三線コード練習帳』やウェブ記事・メールマガジンなどの形でみなさんにお届けしています)その作業の中である程度


ヒット曲の要因・理由


について分析することができるようになりました。


 ★それらの一部は、既に『沖縄三線コード弾き実践レッスン』『三線コード練習帳』の中でも取り上げていますので、ご興味のある方はご一読ください。


 
 それでは解析スタートです。


==========

<前奏>

<Aメロ>

Am  F  G  C(オープン)

Am  F  G  D

Am  F  G  C(オープン)

Am  G  D

<Bメロ>

G  F  

G  F  D

<サビ>

C  G  Am  F

C  G  Am  F

C  G  Am  F

Em  G

F

==========

<ヒットの要因1>小室進行


 まず、youtubeでもブログでも、1番の部分のみ取り上げているのですが、前奏から入ってくる最初のAメロが


 Am F G C


になっています。

この部分は、近年日本のポップス界を支配したといってよい「小室進行」になっています。小室哲哉さんが多用したので、コード業界(笑)では有名な進行パターンです。





<ヒットの要因2>カノン進行の変形

 そして、サビは


 C G Am F


 が基本形で、Emも使われています。

 これは、誰もが気付くとおり、ヒット曲進行の「王道」とも言うべき「カノン進行」の一部ですね。

 
 というわけで、コード進行的には、小室進行・カノン進行という王道パターンがメインになっているので、「当たらないわけがない」というのがまずポイント!


★実際には、オリジナルのコードは上記パターンをベースに少しアレンジが入っています。左大文字流では、コードをできるだけ単純化して記載しますので、本来の進行パターンで表記しました。




<ヒットの要因3>マイナーコードからメジャーコードへ

 上記2点とも関連しますが、私の解析ではヒットする曲のスタートコードは


Cスタート

Fスタート

Amスタート


の3つしかありません。(移調した場合・単純化)


 そしてこの曲はAmスタートなのに、サビがCスタートになっています。

(BメロがGスタートでつなぎの役割です)


 このマイナーで始めて、その後メジャーに持っていく構造は、確実に作曲者の意図があります。

 暗いイメージから明るく展開する反転が、楽曲全体のイメージをひっくり返しているので、一層印象に残ることになります。


 これと同様の構造は、私がテキストで取り上げている楽曲の中にはHYの”nao”ぐらいしかありません。


 たくさんありそうで、実は意外にないのがこのパターン進行なのです。



<ヒットの要因4>高低差のあるメロディライン

 歌ってみるとすぐわかりますが、この曲は低音部分と高音部分の差が激しく、低い声から高い声までを一気に歌い上げないと歌えないようになっています。

 近頃のポップスでは、この「高低差(特に、低いほうから高いほうへ上がるメロディ)」は、ヒットの要因として特筆できると思います。


 例でイメージするとわかりやすいですが広瀬香美さんの楽曲「ロマンスの神様」「ゲレンデがとけるほど恋したい」などと同じ効果です。

 一直線に一気に上がる音程が、個性的であるとともに、一種の高揚感と心地よさを生み出していると考えられます。



<ヒットの要因5>スピード

 
 この曲のテンポは♪=137で、お聞きの通りハイスピードです。亀田誠治さんの分析では、120以上はパワーゾーンで、「元気感・ワクワク感」を与えることができるとのこと。

 全世界共通で、人類に「希望と元気」をくれる、という意味でもこのスピードは重要な要素だと思います。


★私はまだ読んでいませんが、ヒットプロデューサーの亀田誠治さんの著書「J-POP評論 ヒットの理由」が面白いとのこと!



==========


 というわけで、この曲は作曲者の感性と技術(ヒットする理論)が絶妙にマッチしている類希な曲、すばらしい曲だと思います。

 頭で理解できても「なかなか作れそうで作れない」名曲だと思うのですが、いかがでしょうか?!