さてみなさんこんにちは
三味線や三線に関わってきて、約30年。これまで「斜陽産業」と呼ばれてきた和楽器を応援しながらこんなブログを書いたりしてきたわけですが、
いよいよ、三味線はもうダメかもしれない
と思っています。
ヤフオクなんかを見ていると、去年から今年くらいにかけて、かなり大量の三味線のジャンクというか、倉庫や自宅に眠っていたデッドストックのようなものが出品されるようになりました。
もちろん、これまでも使われなくなった三味線などの和楽器が放出されることは、日常的にあったのですが、ここんとこ登場する品々は、数が違います。
糸巻やら、バチなんかも、十数本単位で出されているのですが、それらの中には、明らかに作りかけ、みたいなのも混じっています。
つまり、これまでなんとか残していた「最後の在庫やら、廃業した楽器工場」ものがどんどん出てきているのだろう、と思われるのです。
悲しいのは、そういう品々がまた「落札されない」こと。
そりゃあまあ、三味線マニアの左大文字でも、
ジャンク三味線10棹セット
が必要か?ほしいか?と言われたら、結論はたぶん
「ごめん、いらんわ」
ということになるでしょう。ということは、他に誰が買うねん!ということになります。
かなりの和楽器好きでも躊躇するというのであれば、これはもう、ひとつの文化の終焉が近いのだろうなあ、と感じます。
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まだ幸いなことに、沖縄三線のほうは売れているし、中古品でも相応の値段で回転しています。だから本州の三味線と沖縄の三線を一緒にするわけにはいきません。
ただ、本当に長唄三味線とか、地唄とか、お座敷系の三味線は、もはや誰も弾かなくなっているのだろうと思います。
後は「プロ」として触っている人のみで、ハイアマチュアや入門者は、もうほとんどいなくなったのかもしれません。
歌舞伎などの舞台に上がって使っている人は、いなくならないし、必要だとは思いますが、そうなるとさらに、「一般向けモデル」なんかは放出されっぱなしで、誰も見向きもしないということになるでしょう。
東京でも、三味線を作っておられる企業が廃業を考えているという話がニュースになったりしていましたが、遅かれ早かれ時間の問題と思います。
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では、なぜ三味線は廃れてしまうのか。それはもう答えは簡単で、「弾く曲がない」「ソフトウエアがない」ということに尽きます。
プロが演奏会で弾く曲はもちろん存在しますが、それを入門者が弾きたい、やってみたいとは思わないということかもしれません。
そして、ギリギリ生き残るのは『津軽三味線』の系統かと思いますが、これとて実は三味線音楽の中では、いちばん時代が新しいから残っているだけで、もう少し時が立てば、やはり演奏人口が減ってくるのでしょうね。
1990年代から三味線に関わって、三味線が好きで好きで仕方がなかった左大文字ですら、「ああ、いよいよおしまいだなあ」という感慨を抱くのですが、とても悲しいことです。